【船転覆事故】同志社国際高校の「平和学習」の実態 「半強制的に…」「泣き出す生徒もいた」
同志社国際高校の生徒が、沖縄・辺野古沖の小型船の転覆事故で亡くなった事故を受け、同校出身者に話を聞いた。在校当時から疑問があったようで…。

沖縄県名護市の辺野古沖で16日、小型船2隻が転覆し、乗っていた21人が海に投げ出され、男女2人が死亡した。
そのうちの1人が、研修旅行で訪れていた京都府の同志社国際高校の生徒だったことから、SNSではその実施をめぐり疑問の声もあがるなど波紋を呼んでいる。
2人が死亡、14人が負傷
報道によると、16日午前10時10分ごろ、名護市の辺野古沖で「船が転覆した」と通報があった。小型船には同志社国際高校の2年生の平和教育の研修旅行で実施された、学習プログラムに参加した18人が2隻に分かれて乗船。
目的は、米軍普天間基地の移設先とされる、辺野古沿岸部の大浦湾の埋め立て工事の進む海域を見学するためだったとみられている。
船を運航する団体の話では、2隻が連なって航行していたが、最初の1隻が転覆し、それを助けようとしたもう1隻も転覆したとのこと。全員が海に投げ出され、その後、救助されたものの、船の船長の男性と、同校の女子生徒が死亡したほか、14人がケガをした。
当時、現場海域では約4メートルの風が吹いており、波浪注意報が発表されていた。
SNSでも「修学旅行で高校生が亡くなるとか...」
この事故に、SNSでは「修学旅行で高校生が亡くなるとか...」「未来ある高校生が亡くなってしまったことについては本当に残念」「亡くなられた生徒さんが気の毒でなりません」と衝撃を受け、生徒を悼む声がみられた。
また、社民党の福島瑞穂参議院議員も自身のXで「お2人が亡くなられてショックですし、悲しいです。言葉もありません。船に乗せてもらい見学をしたことがあります。心からご冥福をお祈りします」とつづった。
運航団体にも問題が
報道では、この小型船は普段、米軍普天間基地の移設に反対する人たちが使用する抗議船だったとの情報も。運航していた団体によると、学生や生徒への船からの案内は、学校などからの依頼で年に数件程度、ボランティアで引き受けていたという。
ただ、小型船舶でも他人の需要に応じて人を運送する事業に該当すれば、運輸局への登録が必要となるケースもあるが、団体は運輸局への登録はしていなかったとのことだ。
そのため、「なんで抗議船に高校生が乗ってたわけ?」「事業許可を持っていない普段は抗議活動で船を出してる人が、高校生を観光目的で乗せてた訳ですよね」「あんな小さいボートに何人も乗せて、運輸局に未登録とか、絶対に選んじゃダメなやつ」との意見が。
「高校はどこまで分かって依頼したんだ?」「運輸局登録をしてない“ボランティア”団体のとこをピンポイントに修学旅行のコースに組み込むとか」「なぜ運輸局に届け出のない船に学生を乗せるに至ったか?」と、学校側の責任に言及する人も見受けられた。
同高出身者は安全管理に疑問
この事故について、同志社国際高校出身の編集部・Aさんに話を聞いた。
Aさんによると、今回の痛ましい事故が起こった「辺野古をボートに乗って見る」という学習プログラムについては、Aさんが在校していた十数年前には「そういったプログラムは存在していなかったと記憶している」とのことだ。その後、同校の会見にて2015年頃から実施していると明かされた。
Aさん自身が研修旅行で体験したプログラムについては、「辺野古ではないものの、ボートに乗船予定のプログラムでした。当日は晴天でしたが、港に向かう途中のバス車内で、高波のためボートでの体験は中止とアナウンスされ...。当時はすごく残念に思っていたことを覚えています」と話す。
当時の対応は、生徒にとっては不満が残った可能性もあるが、安全管理としては当然の判断といえる。そのため、「今回はどうしてそういった判断を団体側に委ねたのか、学校側の安全管理にも問題があったと感じる」と指摘する。
過密スケジュールも
また、この研修旅行については、Aさんも在校当時から疑問に感じたところもあったそう。「創立以来続けているプログラムで、生徒全員がガマ(防空壕)に入り、照明を落とし真っ暗な中で1分間黙とうするという体験がありました」と回顧。
当然、泣き出す生徒もいたそうで、体調不良者は外で待機することも可能だったものの、これは半強制的に実施されるイベントだったと振り返っている。
「ガマから出た後に体調不良を訴える生徒も毎年のようにいたはず」とAさん。いわく、同校の研修旅行のプログラムは朝から晩までかなり過密なスケジュールだったという。
現在もそういった状況が続いているのかは不明だが、Aさんの同級生らは「怖かったことと、大変だったことしか記憶にない」と口を揃えたという。
最後にAさんは「改めて今回の事故で亡くなった方たちにお悔やみを申し上げるとともに、今後このような痛ましい事故が繰り返されないことを願います」と、再発防止を強く訴えていた。
執筆者プロフィール
しばたけろこ:フリーライター。関西のスポーツ紙や芸能情報サイトでの記事執筆を経て2021年よりSirabeeに参加。
現在はSNSを中心としたエンタメ記事のほか、ライフハック、時事ニュースなど月100本程度を執筆中。
(取材・文/Sirabee 編集部・しばたけろこ)
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