

輝く女性リーダーが語る“漠然とした不安”の拭い方と、自分らしいキャリアの築き方
仕事もプライベートも充実させたい。けれど、将来への漠然とした不安が拭えない――そんな悩みを抱える日本の女性は少なくありません。なぜ、私たちは自信を持てずにいるのでしょうか?
自分らしいキャリアを描き続けるために、私たちは何ができるのでしょうか。
2025年6月7日(土)、働く女性に向けた総合イベント「WOMAN EXPO 2025」に登壇したエスエス製薬 マーケティング本部 本部長・元島陽子さんと、TBSテレビ元アナウンサーで、株式会社NewMeのCCOでもある笹川友里さん。
自分らしい輝きを失わずに働き続け、ともに「日本の女性のため」のプロジェクトを動かすリーダーでもあるお二人とともに開催されたのは「自分らしいキャリアを描き続けるために必要なこと」をテーマにしたトークセッション。対談を通して見えてきたのは、モヤモヤを取り払って「自分らしく」生きるための、一つの解答でした。
■自信が持てないのは「モヤモヤの後に行動していないから」?
笹川さんは、新卒時は総合職としてTBSに入社。制作ADから、人事異動でアナウンサー職に転身した後に、ミレニアル世代に向けた転職サービスを立ち上げました。
一方、元島さんはアメリカの大学を卒業後、日系企業と外資系企業どちらも含めて現在3社目。現在もエスエス製薬で女性管理職として働く元島さんですが「自分自身は女性だからという理由でキャリアを諦めたことはない」と話してくれました。
現在、エスエス製薬でマーケティング本部長を務めている元島さん。独自のアンケート調査から見えてきたのは「日本の女性が社会人5年目でキャリア形成の難しさを感じ始め、10年目でキャリアを諦める傾向がある」という現実でした。
NewMeのサービス内で、実際に働く女性の声を聞くことも多いという笹川さんは「自分のキャリアや仕事と向き合う女性と話す中で、不安を口にしない女性はほとんどいません」ともコメント。なぜ自分に自信が持てない女性が多いのかについても掘り下げて、トークが進んでいきます。
元島さんからは「不安ってコントロールできないものですよね。雨が降るのを止められないように、自分でコントロールできないことがあるのは仕方ないこと。目の前のことに向き合う以外の時間が多いと、不安になりやすいのではないでしょうか。だからこそ、私自身は、目の前のことを一生懸命やってきました」という体験談も。
笹川さんも「今の自分に不安が無いのは、起業という大きな行動ができたから。行動を迷っていた会社員時代の方が、不安は大きかった」と元島さんの意見に共感を示していました。
漠然とした悩みは誰にでもあるものですが「モヤモヤしているのに行動ができないと、さらに不安になるよね」と、盛り上がった二人。不安が押し寄せてきた時に行動することで、結果や次の悩みが生まれて、一つの悩みでループしなくなるのだそう。
キャリアや人生に不安を感じた時には、自分がなぜ不安を感じるのかをしっかり考え、なるべく早く行動に移してみることが大切なのかもしれません。
■ロールモデルがいない時こそ、自分から行動してみる
中盤は「働く女性がキャリア継続に希望を持てない要因」について、掘り下げられました。二人のリーダーの経験や『BeliEVEプロジェクト』から見えてきたのは、「ロールモデルの不在」、「時間や体力など物理的な制限」、「使いづらい制度」の3つの要因でした。
こうした課題に対し、エスエス製薬は『BeliEVEプロジェクト』の一環として、今年の春から社内制度を改変。「育休を取るメンバーがいるチームへの経済的支援」や「家事代行サービスの費用負担」、「社内メンタリング制度」など、先進的な社内制度で改革を図ります。
笹川さんは、これらのエスエス製薬の取り組みの中でも特に社内メンタリング制度を絶賛。「子育てしていると、なかなか自分に向き合う時間が持てない。社内に相談できる人がいればベストですが、利害関係が無い人の方が本音で相談しやすいはず」と、新しいコミュニティに所属してみることの大切さにも言及。
このメンタリング制度は、メンタリングの専門家であるMentor For監修のもと、EVE独自で開発したプログラムなのだとか。
現在はエスエス製薬内での導入を経て、他企業への導入フェーズに入っています。チームをまたいでのメンタリングは、自分と向き合う時間が持てるだけでなく、自身のロールモデルを見つけたり、自分らしいキャリアへの現実的なステップを早めに考えるきっかけともなり得ます。
ロールモデル不足の課題に対しては、笹川さんからは「実像の女性を一人見つける必要はない。いろいろな人の良いところをキュレーションして、自分で像を作ってもいいんです」ともアドバイスが。時にアンテナを外に向け、自分で情報を収集することも大切だといいます。
元島さんも「ちょっとでも好きだなと思った人には声をかけるようにしている」とコメント。ロールモデルがいない時には、自分から積極的に行動して、メンタリングサービスを使ってみたり、近くにいる気になる働き方をしている人と、話す機会を作ってみるのも良いのかもしれません。
■輝く女性たちが出した、ひとつの答え
自分らしいキャリアを描き続けるために、どうすればいいのか――この終わりのないテーマに、二人の女性はこんな答えを出してくれました。
笹川さんは「人生には想定外が多いもの。自分の像を固めすぎなくても良い」と解答。しなやかに行動するために、自分のいる環境をシビアに見極めながら行動する必要があるといいます。元島さんも「今いる場所が良い場所じゃないと思ったら、時にリスクも取りにいく必要もある」と、笹川さんの意見に同意しました。
元島さんは最後に、「女性を応援するバトンを、次の世代に繋いでいきたい」と強く語ってくれました。自分に向き合うことは勇気のいること――だからこそ、同じ女性や、私たちの前に女性活躍のために頑張ってくれた世代、そしてこれからの日本を作っていく、若い世代のために、自分が誰かのロールモデルとなれるように行動してみること。
先例の無い道を行くのは、誰しも不安なこと。ですが自分の歩いた道は、いつか誰かを照らす光になるのかもしれません。すでに先を歩む二人の先輩の力強さに、少しだけ勇気をもらって。自分のキャリアを、そして人生を、一歩ずつ踏みしめて生きてみたくなる、すてきなトークショーでした。
(取材・文:ミクニシオリ)
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