<BLEACH 千年血戦篇-相剋譚->阿散井恋次役・伊藤健太郎が語るオーディション秘話「恋次も意識して一護役を受けていました(笑)」
10月5日より放送がスタートしたアニメ「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」(毎週土曜夜11:00-11:30、テレ東系/ディズニープラス・Leminoほかで配信中)。このたび、本作で阿散井恋次役を演じている伊藤健太郎からコメントが寄せられた。
テレビアニメ「BLEACH」シリーズ最終章の“第3クール”
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、コミックスの累計発行部数が1億3000万部を超える久保帯人の大ヒット漫画「BLEACH」。2004年より始まったテレビアニメ版は、これまでに360話以上、4作の長編劇場アニメも公開されてきた。
そして2022年、原作の最終章にあたる「千年血戦篇」が満を持してアニメ化。分割4クールで描かれる物語は折り返しを迎え、いよいよ2024年10月より第3クール「相剋譚」に突入した。
「千年血戦篇」の制作陣は、監督とシリーズ構成を務める田口智久の他、キャラクターデザインの工藤昌史、音楽の鷺巣詩郎という最初期からアニメ「BLEACH」を支え続けるオリジナルメンバーが再集結。アニメーション制作もこれまでのシリーズ同様、ぴえろが担当してきた。
「相剋譚」からは田口を総監督とし、第2クール「訣別譚」までチーフ演出を務めていた村田光が新たに監督に就任。また、ハイクオリティーのアニメーション制作を目指すぴえろの新ブランド「PIERROT FILMS」が制作を担当する。
阿散井恋次役・伊藤健太郎オフィシャルインタビュー
――「BLEACH」との出会いをお聞かせください。
僕は小学生の頃から今に至るまで毎週欠かさず「週刊少年ジャンプ(以下、「ジャンプ」)」を読んでいる子供でした。ですから、「BLEACH」との出会いは「ジャンプ」に掲載された連載第1話です。
「BLEACH」第1話を読んだとき「今までの『ジャンプ』で連載されている作品と比べて、少しムードが違った雰囲気で面白いな」と思ったことを覚えています。また、当時読んでいるときから恋次が登場した回はすごく記憶に残っていて「恋次の役をやりたい!」と思っていました。
ですが、「BLEACH」のアニメ化が決まってオーディションの話を聞いたとき、実は恋次はオーディションの対象ではなかったんです。僕の記憶が正しければ、現世組のキャラクターと幾人かぐらいだったと思います。それでも、「BLEACH」と関わりたいという思いがあって、オーディション対象キャラの中の一護役を選んでオーディションを受けました。
――一護役のオーディションを受けた当時のことは覚えていますか?
覚えています。一護役のオーディションを受けることが決まっても、僕の中では恋次というキャラクターを演じたいという思いが捨てきれていませんでした。オーディションの対象ではないキャラクターは、制作の方がオーディションの演技を見てキャスティングしていくこともあるので、なんとなく恋次も意識して一護役を受けていました(笑)。
結果、「阿散井恋次役になりました」と聞いたときは、実はすごく嬉しかったんです。だから「BLEACH」がメディア展開をするときに、僕もともに歩めた、というのはすごく感慨深いですね。
――恋次のセリフで惹かれたものを教えてください。
一番印象的なのは、恋次が一護に放った「恥を承知でてめえに頼む…!!」(コミックス11巻98話)です。それと、「戌吊」での生活を経て、仲間たちのお墓を前にルキアと「死神になろう」(コミックス11巻98話)と誓い合う回想シーンも好きですね。あのシーンは原作で読んだときからアニメ化して演じられるときを楽しみに待っていました。
ですが、少年時代の恋次は声の質から女性の声優さんがキャスティングされたので、「ルキアと誓い合うシーンは僕だよね……?」と思ってドキドキしていました(笑)。
――「千年血戦篇」で受けた印象的なディレクションはありましたか?
零番隊との修業を経て、真の卍解を手に入れた恋次をどうすれば声で伝えられるのか、を考えて演じていました。今までは「『狒狒王蛇尾丸』!」と声を張って、突き抜けるようなイメージで演じていました。「双王蛇尾丸」もそれに近い感じで演じようとしたら、監督や久保先生から「『双王蛇尾丸』は声を張らず、落ち着いた感じで」とディレクションを受けました。
僕個人としては、「狒狒王蛇尾丸」のときよりも声量を上げて叫びたかったんですが……(笑)。他作品でも恋次のように“はっちゃける役”を演じることも多かったので余計に叫びたかったです。逆に声を抑えて強そうに表現する芝居の経験があまりなくて、日々研鑽しています。でもそれは、新鮮な経験でしたし新たな挑戦でもありました。
そして同時に、それは“恋次の成長”でもあると思って演じました。あと、僕はクラシックシリーズのときから恋次の声に特徴をつけていて、『狒狒王蛇尾丸』のうねる様子を声にのせて意図的に抑揚をつけています。ですが、今回は「少し抑揚をつけない方向で……」とディレクションを受けまして、“うねる”感じから“真っ直ぐ”な感じにしました。
――アフレコ現場で印象に残っている出来事を教えてください。
コロナ禍で現在も分散収録が続いていますが、隊長役の役者さん10人以上が久々に集まって収録できたときがあったんです。昔からすごくお世話になっている大先輩たちと、10年というときを経て再び同じ作品で集まれたことはとても嬉しかったですし印象に残っています。
中尾隆聖さんが写真を撮りまくったり、先輩たちのテンションが上がっている姿を見たら「みんな『BLEACH』が好きで、また会えた喜びが溢れている」と感動し、愛おしさを感じました。あの同窓会のような雰囲気は最高でした。「そういえば、お前、朝まで飲んで遅刻したことあるよな」みたいな、思い出したくない昔話もありましたけど(笑)。
――「千年血戦篇」は原作が完結していて、視聴者も結末が分かっている状況ですが、演じる上で意識することは何ですか?
演じるときの一番大きな違いは、まさに結末を知っているか、結末を知らないか、だと思います。10年前のクラシックシリーズまでは、視聴者も我々も結末が分からない状況でした。ですから、キャラに新たな展開があったとき、声の表現に違和感がないようにする必要がありました。
しかし「千年血戦篇」は視聴者も我々もともに結末が分かっている状態です。結末が分かっていると、そこから逆算して役作りをするという手法ができるんです。ただ、ひとつだけは意識しないようにしました。恋次とルキアの関係性です(笑)。あの展開を漫画で読んだときは「いつから!」と突っ込んでしまいました(笑)。
YouTubeの「ジャンプチャンネル」で公開されている「BLEACH WE DO knotALWAYS LOVE YOU」の収録でも「これは役作りに影響が出てしまう?」と思いましたが、恋次とルキアの“ラブ感”は「千年血戦篇」では最後まで絶対に隠す、というのが僕と折ちゃん(折笠富美子さん)の使命です(笑)。
――最後に、アニメ公式サイトを訪れたファンに一言お願いします。
皆さん「千年血戦篇」を楽しんでいらっしゃいますでしょうか。阿散井恋次というキャラクターを通して、僕なりに恋次が過ごした月日、「BLEACH」の世界観を伝えられるように演じています。ぜひ最後の恋次とルキアの“あのシーン”までお付き合いください。
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