＜ウィッチウォッチ＞「ギャグアニメだと思って油断してた」亡き母が娘に綴った手紙と深い家族愛に視聴者涙

2025.06.04 11:00

鬼の力を持つ高校生・乙木守仁(CV.鈴木崚汰)と、魔女修行中の幼馴染・若月ニコ(CV.川口莉奈)。古い盟約に従い同居することになった2人が巻き起こす奇想天外なマジカルコメディ「ウィッチウォッチ」(毎週日曜夕方5:00-5:30、MBS系ほか／ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVer)。その第9話が6月1日に放送された。カラこと南伽羅(CV.高橋李依)の家族をめぐる感動的なエピソードに始まり、ギャグあり、ハートフルありという起伏に富んだ3話構成が視聴者を驚かせた。(以降、ネタバレが含まれます)

亡き母からの手紙に記された真実と母の愛

休日、クラスメートのカラの家を訪れたニコと守仁。カラはシュレッダーにかけてしまった大事なものを、魔法で元に戻してほしいというニコに頼む。修復の魔法「マジョリカバリー」は対象物がまとまった状態でないと使えず、いろんな紙くずが混ざっているから無理だと断るニコ。すると、カラは修復したいものが去年亡くなった母からの手紙で、自分が読む前に父がシュレッダーにかけてしまったことを打ち明ける。

それ以来、カラは父と口を聞いていないという。カラの話を聞いたニコは、魔法で修復するため、守仁、カラと3人で紙くずと手紙の仕分けを開始。作業の途中、カラはかつて親戚の家で自分が連れ子であること、父になかなか懐かなかったことを知ってしまったのだと話す。その時は驚いたが、育ててくれた父を本当の父だと思っていると、父への気持ちを語るのだった。

ようやく仕分けが終わり、カラは修復された手紙を読み始める。そこには、カラが父の連れ子で、実の母は父と入籍する前に行方をくらませたと綴られていた。そこへカラの父が帰宅し、亡き妻とカラの関係を崩してしまうのが怖くて手紙を隠していたのだと告げる。涙ぐむ父の前で手紙の続きを読んだカラは、母の自分への深い愛情を知り号泣。そんなカラを、父はしっかりと抱き締める。

不意打ちの感動エピソードに、SNSには「ギャグアニメだと思って油断してたぁ～。まさか泣かされるとは…」「ウィッチウォッチで涙腺刺激されるとは思わなかった…」「ノーガードで観ていたら『伽羅へ』で泣かされたわ」と反響が続々。「お母さんの気持ちちゃんと伝えられてよかった」「お父さんもお母さんもいい人すぎて泣ける。そらーこんないい子になりますわ!!」など、カラの両親の愛情と人柄に心を打たれた視聴者も多かったようだ。

教科書そっくりの風貌と口調を持つ男、蓬莱純

続いては、中学の英語教科書の2大巨頭(？)「ニューホライズン」「ニュークラウン」を題材に、捧腹絶倒のエピソードが展開。その中心となったのが、ニコが学校に張り出した「魔女のお悩み相談」を見て、相談にやって来た風祭監志(CV.天崎滉平)のクラスメート・蓬莱純(CV.山下大輝)だ。名前どおり、しゃべり方もキャラデザもホライズン感満点の彼は、毎朝見かける他校の女子に一目惚れしたのだという。

純は彼女に話しかけるために映画のチケットを用意していたが、やはり教科書っぽいしゃべり方が気になるようで、ニコに上手にしゃべれる魔法をかけてほしいと依頼。しかし、そのままの姿でぶつかったほうがいいとアドバイスされ、ニコたちが見守る前で意中の女子に話しかける。彼女の名前は新倉杏(CV.宮本侑芽)、すなわち「ニュークラウン」。キャラデザも口調もそっくりな2人はすぐに意気投合し、純はニコたちに杏を彼女として紹介。皆に感謝を伝え、映画のチケットを手渡すのだった。

分かる人には分かる一昔前の教科書ネタに、“分かる側”の視聴者は大盛り上がり。SNSには「鼻からビール出すとこやったわい」「このキャラデザ本当好き」「ニューホライズンのネタが好きすぎてマジで笑いっぱなしだった」「ニューホライズンとニュークラウンの掛け合い草すぎる」「普段アニメであんまり笑わない親が爆笑してた」など、コメントが後を絶たなかった。

無表情の奥に誰よりも豊かな感情を隠す守仁

純からもらったチケットで映画を観に行くことになったニコと守仁。軽く映画に誘ってきた守仁の気持ちが読めないというニコに、マガミケイゴ(CV.石川界人)は明日のデートでは守仁の観察に徹したらいいんじゃないかと助言する。デート当日、ニコは守仁に許可を得て、相手の感情が分かる魔法「エモスプレッション」をかける。すると、守仁の頭の上にミニ守仁が出現。夏祭りに備えて浴衣に着替えたニコに、守仁はいつもの無表情だったが、ミニ守仁は指笛を吹いて褒めちぎる。

守仁が観たかったという映画は、笑いあり涙あり驚きありのインドア系SFファンタジー風サスペンス人情ラブコメディ活劇「Yali Tight Hold Die(やりたいほーだい)」。上映中、ミニ守仁はハラハラしたりビビったり号泣したりと様々な表情を見せ、ニコは映画よりもミニ守仁の観察に夢中になってしまう。その後、男の子が落としそうになったポップコーンを素早く拾ってあげる守仁の姿に、ニコは守仁が顔に出さないだけで本当はとても感情豊かな人物なのだと再認識するのだった。

映画デートのあと、夏祭りへ出かけたニコと守仁。打ち上げ花火にはしゃぐニコに、守仁は魔法で自分が今どんな表情をしているのかと尋ねる。にんまりしていると聞いた守仁は、自分が感情を伝えることが苦手なことを詫び、決して不機嫌なわけじゃないと伝える。近頃の騒がしい生活も悪くない、毎日楽しいと話す守仁。打ち上げ花火が照らす守仁の顔には、優しい微笑みが浮かんでいた。

無表情を貫く守仁に代わり、身振り手振りで喜怒哀楽を分かりやすく表現するミニ守仁。その可愛さに視聴者もメロメロになり、SNSには「頭上で褒めまくってるミニモイちゃん尊…」「感情豊かなちっちゃなモイちゃんが可愛い！」「ちびモイかわい!!」「感情を表にあまり出さないモリヒトが魔法で感情丸見えなのかぁいい」と絶賛の声が続々。今回限りの登場を惜しむコメントも見られた。

SNSにはニューホライズン調のコメントが大増殖

カラと両親の家族愛を描いたエピソードに始まり、教科書のパロディ、モイニコの心温まるやり取り…と、全くテイストの異なる3話で構成された今話。「感動と笑いの涙で私はもうびしょびしょよ!!」「一粒で何回美味しいねん。このアニメ最高かよ」「カラで泣いて、蓬莱純で笑って、ニコとモリヒトの関係にまたグッと来て…感情ぐっちゃぐっちゃになった回だった。良い意味で」など、SNSには賞賛の嵐が吹き荒れた。

放送時、アニメ公式Xアカウントが蓬莱純の口調でポストしていたことから、多数の視聴者がホライズン風のコメントで反応。「わたしは蓬莱純君の話で大笑いをしました」「私は来週のウィッチウォッチがとても楽しみです」「私はカラの話でとても感動しました」など、「ニューホライズンじゃねぇか！」と突っ込みたくなるくらいの盛況ぶりを見せていた。

※天崎滉平の“崎”は、正しくは「たつさき」。

◆文＝帆刈理恵(スタジオエクレア)