《EC担当者を訪ねて》「ファクトタム」浅場直哉さん 強みの定番ジーンズを売り込む
2024.10.30 06:29
提供:繊研plus
04年のスタートで、メンズデザイナーブランドの「ファクトタム」。近年は直営店を撤退し、EC販売を強化している。運営を担当するのはPR、セールスなども一貫して引き受けるシアンPRの浅場直哉さんだ。長年、ファンに愛される定番ジーンズを軸に、安定した売り上げを確保している。
――EC強化の経緯は。
22年にファクトタムと業務提携をした際に、東京・恵比寿にあった直営店を撤退しました。コロナ禍の休業の影響が大きいです。人員も含めて組織をスリム化し、利益率の高い体制を整えるため、EC販売の強化にかじを切ることにしました。
――どのように改革した。
当時は販路が複数のECモールに分散し、全体像がつかみにくい状況でした。これを自社ECと「ゾゾタウン」、掲載が多い雑誌が運営するECモールに整理しました。
在庫が膨らみ、値引き販売が増えていたのも課題でした。ブランドの顔の定番ジーンズやGジャンを軸にリブランディングし、売るべきアイテムを明確にしました。
常に定番アイテムの在庫を切らさない生産体制を作り、自社ECはジーンズが目立つUI(ユーザーインターフェース)に作り直しました。
――足元の商況は。
以前の売り上げの比率は、店舗・EC・卸でほぼ同率でしたが、現在はEC8割、卸2割ほどになりました。定番を軸に売り込み、シーズン商品を絞り込んだことで、プロパー消化率が上がっています。店舗があった時よりも販管費が抑制でき、粗利率も改善しています。
――課題は。
ジーンズは試着してこそ良さが伝わるアイテム。顧客はリピーターが多く、新規客を取り込むには、実際に商品に触れて検討できる場が必要です。コロナ禍が明け、ブランドが復調した今、再び直営店を出す計画を練っています。
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