仏フレグランス「ドルセー」が好調 香りを素材、シルエットや色に例え接客

2025.06.27 11:30
提供:繊研plus

フランスのフレグランス「ドルセー」が日本でのビジネスを成長させている。本国と提携してドルセージャパンを担うグリーンスタンプのD&M事業部は、日本独自のアプローチも取り入れて認知を高めている。トレーニングマネジャーの折原潤子さんは、香りと洋服の親和性を接客に生かす。

(須田渉美)

その人らしさ表現

ドルセーは1830年に誕生した歴史の長いフレグランスだ。15年にアメリー・フィンがCEO(最高経営責任者)となって、有力な調香師と協力しながら新たな側面を広げてきた。独自の配合のフレグランスに人のイニシャルを採用したり、香りから思い描く時間帯をキャンドルの名称にしたりして付加価値を持たせている。グリーンスタンプはドルセーの輸入代理店になった20年末、東京・表参道に直営店を開いた。

自らも店頭に立つ折原さんは「ポートレートのように香る、その人らしい香りが見つかるようにカウンセリングしていく」ことで来店客の心をつかむ。日本人のほとんどは自己表現としてフレグランスを選ぶことに慣れてはいない。多くの人が「はやっている良い香り」を選ぶ傾向にある。感覚的な香りの個性を理解してもらうのは難しい。しかし、そのテクスチャーを「洋服や音楽に引き付けて話すと伝わりやすくなる」という。

一つひとつの香りは、素材、シルエットや色に例えることができる。「カシミヤのような柔らかさを持った木の香り」「手の温かみや滑らかさのあるレザーの香り」といった具合だ。針葉樹の香りはシャープでタイトさがあり、南国系の香りにはボリュームがある。木の香りはグレー味を帯びているなど、目に見えない香りを説明する要素はたくさんある。

新作発表イベントでは日本のアーティストと協業したインスタレーションなどで魅力を伝えた

自己実現に導く

来店した人が「どんな香りが好きか分からなくても、服装やスタイルに合わせて香りを勧める」ことで自分に似合う香りとの出合いを導く。直営店のスタッフとも、その姿勢を共有して顧客との信頼関係を築いてきた。卸売りをしている一部のセレクトショップでも「香りに詳しくなくても、来店客が着用する服やブランドに合わせて勧めることができて、会話のきっかけになる」と好評だ。

今年5月、ドルセーは新ラインの「エクストレドゥパルファン」を出した。本能に訴えかける濃度の高さに加えて、経過時間に応じて異なる個性の香りを感じる深みのある製品だ。通常のフレグランスとは異なり、「パワーのある香りなので、目標や理想像を持っている人にエネルギーを感じてもらい、自己実現をかなえてもらいたい」という。

関連リンク

関連記事

  1. 坪由織物、パリ単独展で商談進む 環境配慮に美しい色
    坪由織物、パリ単独展で商談進む 環境配慮に美しい色
    繊研plus
  2. 豊島 韓国サンダル「ミュールボーイ」の独占輸入代理店契約
    豊島 韓国サンダル「ミュールボーイ」の独占輸入代理店契約
    繊研plus
  3. 【早割あり】23年秋冬 繊研レディストレンドセミナーのご案内
    【早割あり】23年秋冬 繊研レディストレンドセミナーのご案内
    繊研plus
  4. レリアン 新社長に石田俊哉氏
    レリアン 新社長に石田俊哉氏
    繊研plus
  5. 2023年秋冬メンズコレクションのトレンド10選【前編】
    2023年秋冬メンズコレクションのトレンド10選【前編】
    GQ
  6. ホープインターナショナルワークス、自己破産申請へ
    ホープインターナショナルワークス、自己破産申請へ
    繊研plus

「その他」カテゴリーの最新記事

  1. 「一目惚れしてしまいそうです」復活期待のフィギュア女王、透明感際立つ大人な姿に反響「肌綺麗やなぁ!」「いい香りしそうー」
    「一目惚れしてしまいそうです」復活期待のフィギュア女王、透明感際立つ大人な姿に反響「肌綺麗やなぁ!」「いい香りしそうー」
    デイリースポーツ
  2. 西武・今井達也投手が元気な姿 ランニングなどで調整 27日・日本ハム戦で熱中症で緊急降板のアクシデント
    西武・今井達也投手が元気な姿 ランニングなどで調整 27日・日本ハム戦で熱中症で緊急降板のアクシデント
    デイリースポーツ
  3. 「先が見えない状況」吐露のDeNA・バウアーが抹消 28日巨人戦で5失点降板し7敗目
    「先が見えない状況」吐露のDeNA・バウアーが抹消 28日巨人戦で5失点降板し7敗目
    デイリースポーツ
  4. ヤクルト・伊藤智仁投手コーディネーターが湯浅ら虎関係者からあいさつ詣で
    ヤクルト・伊藤智仁投手コーディネーターが湯浅ら虎関係者からあいさつ詣で
    デイリースポーツ
  5. 阪神・植田海が国内FA取得「自分一人じゃここまで来られなかった」権利行使は「特に今は考えていない」
    阪神・植田海が国内FA取得「自分一人じゃここまで来られなかった」権利行使は「特に今は考えていない」
    デイリースポーツ
  6. 25年夏注目の青春ホラー 「光が死んだ夏」の魅力とは 親友とすり替わってしまった“ナニカ”との奇妙で歪な日々
    25年夏注目の青春ホラー 「光が死んだ夏」の魅力とは 親友とすり替わってしまった“ナニカ”との奇妙で歪な日々
    WEBザテレビジョン
  7. 【叡智】はなんて読む?高い知性を意味する難読漢字!
    【叡智】はなんて読む?高い知性を意味する難読漢字!
    Ray
  8. 元乃木坂・山崎怜奈 “因縁”の石丸氏の話題にピリピリ 爆問・田中「去年、色々ありましたけど…」に「ない、ない、何もない!」
    元乃木坂・山崎怜奈 “因縁”の石丸氏の話題にピリピリ 爆問・田中「去年、色々ありましたけど…」に「ない、ない、何もない!」
    デイリースポーツ芸能
  9. ヤクルト・高津監督が3日連続で虎野村コーチのあいさつ受ける 親交の深さ物語るワンシーン
    ヤクルト・高津監督が3日連続で虎野村コーチのあいさつ受ける 親交の深さ物語るワンシーン
    デイリースポーツ

あなたにおすすめの記事