青山商事「スーツスクエア」 新レディス「CIS.」、モードビジネスを提案
青山商事の「スーツスクエア」は、新ブランドの導入で新たな客層の開拓を強化する。「未開拓層へアプローチするためSNSの活用にも力を入れ、OMO(オンラインとオフラインの融合)戦略も加速させる」(河野克彦執行役員TSC事業本部長)。今春夏のメンズブランド「グービ」に続き、今秋冬はレディスブランド「CIS.」(シス)を立ち上げる。
シスは「アメリ」などを手掛ける黒石奈央子ビーストーンCEO(最高経営責任者)をディレクターに起用し、20~30代の若い女性客の獲得を目指す。「ビジネスウェアという形式的なルールにとらわれず、あえてルールを楽しむ」ような〝モードビジネスアイテム〟を提案する。ウォッシャブルなど機能性も併せ持つ。フロントのカーブが特徴のノーカラージャケット(税込み3万690円)をはじめ、何通りも着方ができるショートジャケットとベスト、ビュスティエとパンツ(3万2890円)など、仕事だけでなくプライベートにも使えるアイテムを揃える。
9月17日からECで先行販売し、20日からスーツスクエアなど15店で販売を始める。SNSの活用でECレディス売り上げは、前年同期比1.5倍を目標にする。
2月から販売するグービは、ビームス出身のファッションクリエイター、高田朋佳氏をディレクターに起用し、国産素材にこだわったドレスカジュアルブランド。立ち上げにより、新規に30~40代男性客を獲得した。インバウンド需要の取り込みにも貢献するなど、想定通りの推移で手応えを感じているという。同ブランドの効果もあり、スーツスクエアのカジュアル部門の売り上げは1.3倍となった。今秋冬物は「日本の庭園」をイメージし、上品なベージュ、ライトグレーなどのカラーをベースにしたジャケットやコート、ニットアイテムなどを提案する。
スーツスクエアは23年5月、ザ・スーツカンパニーから屋号を変更した。ECと実店舗を融合した「デジラボ」システムの活用し、さらなる拡大を目指している。今月後半には海外市場開拓へ越境ECもスタート、新ブランドを起爆剤に中国市場を狙う。
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