ヴィクトリアズシークレット 6年ぶりにファッションショーを開催
「うまい落としどころを見つけたな」――10月15日、ヴィクトリアズシークレットが6年ぶりに開催したファッションショーを見てそう思った。かつてスーパーモデルをずらりと並べ、ショーのチケットは「プラチナチケット」と言われた時代があった。Z世代に「私はあんな顔や体じゃない。自分とは関係ない感じ」とそっぽを向かれ、売上高が右肩下がりになってショーを休止。多様性と包括性に力を入れてさまざまな試みをしたが、その戦略は必ずしも売り上げに結びつかず、今年は昨年より売上高が下がっている。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
そうした中、原点回帰と多様性・包括性の間で落としどころを見つけ、女性たちの気分に寄り添ったのが今回のショーと言えるのではないだろうか。ヴィクトリアズシークレットにとってファッションショーは、ただ単に新作を見せる場ではない。今回、「スペシャルな体験」はまず、招待客をサウスストリートシーポートのピア17にあるレストラン「マリブファーム」に来させるところから始まった。カクテルタイムで良い気分になった招待客をフェリーに乗せて、ブルックリンのネイビーヤードにある会場に連れてくる。
ランウェーにはタイラ・バンクス、ジジ・ハディド、ケイト・モス、ベラ・ハディドなど往年のスーパーモデルが次々登場。ただし、かつてのような近寄りがたいイメージは影をひそめ、観客たちに笑顔をふりまき、手をふり、親しみやすさを強調する。ふくよかなモデル、背の低いモデルもさりげなく混ぜている。
ヴィクトリアズシークレットのショーのシンボルである巨大な「天使の羽根」も登場するが、ふわふわした柔らかい素材があったり、羽根の代わりに大きなリボンをつけたり。ブラジャーに合わせてパジャマパンツを合わせたルックもある。強いバッドガール風ルックもあるが、以前より「かれんで癒やされる親しみやすさ」に留意したと感じられた。かつてのような高さのあるステージではなく、モデルにフロアを歩かせたのも、モデルが観客目線にいることを意識したのではないか。
終盤に、現在78歳のシェールが登場して見事な歌とダンスを披露し、会場の盛り上がりは最高潮に達した。女性はやっぱり、「キラキラわくわくした非日常」「何が出てくるかわからない玉手箱の世界」が好きなのだ。ショー終了後、マンハッタンに戻るフェリーに乗るとすぐ、ヴィクトリアズシークレットのイメージカラーのピンクを基調とした花火が打ち上げられた。
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