

《私のビジネス日記帳》独立と葛藤 ナオキ・タキザワ・デザイン代表 滝沢直己
2025.04.02 06:26
提供:繊研plus

06年に「イッセイミヤケ」のデザイナーの役割を終え、独立したのは人生の大きな転機でした。99年から始めた「イッセイミヤケ・バイ・ナオキタキザワ」から〝イッセイ〟が取れた時に、自分が社会からどう評価されているのかを痛感したからです。
自分では新しい環境でスムーズに仕事を始められると思っていました。でも、実際には前職で当たり前に買えていた生地が「売れない」と断られたり、否応なしに滝沢の名前は、イッセイミヤケとセットで理解されていたのに気付かされたのです。「看板」の違いに大きな驚きを感じましたが、これからは、一から自分の名前の信用作りから始めようと腹をくくりました。
とはいえ、事は簡単には進みません。独立してイッセイの名前は外れたものの、その後のクライアントワークでも常に〝イッセイっぽいデザイン〟を求められたからです。そもそも、イッセイミヤケの仕事も「自分」ではなく、イッセイの仕事。ここには大きな葛藤がありました。
その後、「ユニクロ」や皇室の仕事、大手のブランドリニューアルやユニフォームなど数多くのクライアントワークを手掛けてきました。今の「無印良品」の仕事もそうですが、自我を抑え他社のためのヒットメーカーとしての役割を、一つひとつ丁寧にこなしてきました。おかけで、ようやく自分の名前の信用も多少は生まれてきたのかなと感じています。
(ナオキ・タキザワ・デザイン代表 滝沢直己)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。
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