＜逃げ上手の若君＞どこか儚げな美少年・吹雪は“食い尽くし系”？ そのギャップに「可愛すぎる」の声

TVアニメ「逃げ上手の若君」(毎週土曜深夜11:30-0:00ほか、TOKYO MXほか／ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)の第七回が8月17日に放送された。小笠原貞宗の不穏な動きを察知し、諏訪領の北端にある村を偵察で訪れた逃若党。そこで北条時行たちは、二刀使いの少年・吹雪と出会う。放送後はそのギャップのあるキャラクターを愛でる視聴者の声が多く挙がった。(以下、ネタバレを含みます)

• 【写真】時行らの前に現れた、二刀使いの少年・吹雪(ほか、第七回場面カット)
• ＜逃げ上手の若君＞「作画と演出がもはや芸術の域」足利尊氏のカリスマ性を表現する“サイケデリック”な映像に驚がく
• DISH//「逃げることが“第一の作戦”でもいい」　楽曲「プランA」に込められた思いと、デビュー11周年を迎えた心境の変化を語る＜逃げ上手の若君＞

「逃げ上手の若君」

本作は、「魔人探偵脳噛ネウロ」「暗殺教室」で知られる松井優征が週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載中の歴史スペクタル漫画を原作としたTVアニメ。鎌倉幕府滅亡の後、北条家の生き残りである主人公の北条時行が動乱の世を駆け抜ける姿を描く冒険譚だ。

アニメーション制作は「SPY×FAMILY」や「ぼっち・ざ・ろっく！」などを手掛けるCloverWorks、監督は「ワンダーエッグ・プライオリティ」で副監督を務めた山崎雄太、シリーズ構成は「その着せ替え人形は恋をする」の冨田頼子、キャラクターデザインは「劇場版ポケットモンスター ココ」で総作画監督を務めた西谷泰史が担当。奇才の製作陣が、美麗かつ迫力のある映像で歴史の一片を紡ぐ。

時行を温かく見守ってくれる家族のような存在

鎌倉幕府滅亡から半年、諏訪で初めての新年を迎えた北条時行(CV:結川あさき)。郎党の狐次郎(CV:日野まり)たちに目隠しをされて連れて行かれたのは、全面に氷が張った諏訪湖だった。そこで時行たちがアイスホッケーやワカサギ釣りをして冬を満喫する光景は微笑ましく、平和そのもの。しかし、その頃、小笠原貞宗(CV:青山穣)がかつて悪党として恐れられた武士・瘴奸(CV:東地宏樹)に命じて諏訪の領土を奪おうとしていた。

その頃、諏訪領・北の国境付近にて、小笠原の不穏な動きを察知した諏訪頼重(CV:中村悠一)たち。あいにく腕利の偵察は出払っており、時行は“逃若党”による偵察を提案する。だが、いつもは無茶振りする頼重だけが猛反対。実のところ、頼重には稀に一切未来が見えない時期があり、それがこのタイミングで訪れてしまった。

何が起きるか分からない中で時行を偵察に行かせるのが心配な頼重は、諏訪大社を出発した一行の跡をつける。けれど、近くでじっと時行たちを見たり、差し入れをしたりするのでみんなにはバレバレ。その姿はまるで過保護な父親で、娘の雫(CV:矢野妃菜喜)は呆れるが、時行は自分を心配してくれている人がいるという事実が嬉しかった。

その後も微笑ましい展開が続く。諏訪領の北端にある村にたどり着いた時行たち。諏訪領とはいえ、情報があまりないため、諏訪大社の使いとして村の人たちに早速聞き込みを開始しようとするが、そんな彼らの前に二刀使いの少年が立ちはだかる。

さらには松明を持った者たちが周りを取り囲んでおり、風間玄蕃(CV:悠木碧)はすでにこの村が敵方に堕ちているとみて撤退を試みるが、負けじと少年に立ち向かっていく狐次郎と亜也子(CV:鈴代紗弓)。その姿を見て、時行は二人が以前よりも格段に強くなっていることを確信するのだった。

足利尊氏(CV:小西克幸)をはじめとする怪物の前で時行の逃げ上手は絶対ではなく、「どんな敵からも主君の命を護れるように油断なく成長を続ける侍であれ」と頼重に言われた狐次郎と亜也子たちは人知れず鍛錬を重ねてきたのだ。

時行も強くなったつもりでいたが、二人が訓練で手加減してくれていたことに気づき、顔を赤らめる。どちらも時行と年は同じだが、頼れる姉と兄のよう。時行は尊氏の裏切りで親族や家臣を失ったが、今はもう家族のような存在がいてくれるから孤独じゃない。

新キャラ・吹雪はまさかの“食い尽くし系”？

狐次郎と亜也子は少年と刀を交える。だが、少年は時行たちの敵ではなかった。彼は視界に雫の姿を捉えると、途端に態度を改める。少年の名前は吹雪(CV:戸谷菊之介)といい、各地を放浪しながら仕える主人を探していた。

そのため村の人間ではなく、3日前に食べ物を分けてもらうために立ち寄ったところ、村が小笠原の旗印を掲げた者たちに襲撃されているところを目撃。助太刀し、親を殺された子供たちを救ったという。

その村は守備兵が100人もいれば、難攻不落な壁となる諏訪の急所であるため、貞宗は何としてでも手に入れようとしているのだろう。その後も何度か敵兵が村を襲ってきたため、子供たちにもできる範囲で戦う術を授けた吹雪。松明を持っていた者たちもみな、幼子だった。

子供たちは吹雪を信頼し、懐いている様子。そんな彼を、時行は喉から手が出るほど欲した。ただ、吹雪にはある意外な一面が。実は彼、かなりの大食漢ですぐに食料を食べ尽くしてしまうのだ。以前、東信濃の地で頼重や雫と出会ったときも、腹を空かせた吹雪は神様への捧げ物をすべて食べ尽くしてしまったという。

「寒いからですかねぇ……いくら食べても温まらなくて」と語る吹雪の長い前髪から覗く目はとても色っぽい。どこか儚げな雰囲気もある美少年だ。しかし、そんな新キャラクターはまさかの“食い尽くし系”。視聴者からは「気になってた吹雪くんが想像以上のかっこよくて、可愛すぎるキャラで好きすぎる」「いっぱい！食べる！！君が好きィィィィィ！！！」「おにぎりいっぱいあげて太らせたい」と、そのギャップを愛でる声が多く挙がった。

そんな中、今の頼重は万全な未来が見えていないことに気づいた雫は村を一旦放棄して子供たちと一緒に安全な諏訪領に逃げることを進言するが、親を殺され、故郷まで失う辛さを誰よりも知っている時行は村に留まって吹雪たちに協力することを決める。だが、敵兵を指揮する瘴奸はなかなかの鬼畜。新たな刺客に時行たちは打ち勝つことができるのだろうか。

◆文／苫とり子