

<チ。>感動は人を動かす、人が信仰を作る…凄惨だが胸に突き刺さる物語「また主人公交代か。すごい作品だよ」

アニメ「チ。―地球の運動について―」(毎週土曜深夜11:45-0:10、NHK総合/Netflix・ABEMAで配信)の第14話「今日のこの空は」が12月28日に放送された。本作は魚豊による同名漫画を原作としたアニメ作品。地動説の可能性を信じ、証明することに自らの信念と命を懸けた者たちの物語が描かれていく。今話では冒頭からノヴァク(CV.津田健次郎)の拷問に苦悶するオクジー(CV.小西克幸)という胸の痛い展開に。さらに、バデーニ(CV.中村悠一)とオクジーの最期、ヨレンタ(CV.仁見紗綾)への拷問といった、またしても胸を痛めつけられるシーンの連続になった。(以降、ネタバレが含まれます)
オクジーが体験した感動を共有することで地動説は生き返る
「チ。」は痛みを伴う物語である。真理を求める探究者たちは異端として不条理に追い詰められ、「血」を流しながら「知」を守り抜く。しかし、ただ鞭打つだけでなく、同時に美しい世界と大きな感動も描かれる。今話冒頭で描かれたバデーニとオクジーの選択も、そんな痛みと救いが同居する切ないシーンとなっていた。
過酷な拷問を受け続けるオクジーを見かねて、バデーニはついに隠していた地動説の研究資料の在り処を自白してしまう。オクジーは、どうせすぐ死ぬ運命にある自分の目と引き換えに研究資料を差し出してしまったことを疑問に思うが、バデーニは目が潰されるつらさを答えに返す。それは確かに理由の1つであっただろうが、その前にインサートされた満ちる金星は、感動を刻んだオクジーの目を守りたいというバデーニの気持ちを表しているようだった。
また、石箱に隠していた資料が押収されてしまったことで地動説の継承は途絶えてしまったかに思えたが、バデーニは万が一のときのために予防策を仕掛けていたことを明かす。それがうまく作動すれば、文章は復元されるという。自分の利益だけを主張していたバデーニにしては意外な行動だったが、それについての返答もオクジーを驚かせる。バデーニが復元されるといった文章は自分の論文ではなく、オクジーの文章だったのだ。
おそらくバデーニが言う文章は、オクジーが書いていた本のことだろう。オクジーは以前、地動説に関わってからの出来事を物語形式で本にすると話していた。そこにはきっと、自分の難解な論文よりも、純粋に感動できる体験記があったのだろう。感動は人を動かす、感動さえ伝われば再び地動説は生き返る。感動とは探究心、知的好奇心の源だということをバデーニの言葉は語っていた。
最期のとき、天界への入口だと言って、死を受け入れたオクジー。バデーニも後悔は見せず、笑みを浮かべて返す。2人ともこれまで地動説に関わり、血を流してきた者たちと同じく、生に満足を得て死んでいく者の顔だった。
「信仰とは生き方」シモンの言葉はヨレンタをどう動かす?
バデーニの仕掛けとは別に、地動説の証明を知る人物がもう1人。ノヴァクの娘、ヨレンタだ。異端と関わりがあったという理由で彼女は新人審問官のシモン(CV.下妻由幸)とレフ(CV.間島淳司)に呼び出され、そこで初めて父の仕事を知る。助任司祭のアントニ(CV.三上哲)はヨレンタこそ今回の主犯だと断言するが、それは毛嫌いするノヴァクの追い落としと、司教を失脚させるための冤罪作りだった。それを知ったシモンは拷問部屋からヨレンタを助け出し、「信仰とは生き方」だと告げてヨレンタをはっとさせる。
このシーンもじつに示唆に富んでいた。教会の教義に疑問を持たず、思考を停止させているレフに対して、シモンは信仰、教会について違和感のようなくすぶりを感じはじめていた。そして出した答えが前述のもの。シモンの行動を言語化するなら、「信仰が人を作る」のではなく、「人が信仰を作る」という言葉が合うだろう。
シモンの言葉を受けて、ヨレンタはどんな「生き方」を選ぶのか。教会のやり方に異議を唱える行動を取ったシモンはどうなるのか。また、今後ヨレンタの身に起きたことを知るだろうノヴァクの行動、バデーニがどのような形で策を仕掛けたのか。先への興味は尽きない。
放送後のSNSには、「また主人公交代か。すごい作品だよ」「心が痛む感性を持っている人がいるのが救い」「オクジーとバデーニの最期は美しくもあり2人の表情に救いを見出せた」など、多くの感想が寄せられている。
◆文=鈴木康道
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