

『あんぱん』ゆで卵を「殻ごと」食べるシーン、脚本になかった 北村匠海は「極限状態で…」
北村匠海が12日放送の『あさイチ』に出演。朝ドラ『あんぱん』で、嵩がゆで卵を殻ごと食べるシーンの裏話について明かしている。

ロックバンド「DISH//」のボーカルで俳優の北村匠海が、12日放送の『あさイチ』(NHK)に出演。NHK連続テレビ小説『あんぱん』の撮影エピソードを語った。そのなかで、戦争中の飢餓状態で、ゆで卵を殻ごと食べるシーンの裏話について明かしている。
9日間絶食
北村演じる嵩は、劇中で小倉連隊に配属され、中国の福建省に進駐。日本軍が補給路を断たれたことで食糧不足に苦しめられる。
北村は撮影中、3日間の絶食を3回繰り返し、合わせて9日間絶食したことを打ち明ける。「絶食してなきゃいけないシーンの次は、そうじゃないシーンだったりとかもしたので。そのバランスは上手く取ったりしながらだったんですけど。一緒にこの戦争というのを過ごしてくれた役者の皆様も、みんなで一緒について来てくれて、話し合いながらやっていました」と語った。
「ある種の狂気が」演出家も称賛
MCの博多大吉は、嵩らが雑草を口にするなど飢餓状態のなか、現地の住民に差し出されたゆで卵を手に取り、殻ごとむさぼる場面に言及。「ゆで卵を食べるシーンあるじゃないですか。殻ごといくっていう。あれが本当、鬼気迫る感じもあったりとか...」と話す。
演出の柳川強氏も、「兵糧が尽きて飢えと戦うシーンで、北村さんは自ら絶食しました。そこまでする役者魂に感服しました」とコメント。
さらに、「戦争を描いた期間の後半の北村さんは、ある種の狂気が感じられるくらい怖かった。老婆にゆで卵を渡されるシーンは、脚本には殻をむいて食べるとなっていましたが、北村さんからの提案で『飢餓状態であれば殻ごと食べるのではないか』ということで、あのかぶりつく場面ができました」と明かした。
「本当に生きるという1点だけ」
北村は「正直、提案したときは『これをやって、いいものなのか』っていうのはあったんですけど」と迷いがあったことにも触れる。
「でも実際、芝居のなかで殻をむいてみると、自らが絶食状態だというのも相まってではあったんですけど...。僕らは今こうやって幸せに生きているから、ゆっくり噛むことができたり、味わうっていうことができるけど、そうじゃない極限状態のときの、目の前にある食料って、本当に生きるという1点だけなんです。そこに対しての生への執着っていうところは...。(殻を)むく、という美味しくいただくっていう思考にはやっぱりいたれないよねっていうのを話させていただいて」と、演技にいたった経緯を述べる。
食べ物の栄養に「すごい」
また、「すごく感じたのが、卵の栄養価、すごいです。あの(卵を)食べた後に、戦争の冒頭の匍匐(ほふく)前進のシーンだったんですよ。これさっきの卵を食べたシーンの直後なんです。卵すごすぎて...もうギンギンになっちゃって。『いけます!』みたいな。『いきまーす!』って」と、体力の回復を感じたことも回顧。
「そこで改めて、僕も食べ物の栄養だったりとか、殻ごと食べたからですけど、やっぱり殻ごと食べないほうがいいよね、とか。本当に食の大事さっていうのを経験しましたね」と語っていた。
洞察力に驚かされる
北村が明かしたエピソードに、視聴者からは「卵を殻ごと食べるのは匠海くんの提案だったのか」「確かに飢餓状態極まってたら悠長に殻むいてなんていられないよね」「餓えてるから、その方が、リアルさが増すよね」と驚きの声が。
また、「食べること、生きること、ドラマの軸としての意味と深みがギュッと詰まったシーンになってたと今さらながら感心」「みんなでゆっくりご飯が食べられる日々に感謝したい。今の時代を大事につなげたい」との声も。
さらに、「殻ごと食べるシーンはお涙頂戴は一切なく圧巻の演技だった!」「すごい役者だな」と北村の演技に称賛の声もあがった。
この嵩の強烈な経験が、後に「アンパンマン」を生み出すことにつながる、大きな意味のある場面だったことが伝わる。俳優としての洞察力に驚かされるとともに、改めて現代の平和に感謝したくなる、大事なシーンだと感心させられた。
(文/Sirabee 編集部・しばたけろこ)
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