

《私のビジネス日記帳》職人の技術継承、最後のチャンス 糸編代表 宮浦晋哉
2025.06.25 06:25
提供:繊研plus

次世代の職人を育成し、熟練技術を受け継ぐ――。「技術継承」の課題は、国内にとどまらず、欧州の取材でも最優先事項として語られるようになり、世界的なテーマだと実感している。
実際に、「エルメス」や「ボッテガ・ヴェネタ」が育成プログラムを立ち上げ、シャネルが設立した「ル・ディズヌフ・エム」では「職人技術の継承と支援」が明確に掲げられている。職人技術への敬意が随所に表れ、多くのブランドや工房は技術をいかに次世代に手渡していくか真剣だ。
一方、職人を志す若者の動向に日本と欧州で大きな違いはないように思う。「手に職をつけたい」との物作りへの根源的な欲求は、製造業の土壌がある国々に根付いている。「自分が技術を次につなぐことで産業が続く」との使命感は、この時代だからこそ、人々の心を動かすのかもしれない。
日本の繊維産地には「こんな仕事に興味を持ってくれる人なんていない」と語る人がいるが、大きな誤解だと感じる。僕自身、教育現場に13年以上関わってきたが、職人仕事に関心を持つ学生は確実に増えている。対象は新卒に限らず、主宰する「産地の学校」では毎年のように社会人も産地に飛び込んでいく。
熟練職人の引退が続き、「技術継承のラストチャンス」とこれまでも繰り返されてきた。今、AI(人工知能)の登場で「手仕事の価値」が見直されている。この追い風を逃さず、日本にある貴重な職人技術の継承に本気で向き合うべき時が来ている。
(糸編代表 宮浦晋哉)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。
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