エスエス製薬「社内メンタリング制度」開始。若手女性社員が自らのキャリアを描くためには?

エスエス製薬「社内メンタリング制度」開始。若手女性社員が自らのキャリアを描くためには?

2025.06.03 11:10

日々なんとなく感じる、働きづらさ。世の中そんなものだ、仕方ない、と諦めている人がいったいどのくらいいるのでしょうか。

エスエス製薬の解熱鎮痛薬ブランド『EVE(イブ)』は、女性活躍を推進する 『BeliEVEプロジェクト』の中で、社内の女性社員同士をマッチングするメンタリング制度「BeliEVE Mentoring Program」を始動しました。

BeliEVEプロジェクトとは、目標を掲げて生きる全ての人が、自分の可能性を信じ、前へと進み続けられる未来をつくるプロジェクト。

多くの女性たちのリアルな声や独自調査をもとに、この社会のキャリアに関する「女性たちの痛み」を分析した結果、女性たちがキャリア形成の難しさを感じ始め、男女の意識格差が広がる社会人「5年目の分岐点」と、10年目を境に性別を理由に女性たちがキャリアを諦めてしまう「10年目の壁」が存在することが判明しました。

これらの課題を解決するために、EVEは「BeliEVE Mentoring Program」を開発。社内の若手女性であるメンティと、スキルを身につけキャリアを積んできた先輩社員であるメンターをマッチングします。5月13日に開催されたメンティへの事前研修では、メンティである若手社員がキャリアに対して感じる不安、メンタリングに期待することなどが見えてきました。

■メンティ研修から見えてきた、若手女性社員が抱える不安

メンティへの事前研修に集まったのは「BeliEVE Mentoring Program」に賛同した若手の女性社員たち。研修の講師を務めるのは、EVEの担当と共にメンタリング制度を牽引・サポートする、女性管理職育成に特化した社外メンターサービスのリーディングカンパニー・Mentor Forの公式メンター、小磯さん。

研修ではまず、メンティに対してメンタリング制度の要否を説明。BeliEVEプロジェクトから見えてきた女性のキャリア課題を受け、メンティからはさまざまな意見があがりました。

中には「ロールモデルってどういう存在だろう。身の回りだけだとピンとこない」という声も。BeliEVEプロジェクトでは、女性のキャリアロールモデルが少ないという課題に着目してきましたが、若手社員からは「そもそも、どんな人が自分のロールモデルとなり得るのかが分からない」という、根本的な問題についても指摘がありました。

今回のBeliEVE Mentoring Programでは、自分の目指す将来像や理想にぴったり当てはまっていなくても、部分的には当てはまっていたり、自分が目指すキャリア像とは違うキャリアを持つ人とも話をしてみる「パーツモデル」の考え方を取り入れています。

このことを受けて、若手社員からは「パーツモデルと話をしてみることで、新しい発見がありそう。制度を利用した後は、さまざまなパーツモデルを探しにいって、自分から声をかけられるようになっていきたい」という、ポジティブな意見も出てきました。

■ワークショップを通して、自分の現在地と目指す将来を言語化

研修では、メンティである女性たちが準備しておくべき心構えについても説明がありました。

小磯さんによれば「メンタリングの前には、メンティも自分の目指したいキャリアや、今の自分の現在地について理解しておく必要がある」とのこと。メンティ用の自己理解シートを利用しながら、メンタリングでどんなことを学びたいか、今の自分の悩みがなんなのかを、具体的に書き出していきます。

自己理解ワークの後には「そもそも自分を理解して、今の自分の悩みや不安を言語化するのって難しい」「1年後、3年後くらいなら分かるけど、5年後、10年後の中長期的なキャリアを描きづらい」などの声があがりました。だからこそ、こういった研修を通して、定期的に言語化しておくことの大切さに気づいた人も多かったようです。

研修を通して分かったことは、私たち現代人は、日々自分の業務やプライベートとの両立に追われており、言語化のための時間を定期的に作らないと、なかなか自分の現在地を確認することができないということ。未来について考えることで、今の自分の悩みや、時間の使い方についても振り返ることができました。

■「すべての女性に、未来を描く可能性を感じてもらう」をゴールに

研修の後にお話をお伺いしたのは、BeliEVEプロジェクトのプロジェクトリーダーであるEVEのアシスタントブランドマネージャー・平川さん。

「BeliEVE Mentoring Programを始めてみて印象的だったのは、社内でメンターとして手を挙げてくれる社員が数多くいたことです。後輩の育成に積極的な社員が多かった一方で、メンティとなる社員からは、すでにメンターとなる存在と出会えているという声もあがりました。

しかし今回の研修を通して、メンターに出会えていなかった社員からは、自分の将来やキャリアについて考える機会を持てて良かったと言ってもらえて、改めて今回の取り組みが若手の女性社員のキャリアサポートに繋がっていると感じることができました」(平川さん)

メンターへの研修も実施し、その後実際にマッチングとメンタリングが進んでいくそう。しかし、BeliEVE Mentoring Programが目指す未来は、社内マッチングのみに限りません。

「BeliEVE Mentoring Programは、既に他社様への導入も開始しており、今後さらに他企業への展開を広げていきたいと考えています。また、ゆくゆくは一般の消費者に対しても、メンタリングサポートを行っていきたいと考えています。

企業外での展開はメンターとメンティをどうマッチングさせていくのか仕組みづくりがカギになっていくと思いますが、これまでの自社や他社での展開におけるラーニングを活かしながら検討していきます。

今後より多くの女性が、キャリアを相談できるメンター、自分のロールモデルとなる存在などを見つけていけることで、5年目の分岐点や10年目の壁を越えて、自分らしいキャリアを描いていけるのではないかと考えています」(平川さん)

BeliEVE Mentoring Programでは、メンティはメンターとなる社員を候補の中から指名することが可能です。自己理解ワークシートを参考にしながら、自分が描く未来に近いキャリアや、ワークライフバランスを実現している社員、性格タイプが近い社員などを、自ら選ぶことができます。

EVEとBeliEVE Mentoring Programが目指すのは、自社内の改革のみならず、全ての女性が自分の可能性を信じて、自らのキャリアや価値観を広げていくことができる、新しい未来。EVEの取り組みは、いつかあなたの未来も変えていくのかもしれませんね。

(取材・文:ミクニシオリ)

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