

ホイットニー美術館で60年代のシュルレアル展(杉本佳子)

ホイットニー美術館で、「シクスティーズ シュルレアル」展が24日に始まった。
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シュルレアリズムといえばサルバドール・ダリやルネ・マグリッド、ジョルジュ・デ・キリコなどが思い浮かぶ。しかしこの展覧会は、そうした「大御所」が活躍した時代よりもう少し後の60年代にスポットを当てている。
1958年から1972年までのアメリカで活躍したシュルレアリズムのアーティスト、100人以上の作品を当時の社会情勢や政治、フェミニズム、同性愛などと絡めて紹介し、シュルレアリズムを自由や解放への1つの力として捉えているのだ。
例えば、マーサ・ロスラーのこの作品、「Kitchen I, or Hot Meat」(1966−72)には、女性が家事をするものと決めつけられていることへの怒りや皮肉が感じられる。
カウンターカルチャー紙「The East Village Other」の1970年2月11日号のこの表紙は、「Burned Out」(燃え尽きた)と名付けられている。前年の1969年にはニクソン大統領が就任した。サイケデリックなドラッグカルチャーやフリーラブの60年代から保守政治に向かいつつある時代、イーストビレッジの人々の気分を描いたのだろう。
1967年にピーター・サウルによって描かれた「Saigon」は、ベトナム戦争中の残虐行為への辛辣な批判だ。
9つのパネルから成るハロルド・スティーブンソンの「The New Adam」(1962年)のモデルを務めたのがクイア(性的マイノリティーを包括的に表す言葉)映画のアイコン、サル・ミネオで、この作品がスティーブンソンの恋人、ティモシー・ウイローバイへのオマージュというのは、ミケランジェロの「アダムの創造」へのアンチテーゼではないだろうか。
急速に保守に向かい、戦争が起きている現代と重ね合わせてみると興味深いと感じる。ある意味似たような状況の今、新しいシュルレアリスムの作品や作家は出てくるのだろうかとも思った。会期は来年1月19日まで。
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89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)
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