何気ない一言で相手を傷つけるに。人間関係をラクにする言葉選びの方法
人と話している時に、無意識に自分が言ってしまった言葉を「あの言い方、ちょっと冷たかったかも?」なんて、いつまでも気にしてしまう時がある人は多いのではないのでしょうか。
逆も然りで、誰かに言われた言葉がなんとなくそっけなかっただけで「もしかして嫌われてる!?」なんて考えてしまうことも。日本語は組み合わせや言葉尻ひとつで伝わるニュアンスが全く変わってしまう難しい言語。自分がモヤモヤしてしまうことを他人にしないためにも、伝える相手によって言葉を選ぶための「語彙力」が必要になります。
とはいっても、なかなか急成長しないのが語彙力というもの。まずは、困った時の「語彙力帳」で、毎日一語ずつ、使う言葉を変えてみました。
・「感じがいい人」と思われたい人のためのすてきな言葉使い例
・人に「残念」と思われているかもしれないビミョーな言葉使い例
・言葉使いを考えて会話してみることの「意外なメリット」
■センスのいい言葉で会話できる人が今後「激レア」人材になるかも?
正しいビジネス敬語のメール文も、生成AIに頼めるようになり、自分で文章を考えずとも気軽に送れるようになった現代。ですが、AIが「日本語ならではの細かいニュアンス」まで理解しているかは疑問で、妙に冗長な文章が吐き出されることもあります。しかし、自分で添削しようとすると全体のトーンがおかしくなったり、AIが作ったメールと自分で手打ちしたメールで文調が違いすぎるたり……なんて問題も起きています。
はたまた、現実で行われる会話はAIには手伝ってもらえませんから「あの人メールではすごく丁寧なのに、会って話すと印象が違うんだよなあ」なんて思われているかもしれません。AIのおかげで、私たちの扱う文章のレベルは全体的に上がって見えているのかもしれませんが、その実「自分で文章を考える人」の数は少なくなっていく可能性も高いでしょう。そうなれば、語彙力は下がっていくばかり……現実での会話のレベルは、今よりももっと粗悪になっていくのかもしれません。
そうなれば、メールだけでなく現実の会話において「すてきな語彙力」を持っている人は、ますますレアな存在になっていくかもしれません。
『いつもの言葉があか抜ける オトナ女子のすてきな語彙力帳(吉井奈々著・ダイヤモンド社)』は、語彙力を持つ貴重な人材を目指す人のお守りともいえる本。挨拶からはじまり、お願いの時に使いたい言葉、感謝など気持ちを伝えたい時に使いたい言葉などが、シーンごとにまとめられています。
最近よく耳にするようになった「あか抜け」という言葉。たしかに「言葉があか抜けている人」もいるなあと感じます。朝の挨拶、仕事の合間の雑談など、ちょっとした瞬間の言葉使いや話し方のセンスがいい人って、どこか品があって洗練されて見えるもの。それも、AIが作ったような“定型文”ではなく、人間らしい言葉使いで、どこかその場の空気を柔らかくしてしまうような話し方をする人もいます。
■本が教えてくれた、語彙力と同じくらい大切な「言葉選びのセンス」
本書によれば、語彙力であか抜けるためにはいくつか注意すべきポイントがあります。まずは、相手を思いやること。いくら語彙力があったとしても、相手を思いやる“気持ち”がなければ、その暖かさを伝える言葉をすっと選ぶことができないのです。それに、人やシーンによって語彙を使い分けるためにも、相手の立場や状況を考える必要があります。
語彙力は、ただ持っていても意味はなく、言葉を選び分ける人間性にこそ、センスの良さが滲みます。全体的に優しい文体で表現されている本書は、そんな「語彙力がある人ならではの暖かみ」を体現しています。
例えば「あいづち・クッション言葉」のパートでは、聞き上手なあいづちがイラスト付きで「表情豊かに」などのアドバイスも添えて紹介されています。語彙そのものだけでなく、シチュエーションや相手の気持ち、受け取り方が想像できるよう工夫されているのも、本書のポイント。「相談を聞いた時」や「失恋や離婚を経験した人へ」など、ビジネス会話に限らず、相手の感情が大切になってくるシーンの語彙も紹介されており、個人的にはこれが非常に役立ちました。
仕事終わりの飲み会や、プライベートでも会う機会のある人と話している時には、ついつい思ったままに言葉を発してしまうことが多く、相手を傷つけてしまったのではないかと不安になることもありました。しかし“あか抜け言葉”に触れてからは、言葉選びそのものを慎重に行うことができるようになりました。言葉を発する前に「言葉を選ぶ」クセがついたことで、喋ってから後悔、一人反省会をする流れが徐々に減ってきました。
自分の引き出しの中から「どんな言葉を選ぶか」を考える作業は意外にも楽しく、選んだ言葉で相手が笑顔になってくれれば、自分もうれしくなります。語彙を気にするようになると、早口で心のままに喋りきってしまうことも少なくなり、周囲からも落ち着いている人として見てもらえるようになりました。
■人間関係に悩んでいる人ほど、言葉を大切にしよう
本の終わりにあった付録の『SNSでの言葉選び』も大変参考になりました。今や私たちは「プライベートの言葉」と「仕事の言葉」、そして「ネットでの言葉」をほぼ均等に使い分ける必要があります。中でもネットでの自分は実体を感じにくいため、言葉使いを反省することも難しいでしょう。
特に参考になったのは「実際に口にできるかどうかを考えるべき」というアドバイス。ネットではリアル以上に、相手の立場や気持ちを考えているように思えないチクチク言葉が目立ちます。しかし、その言葉に多く触れていると、自分も同じような語彙で立ち向かわないといけないと感じてしまう人もいるかもしれません。
ですがインターネットでの文章も、言葉を選ぶクセがつくことで徐々に変わっていくと思います。どんな言葉も、選んだのも話しているのも自分だと思うようになれば、自分が発する言葉の責任を正しく感じられるようになっていく気がします。
この本のいいところは、すてきな語彙力がつくこと以上に、言葉使いで自分や相手を幸せにしたいという気持ちが芽生えることだと思います。私たち人間は言葉でコミュニケーションする動物ですから、言葉を大切にできるということは、人間関係を大切にできるということ。
今まで人間関係に問題を感じることが多かったという人も、言葉を大切にすることで、後から人間関係がうまく回りはじめる、なんてこともあるのかもしれませんね。
(ミクニシオリ)
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