上司に意見を言うときに使いたいクッション言葉とは?

上司に意見を言うときに使いたいクッション言葉とは?

2020.05.12 07:10

「差し出がましい」は、打ち合わせやメールなど、ビジネスシーンでよく使われる表現です。会話の潤滑油である「クッション言葉」として使われることもあれば、謝罪や忠告で登場することもあります。

「差し出がましい」という言葉はそもそもどういう意味を持つのか、どんな場面で使われるのか、類義語には何があるのか、確認していきましょう。

■そもそも「差し出がましい」の辞書的な意味は?

「差し出がましい(さしでがましい)」の意味を辞書で確認すると、次のような意味です。

・「必要以上に、他人のことに関与しようとする。出過ぎた感じである」(小学館『デジタル大辞泉』)

・「分をわきまえずにでしゃばったことを言ったりしたりする様子だ」(三省堂『新明解国語辞典』)

「差し出がましい」の元は「差し出る」という動詞で、地位や立場を越えた言動をすることを意味しました。そこに接尾語「がましい」がついて形容詞になったものです。

本来の役割を越えて、しゃしゃり出てしまうことを意味するので、ネガティブなニュアンスの単語です。

■ビジネスシーンでの使い方

ビジネスシーンにおける「差し出がましい」には、大きく3つの使い方があります。

◇(1)目上の人に対するクッション言葉

目上の人に対してお願いをするとき、また、目上の人に意見・異論を言うときに、クッション言葉として使います。失礼になりかねない依頼・苦言の直前に「差し出がましいのですが」と付けることで、遠慮する態度を示すのです。

なお、「差し出がましい」自体はただの形容詞で、敬意などは含まれないので、丁寧語「です」「ます」や謙譲語「申す」と組み合わせて使われます。

☆例文

・「差し出がましいお願いですが、改めてご説明いただけないでしょうか?」

・「差し出がましいようですが、議論が本題からそれています」

・「差し出がましいことを申しますが、現在のやり方を見直す時に来ているのではありませんか?」

◇(2)目上の人に対する謝罪

身の程をわきまえずに暴走したり、失礼な発言をしたりしたことを謝罪するのに使います。自分が間違っていたことを認める表現で、謝罪の言葉と合わせて使います。

☆例文

・「差し出がましいことを致しました。お詫び申し上げます」

・「申し訳ございません。差し出がましい真似でした」

◇(3)目下の人の出過ぎた言動を注意する

後輩や部下に対して「差し出がましい」を使うのは、主に、彼らの失礼な行為を注意するときです。立場や役割をわきまえない言動を「差し出がましい」という表現でたしなめます。

☆例文

・「お客様の好みを否定するなんて、差し出がましいことです」

■似た意味を持つ言葉

「差し出がましい」と似た意味の言葉を紹介します。同じメールや会話の中で、何度も「差し出がましい」を使うのはしつこくて不自然なので、言い換え表現も覚えておきましょう。

◇(1)「厚かましい」

恥知らずで遠慮がないこと。無理を言うとき、図々しいお願いをするときによく使われます。

☆例文

・「厚かましいお願いですが、しばらく預かっていただけませんか?」

・「ただでさえお世話になっている上に、厚かましいことを申し上げますが……」

・「手取り足取り面倒を見てもらおうというのは、厚かましいんじゃないかな?」

◇(2)「おこがましい」

「差し出がましい」と意味はほぼ同じですが、謙遜によく使われます。また、少し強い言葉なので、指摘に使うときつく聞こえます。

そもそも、「おこ」は古語で「バカ」という意味で、「バカげている」が転じて「生意気だ」「しゃくにさわる」「身の程知らずに思い上がっている」という意味になったものです。

☆例文

・「こんなことをお願いするのも、おこがましいのですが」

・「私がリーダーだなんて、おこがましいです」

・「結果も出せていないのに、待遇ばかり望むなんておこがましいよ」

◇(3)「僭越ながら」

自分の立場や資格を越えて、出過ぎた真似をすること。「僭」も「越」も、自分の分際を越えることを意味します。

固い言葉なので、もっぱら結婚披露宴や授賞式などのスピーチ、司会の挨拶で使われています。

☆例文

・「僭越ながら、乾杯の音頭を務めさせていただきます」

・「僭越ですが、本日の司会を務めます」

謙虚な姿勢を伝える「差し出がましい」

誰に対しても、何かを頼むのは気を使うものです。特に、顧客や上司・先輩などに協力をしてもらわなくてはいけないときは、言い出しづらいですね。

そんな場面で、「差し出がましい話ですが」というクッション言葉を付けるようにしましょう。「目上の人に無理なお願いをして申し訳ないのですが」という謙虚な姿勢が伝わります。

(吉田裕子)

※画像はイメージです

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