

「福祉下着におしゃれの選択肢を」 車いすネイリスト、新藤杏菜さんの挑戦

「おしゃれな商品で福祉下着の選択肢を増やしたい」と語るのは、下着ブランド「LeAILE」(ルエイル)の代表でネイリストの新藤杏菜さん。病気で車いす生活になった自身の経験を元に、デザイン性と機能性を両立した福祉下着「ケアエンブレスショーツ」を企画。大阪のテキスタイル製造卸・製品事業の澤村と協業し、製品を開発した。
(榎田果歩)
機能性との両立で
広島市でネイリストとして働いている新藤さんは17年前に全身性エリテマトーデスを発症、下半身まひが出て、排泄(はいせつ)障害を抱えるようになった。「人に頼らないと生きていけないのは嫌だ」と思い、入院中にネイルについて学び始めた。ネイルを通して他の入院患者と触れ合う中で「下半身まひの自分でもできることがある」と気づき、ネイリストになった。
下着の開発を始めたきっかけは、知り合いのトークショーで自身が持つ福祉下着へのコンプレックスや思いを訴えたこと。デザインの選択肢がない福祉下着に抵抗があった新藤さんは一般的な下着を使っていたが、吸水パッドとのサイズが合わないなどの問題があった。話を聞いた人からの後押しもあり、アウター製品を手掛ける工場との共同開発が決まった。
取り組む中で気づいたのが、機能性とデザイン性を両立することの難しさだ。福祉下着として必要な機能性を求めると、デザイン性が落ちてしまう。おしゃれにするためにレースの使用を考えたが、手配のめどが立たなかった。
その時に出会ったのが、レースやインナーなどの製品を手掛ける澤村だった。素材から製品までを一貫で対応できる強みを生かし、生地やレースを提供、裁断と縫製は子会社であるインナー縫製のひむかが担い製品化した。
レース使い意匠性
ケアエンブレスショーツは、ナイロンとポリウレタンのトリコットを使いストレッチ性を付与した。マチ部分には抗菌防臭性を持つ素材を採用。下半身まひがある人は下半身の感覚がなく締め付けられていてもわからないため、面ファスナーを付け、幅を調整できるようにした。着脱しやすいように前開きにし、吉田レースが製作したラッセルレースでデザイン性を高めた。また、福祉用のショーツだけでなく産褥(さんじょく)期に使用するT字帯のショーツも開発した。

ケアエンブレスショーツの小売価格は5000~6000円を予定。ECサイトのほか病院の売店でも販売する考えだ。今年中の発売を計画し、10月に開催する国際福祉機器展&フォーラムでも展示する。
開発に協力した澤村は今年で100周年を迎える。「これからも会社として持続していくためには、目先の利益を優先するのではなく、人のためになる仕事をして利益を得ることが重要」として、今後も力を入れて取り組む。
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