

昭和体質と令和社員の激突と、浮上する“人見コナン説”【人事の人見#4】
※本コラムは『人事の人見』第4話までのネタバレを含みます。
■人見くんがいる場所で事件が起きる。コナンなの?
今週も、人見くん(松田元太)は生命力に溢れていましたね。
『日の出鉛筆』の第一営業部って、花形部署なんだけど、めちゃくちゃ厳しいらしいんです。例えば、黒髪短髪の体育会出身者のみ、肥満NGとか、表には出せないような採用条件がたくさんある。過去には、太っただけで居場所がなくなって飛ばされた社員もいたようです。
そんなことを聞いたら、普通は嫌煙するじゃないですか。なのに、人見くんは「働いてみたい!」と志願。他部署の業務を体験できる研修制度を使い第一営業部に潜入することになりました。かなり過酷な業務もさらりとこなし、「全然平気っすよ。サハラ砂漠横断してた時と比べたら、大したことないんで!」とニコニコしている。その生命力に恋してしまいそう……!
薄々気づいていましたが、もう確信に変わりました。人見くんがいる場所では、確実に事件が起きるんです(まあ、人事部に問題が集まってくるというのもありますが)。そう、人見くんは実質コナンみたいなもの。人見くんを取り巻くメンバーたちも、『名探偵コナン』に通ずるところがあるキャラが揃っているな〜と思います。例えば、正義感が強くて愛情深い真野さん(前田敦子)は毛利蘭にリンクする部分があるし(※蘭にしては、怒りすぎ?)、クールで知的な堀さん(松本まりか)は、ビジュアルも灰原哀に似ている!
第5話でも、人見くんが潜入した途端に、第一営業部に“ある動画”が送られてくる……という事件が起きました。その動画とは、清川さん(ドリアン・ロロブリジーダ)が、ドラァグクイーン姿でパフォーマンスをしているもの。しかも、取引先から「これはなんですか? 担当を変えろ!」という感じで送られてきてしまったから、清川さんも追い込まれてしまいました。
正直、「だから、なんだよ! プライベートは関係ないだろ!」と言っても良かったと思う。でも、清川さんは「素性がバレてしまった以上、ここにい続けることはできない」と自ら異動を申し出ました。
そこで動いたのが、堀さんです。彼女は、第一営業部に対する因縁があったんですよね。かつての同期が、花形部署である第一営業部に所属された。それなのに、女性というだけで雑用ばかり任されて、結局辞職。そのことを、堀さんはずっと根に持っていたんです。今こそ、歴史を動かすべき! という感じで、多様性の尊重を学ぶ研修を第一営業部の社員たちに受けさせることにしました。
近年、“多様性”という言葉をよく耳にするようになりました。なので、もちろん受け入れ態勢はできているつもりです。ただ、どのように関わっていけばいいのかがむずかしいところ。なので、堀さんの「マイノリティの方々は、本人の力ではどうしようもない不平等な構造によって、さまざまな壁にぶつかることになります。逆に、マジョリティの方々は、自分でも気づかないうちに多くの恩恵を受けています。多様性を尊重するとは、このスタートラインを整えることです」という講義は、とても勉強になりました。
誰だって、何らかの分野においてはマイノリティなんですよね。そう考えたら、「この人は、マイノリティだから……」と過剰な配慮をするのもちょっとおかしい(というか、逆に気を遣わせてしまうことになりかねない)。だから、堀さんが言うように、「この分野において、自分はマジョリティだな」と思った時に、多くの恩恵を受けていることをしっかり実感すること。
そして、マイノリティの人がさまざまな壁にぶつかっていることを知り、スタートラインを整えることが大事なのかなぁって。すべてを受け止めて、歩み寄るとなると、塩梅がむずかしいけれど、スタートラインを整えるくらいなら、できそうな気がしませんか?
■アップデートよりも大事なのって、ブラッシュアップなのかも
堀さんは、会社の体制を変えるために、昭和の価値観を持つ岩谷部長(中野剛)たちを排除しようとしました。「どうせ、理解してくれないんだから、排除するしかない」と考えたんだと思う。でも、人見くんが言っていたように、全部を変えるのは違う。岩谷部長のやり方のなかで、大事なものもあるはずなんですよね。
岩谷部長は、「清川さんを担当から外せ」と言ってきた取引先に出向き、「清川が驚かせてしまったようで、申し訳ありません。その点に関しては、お詫びさせていただきます」と頭を下げました。そして、「あれが、本来の彼なんです。理解してやっていただけないでしょうか?」と言い、清川さんが作ってきた大量の資料を取引先に見せた。さらに、「清原以上に、御社を理解している社員はいません」と言い切ったのです。
清原さんが、ドラァグクイーンをやっていると知った時は、「驚いたし、正直嫌悪感すら覚えました」とちゃんと認めながら、「しかし、それは知らないことへの偏見でした。彼に歩み寄っていただけないでしょうか。きっと、ご理解いただけるはずです」と熱い気持ちをぶつける。これぞ、昭和の熱い上司! という感じ。堀さんも言っていましたが、「排除するんじゃなくて、知ろうとして、ちゃんと知って、理解して、認め合って、助け合って、力を合わせる」。それができたら、きっともっとよりよい会社、社会が出来上がっていくんだと思います。
多様性を描く時、昭和脳の上司たちは“悪”だと見なされることが多い。でも、昭和脳の上司たちのなかにも、彼らなりの“正義”があって、そのなかには下の代に受け継いでいかなければならないものもあるんですよね。「考えをアップデートしろよ」と一方的に新しい価値観を押し付けるのではなく、しっかりと対話をして、ブラッシュアップをしていく。そういうことの大事さを描いた作品って少なかったんじゃないかなと思います。素敵な作品に出会えてよかったなぁ。
ではでは、また次回の放送でお会いしましょう!
(菜本かな)
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