ケイスケヨシダ25年春夏 服の構造や機能の概念を崩す
2024.09.12 13:00
提供:繊研plus
ケイスケヨシダ(吉田圭佑)は9月9日、東京・五反田のテーオーシービル上層階の広いフロアで、25年春夏のショーを単独で行った。
会場には2列の椅子で挟んだランウェーがうねるように続く。観客全員がフロント席となる環境で、洋服の構造や機能の概念を崩すような、新しいアプローチのエレガントなスタイルをユニセックスで見せた。
女性のモデルが着用するのは、光沢があって、胸元が柔らかにドレープしたシンプルな膝上丈のドレス。背中にはテーラードジャケットが脱げかけたように垂れ下がる。通り過ぎる瞬間、それは裏地と表地の間に体を通していることに気付く。グレンチェックのロングコートはブラウスの形になって、内ポケットやネームタグをディテールとして生かす。裏地の光沢感がボディーラインを強調し、内部が見えている感覚も手伝って、フェティッシュなオーラを放っている。
服作りの経験を重ねるなかで「外側のデザインを作り込まないシンプルななものを作りたいと考えるようになった。自分の好きなテーラードジャケットをボディーに着せて眺めているうちに、表地と裏地の間にはさみを入れて着ることを思いついた」と吉田は話す。テーラーリングのアイテムのほかにも、ハンティングジャケットやレザーブルゾンなど吉田が愛用するワードローブを発展させて、艶めかしさを感じさせている。
(須田渉美、写真=加茂ヒロユキ)
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