「ユースオブザウォーター」25年春夏 マンハッタンに通う人々のユニホームを再解釈
2024.08.26 10:59
提供:繊研plus
今秋冬デビューする「ユースオブザウォーター」は、伝統的な手法と、型にはまらない手法の両側面から現代のワードローブを構築する。デザイナーの上田碧は祖父が江戸甲冑(かっちゅう)師で、幼少期から物作りを身近に見て過ごした。独立前は、コムデギャルソンで「ジュンヤ・ワタナベ・マン」のパタンナーを5年間務めた。プロダクト、生産者、ユーザーの3者に良い関係性を生むクラフトマンシップを心掛けている。
25年春夏のテーマは「ブリッジアンドトンネル」。米ニューヨーク郊外に住み、川を越えてマンハッタン島に通う人を指す。上田がパーソンズ・スクール・オブ・デザインに留学していた頃を振り返り、夢や目標を持って都心に向かう電車に乗る人々のユニホームや日常着を発展させた。
こだわりの一つは、ギザ綿を中心に使ったテキスタイル。「独特のぬめりがあって、レザーに近い、身体に寄り添う感覚」を好む。ヒッコリー風のワークブルゾンはその一つだが、グログランと平織りを交互に配した生地をシャトル織機で作ってもらった。滑らかで引き締まった風合いが品のある印象を添えている。
着心地を高める設計も自ら考えた。異なるパーツを縫い合わせた時の生地の重なりを減らすために、アウターの袖は裏の縫い代をずらし、縫い目をステッチ装飾として成立させている。トラウザーも、ウエストベルトの縫い代を前後でずらし、基本の作りの厚みを分散させたスマートなシルエットに仕上げている。
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