

“日本で婚活する韓国人男性”が増えているのはなぜ? 意外と知らない「日韓の結婚文化の違い」
日本で婚活する韓国人男性が増えているという。韓国人男性が日本で婚活する理由と、日韓の結婚文化の違いについてまとめた。
近ごろ、日本で婚活をする韓国人男性が増えているという。その背景には“韓国ならではの文化的背景”があるとか。日韓の結婚文化の違いについて解説する。
韓国人男性が日本で婚活する理由
少し前、日本で婚活する韓国人男性を紹介するニュースが、日韓両国でちょっとした話題になっていた。
礼儀正しかったり、かわいらしいといった理由から、日本人女性を理想と考える韓国人男性は多く、日本人女性の中にも、優しくて男らしいと韓国人男性に好感を持つ人が増えているようだ。
だからこそ、そんな両者が出会い、結ばれれば素晴らしいなと思いながらニュースを見ていたのだが……好感があるからという理由だけでなく、韓国ならではの結婚文化を負担に感じて日本で婚活する男性もいるというから、少々驚いた。
韓国では結婚に際し、男性側が新居を用意するのが一般的だが、経済的にそれが難しい若者は多い。しかし日本では男性側が新居を準備するのが当たり前、ということはない。
日本人女性となら新居の準備はもちろん、結婚生活の環境を一から共に築いていけるという期待があるようだ。
そこで「ん?」と引っかかるものがあったのは、筆者が女性だからか、それとも韓国の結婚文化を知っているからなのか……。
めでたく日本人女性との婚活に成功して、新居を男性1人で負担せずともよくなったと仮定して、その次は?と思ってしまったのだ。
確かに韓国、特に男性は結婚時の金銭的負担が大きいのは事実だが、結婚生活そのものにある程度まとまったお金が必要なのは、相手が韓国人女性でも日本人女性でも変わらない。
また、日本で婚活をしても、その後韓国で暮らすことを前提としている男性も少なくないようで、その点も少し気になった。
パートナーとなった女性が韓国で文化的な壁をどう乗り越えていくのか。それはゆくゆく、新居の準備以上に大変な課題になる可能性もある。
言葉の壁、文化の違いなどを乗り越えていくには、本人の努力はもちろんだが、男性側もそのことをしっかりと理解し、サポートする覚悟が必要だ。婚活する男性はきっとそこまで考えているとは思うけれど……。
結婚文化、こんな違いも
こんな心配口調でこの話題を取り上げたのは、 やはり日韓の結婚文化には違いも多いからだ。まず、結婚式に対する考え方からして少し違う。
女性は憧れの結婚式のシチュエーションがあったり、式は小規模にして新婚旅行にお金を使いたいなど、いろいろと希望があるだろう。そして日本では、それは結婚する本人同士の自由でもある。
一方で、韓国は日本以上に社会的な体裁を重視する傾向があるので、結婚式は当事者のものだけでなく、“家”全体の一大イベントである。両親の社会的地位や意向などもしっかり反映される。
そのため、日本のように入籍だけで済ませるという選択肢はほとんどなく、そもそも韓国では式を挙げないカップルをワケありと捉える人が多い。
式自体、いかに多くの人を招待し、盛大に挙げるかが重視されもする。そのため、親族だけ集まって海外でリゾート挙式……というスタイルはあまり選ばれない。
義実家関連の行事も多い
結婚生活において、女性が負担を感じやすいのは、義実家関連の行事が多いことだ。韓国では日本以上に互いの両親の家を訪問する。
特に女性が義実家を訪問する頻度はかなりのもの。義実家の近くに住めば、毎週末会いに行くという人も珍しくないし、訪問しないとしても近況報告の電話は欠かせない。
義両親の誕生日の食事会、旧盆(チュソク)と旧正月(ソルラル)に行われる祖先祭祀に参加するのはマスト。祖先祭祀には親族が集まるのだが、祭壇に並べる料理を義実家家族と一緒に作るのは恒例行事だ。もちろん家庭ごとに事情は違うけれど。
ここに挙げた違いの例は、結婚文化のごく一部だが、こういった結婚事情を韓国に来てから初めて知って戸惑った、慣れるのに時間がかかったという話は、周りの日韓夫婦の日本人女性からもよく聞く。
婚活中の男性側は韓国の一般的な結婚文化についてあらかじめ女性側にきちんと話しておく必要があるし、女性側もパートナーの家庭の事情をきちんと把握しておく方がいい。
そうしてこそ、この先ぶつかるであろうさまざまな壁も2人で乗り越えていけるのではないか。
と、この記事ではなんだかネガティブな要素ばかりに言及したが、ロマンチックな展開の方は韓国ドラマからでも十分に知ることができるので大目に見ていただきたい。
ちなみに韓国人男性を配偶者に持つ筆者は、言わずもがな日韓夫婦を応援する立場である。婚活が成功し、幸せな結婚生活を送るカップルが増えることを願う。
在韓18年目、現地のリアルな情報をもとに韓国文化や観光に関する取材・執筆、コンテンツ監修など幅広くこなす。著書に『ソウルまるごとお土産ガイド(産業編集センター)』などがある。All About 韓国ガイド。
執筆者:松田 カノン(カルチャーライター・コラムニスト)
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