「エクミール」北村風優さん サステイナブルへ完璧求めず〝無意識アクション〟
TMプランテック(千葉県君津市)の「エクミール」は、インフルエンサーの北村風優さんがディレクターを務めるレディスブランド。23年秋冬に始まったばかりだが、今年5月にルミネエストで期間限定店を開くなど好スタートを切った。大人っぽさと甘さがミックスされたスタイルが注目されるが、サステイナブルにも配慮した。「かわいいと思って買った物が結果的に環境に配慮されているという〝無意識アクション〟につなげたい」と北村さんは話す。
(中村恵生)
大人にも〝ときめき〟
北村さんは大手アパレル専門店の学生アルバイトから正社員となり、販売員や副店長、ECを担当した。並行してインスタグラムでファッションを発信、会社を辞めた昨年11月にはフォロワーが約1万人まで増えていた。独立して立ち上げたのがエクミールだ。20~30代女性をターゲットにほどよくトレンド要素を入れた「大人になっても甘さがときめく服」を企画する。
23年秋冬に8型でスタートし、24年春夏は15型でアイテムを拡大。現在2万4000フォロワーのインスタ経由で発信しながらEC販売するほか、対面での先行受注会や5月にはルミネエストで1週間の期間限定店も開催した。期間限定店はフォロワーだけでなく、たまたま流れてきたインスタを見て足を運んでくれたお客や回遊客も買ってくれ、手応えを得た。
期間限定店でも販売したのが、残反を活用した花モチーフのピアス。エクミールのバッグを製造した際に出た、捨てられるはずのオーガンディの端切れを工場に頼んで集め、花びらの形にカットして生かした。このほか、水を使わないインクジェットプリントを活用した企画など、サステイナブルを意識する。
北村さんは明治学院大学のファッションサークル「エムジークローゼット」の創設メンバー。ファッションを通じて環境問題や社会課題解決を目指し、古着リメイクのファッションショーを開いたことも。社会人になって再びサステイナブルについて考える機会が増え、大手小売りを辞めたのも物作りの背景が見えにくいことがあった。
わくわくの延長に
「社会課題解決を大事にしつつ、お客さんから〝環境に優しい系〟とレッテルを貼られるのも嫌だった」と話す。ストイックにサステイナブルを追求するのではなく、「かわいいと思って買った服が結果的にサステイナブルにつながるような〝無意識アクション〟を目指したい」という。
下げ札には植物の種が漉(す)き込んであり、土に埋めると芽が出る仕掛け。期間限定店でも「花が咲きますよ」と話すとお客も面白がってくれた。そんなわくわくの延長に北村さんの考えるサステイナブルがある。
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