伊勢丹新宿本店の催事「イセタン・ホーム・デコール」 30代コアに前年を大きく上回る
伊勢丹新宿本店は8月上旬、本館6階催物場でラグジュアリーな住空間を提案する催事「イセタン・ホーム・デコール」を開き、購買客数は前年比18%増、売り上げは102%増と大きく伸ばした。購買層は30代が35%と最も多く(前年は50代が43%)、次に40代が続くなど若い層の掘り起こしにも成功した。催事は5階のリビングフロアでは通常扱っていない家具、インテリアブランドを展示・販売するもので今年で3回目。
今回は「アートのある暮らし」をテーマに、インフルエンサーによる「スタイリング軸」と家具ブランドやセレクト家具の「ブランド軸」の大きく二つのゾーンに分け、コーディネートアイテムとしてのインテリア雑貨エリアも設けた。
特に20~30代を中心に多くのファンを持つインフルエンサーが家具や雑貨、アートなどでスタイリングする企画は昨年以上にスケールアップした。ファッションブランド「TODAYFUL」のデザイナー吉田怜香さんやユーチューブでライフスタイルのクリエイティブを発信する崇島亮さんらの表現力が30代の来場を押し上げた。
ユーチューバーのmikuさんがスタイリングしたフランスの家具ブランド「リーン・ロゼ」は、比較的高額の家具でありながら20代の購買もあった。「20代の購買は昨年はゼロ。今回は数人の購買があった。いずれもリビングフロア未接点のお客様で、これからの可能性を感じる」としている。
一方、ブランド軸ではインテリアスタイリストの川合将人さんが家具や雑貨をセレクト、スタイリングした「バンドルスタジオ」に注目が集まった。家具や照明、アートなど時間や国境を越えたアイテムのスタイリングは「空間としての完成度が高かった。来店客からフロアコーディネート案件の商談があった」という。高額なラグジュアリー家具、インテリアブランドに偏りすぎず、インテリアコーディネートに多くの人が共感するインフルエンサーの表現力は新たな顧客開拓につながる。同店では「人を軸にしたスタイリングは今後、5階のリビングフロアでも企画していきたい」としている。
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