【アルスの巨獣】「きれいな食べ方を研究してみたい」声優・羊宮妃那、“食”を語る

2023.01.13 21:21

声優として本格的に活動を始めてからまだ2年ながらも、瞬く間に人気声優の仲間入りを果たした羊宮妃那。2021年10月に放映されたアニメ『SELECTION PROJECT』で演じた9人組アイドルグループのメンバーとして注目を集めた彼女は、2022年に入ると毎クールのTVアニメに出演。2022年1〜3月期には、コスプレをテーマにしたラブコメディ『その着せ替え人形は恋をする』で人気コスプレイヤーである姉・ジュジュのカメラマンをしている中学生の妹・乾心寿（いぬい・しんじゅ）役を演じ、同年4〜6月期の魔法学園を舞台にしたファンタジー『史上最強の大魔王、村人Aに転生する』ではサキュバスの少女／ジニー・フィン・ド・サルヴァン、同年7〜10月期には将棋部を舞台にした青春ラブコメディ『それでも歩は寄せてくる』で図書委員の御影桜子役で出演。

そして、2023年1月から放送スタートのTVアニメ『アルスの巨獣』では初のヒロイン役に抜擢。特殊な能力を持つ実験体として作られた人間ながらも、明るく健気で、いつも何かを食べている“食いしん坊”なクウミを演じている。

「クウミちゃんは自分がお喋りするときも、人がお喋りするときも、食べている事が多い印象です（笑）。クウミちゃんをきっかけに私生活の中でも、食事をするときはお芝居のことを考えるようになりました。お肉を食べるときは、口の大きさはこのくらいとか、全部頬張るとこうなるんだ、とか。だけど、ご飯を食べながらでもセリフはちゃんと聞こえないといけないので、どうやったら聞こえるようにご飯を食べられるんだろうと、練習もしていました。クウミちゃんならではの可愛らしさや魅力でもある"もぐもぐシーン"に繋がればいいなと、いろいろと考えながら演じました。また、クウミちゃんが画に映っていないところでも、アドリブで咀嚼音のアフレコをしていて…。もしかすると本編ではカットされているかもですが、クウミちゃん以外のキャラクターが会話している後ろでも、ずっと咀嚼音を入れていました（笑）」

クウミちゃんの魅力は、お食事シーン無しでは語れません（笑）

本作の舞台であるアルスの世界で一大勢力となっている“帝国”の実験場を逃げ出したクウミは、港町で森川智之演じる“死に損ないの”ジイロと出会い、“カンナギ”としての役割を発揮。“ナギモリ”の能力を持つジイロと合体し、ともに人や街に甚大な被害をもたらす巨獣や追手の帝国軍と戦うようになる。クウミは戦うためにも大量のエネルギーを摂取することが必要なのだが、彼女は見ているこちらのお腹が空くくらい、実においしそうに食べる。

「骨つき肉にかぶりつくシーンは本当においしそうでした。豪快さもありつつ、もぐもぐする可愛さもあって、クウミちゃんの魅力は、お食事シーン無しでは語れません（笑）。私も実家では、お誕生日やクリスマスに骨つき肉が出てくることが多くて。でも、なかなかきれいには食べられないんです。完食する頃には口の周りが汚れてしまうので、ティッシュが必須になってしまうんですが、クウミちゃんはどうやってきれいに食べるんだろうと考えちゃいます。クウミちゃんのお食事動画とかがあれば、きれいな食べ方を見て研究してみたいです！（笑）」

チョコ、チーズ、さつまいもが好きです

クウミと同じように骨つき肉を頬張ってエネルギーを得るという彼女に、“食”へのこだわりついても聞いてみた。

「私はチョコが好きなんですが、最近はチーズとかさつまいもも好きです。チョコは生チョコが一番好きで、お店に知らないチョコのお菓子があるとすぐに買っちゃうくらい好きだったりします。チーズは伸びるタイプのチーズが好きだったんですけど、実家に帰ったときに、キュウリとトマトにミニサイズのモッツアレラチーズがのったサラダを作ってくれて。それがあまりにもおいしくて、モッツアレラチーズにハマりました（笑）。さつまいもは特に干し芋を食べることが多いんですが、ほかほかの蒸したものも好きで。スーパーだけじゃなくて最近はコンビニでも売られていたりするのを見ると、すぐに買っちゃったりします」

みんなで一緒にご飯を食べるってすごく幸せですよね

中学3年生の頃に声優を志し、2019年に行われたオーデイションをきっかけに、古谷徹や野沢雅子、神谷浩史、田中真弓、沢城みゆきらを擁する青二プロダクションに所属することになった彼女にとって、食事の思い出は、何かを達成した日の記憶とも強く結びついているようだ。「心に残るおいしかったものは？」という質問に対しても、「親戚みんなで一緒に作るお餅です」という答えが返ってきた。

「コロナ禍前のお話なんですが、毎年お正月には、親戚みんなで集まってお餅つきをしていたんです。小さい頃はうまく丸められなかったりしたんですが、歳を重ねるにつれて『上手だね』って言ってもらえるようになってきたんです。それがすごくうれしくて、もっと上手に丸められるようにってたくさん練習していました（笑）。つきたてのお餅なので、熱かったり、手にひっついちゃったり大変でしたが、みんなで作り終わったあとで食べるお餅がとってもおいしくて、今でも忘れられません。それに、みんなで一緒にご飯を食べるってすごく幸せですよね。食べられなくてつらい思いをしてる人もいるので一概には言えないですけど、多くの生物にとっては必要不可欠で、共通して好きなことなんじゃないかと思います。少なくとも、私はおいしいものを食べて、『幸せ』という言葉を口にした回数も多いですし、食べることは笑顔になれる、幸せにしてくれる時間なのかなと思っています……話をしていたら、お腹が空いてきますね。実家で作ってくれるお母さんのご飯が食べたくなりました（笑）」

（取材・文／永堀アツオ）