のん、『MISS KING / ミス・キング』撮影現場で身につけた表現の進化「自然と泣けるようになりました」
ABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』(Netflixで世界同時配信)で、初の女性棋士を目指す国見飛鳥で主演したのん。実の父の天才棋士・結城彰一(中村獅童)に捨てられ、どん底から将棋で人生を取り戻していく物語で、ダークヒーローとして鮮烈な印象を残した。初めてダークな役を演じた感想や、役作りで一貫して大切にしている「pain」という概念、2025年を過ごしての思いを語った。(前後編の後編)
――のんさんが重視している、演じる人物の内面にある「pain」を掘り下げるという習慣は、いつから始めたのでしょうか。
のん 今から10年くらい前ですね。ハリウッドでアクティングコーチをしている方のワークショップに参加した時に知りました。
――具体的にはどんなプロセスを?
のん まずノートに演じるキャラクターの目的と、それを阻む障害となるものを書き込みます。そしてその人が心の中に抱えているものを考えて、painとして書き出します。それをもとに役を読み解いていくと、お芝居がさらにクリアになります。向こうではシステムとして確立されている理論で、ずっと自分の役作りに取り入れています。
――『MISS KING / ミス・キング』の現場の雰囲気は、いかがでしたか。
のん 現場に行く時の気持ちは他の作品と変わらないんですが、帰る時にはよくぐったりしていました。作品自体がシリアスですし、緊張感のあるシーンや、感情的に重たいシーンを立て続けに撮ることも多かったので。1日が終わると「もう何もやる気が出ない…」みたいな感じで(笑)、燃え尽きていました。演技ですけど実際に感情を動かしていますから。
――そんな現場で、俳優として成長できた、と感じる部分はありましたか?
のん 何だろう……自然と泣けるようになりました。今までは泣くお芝居は、一か八かだったんです。もちろんしっかり気持ちは作っていくんですが、本番で本当に涙が出るかどうか、やってみないとわからない感覚があって。今回は涙を流すシーンを細かくカット割りして撮っていくことも多かったのですが、カメラが回る度に涙を流せるようになって、泣けるお芝居を鍛えられました。
――そして、この2025年は本作の他にも『新幹線大爆破』『早乙女カナコの場合は』などたくさんのドラマ・映画に出演、それに3rdアルバムのリリースや個展の開催など、多彩なジャンルで印象を残したと思いますが、どんな年だったと思いますか。
のん 実は、体力が落ちたなって思っています(笑)。たくさんの役をいただけましたし、自分のアルバムをリリースしたり、アジア各国でも音楽フェスに参加できて、楽しかったです。同時に、「体力つけないとな」とと思うことが増えました。毎年疲れてはいるんですが、多分、今年はあまり外に出なかったせいかなと思います(笑)。
――確かに活躍づくしの年でした。
のん 役者の年、でしたね。そしてあまり遊べていなかったです(笑)。ミステリーやサスペンスにずっと興味があって出たいなと思っているので、そういった作品でも、これから新境地を開いていきたいですね。
のん 1993年生まれ、兵庫県出身。2016 年公開の劇場アニメ『この世界の片隅に』で主人公すずの声を演じ、第38回ヨコハマ映画祭審査員特別賞を受賞。2022 年2月に自身が脚本、監督、主演の映画作品『Ribbon』が公開。同年主演映画『さかなのこ』で、 第 46 回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。2025年はNetflixドラマ『新幹線大爆破』、DMM TVドラマ『幸せカナコの殺し屋生活』、映画『早乙女カナコの場合は』『アフター・ザ・フェイク』『てっぺんの向こうにあなたがいる』などに出演し、3rdフルアルバム『Renarrate』を9月にリリースした。
関連記事
「ニュース」カテゴリーの最新記事
-
有村架純、“今年最も輝いている人”「美的ベストビューティウーマン」受賞 最新のビューティー事情明かすモデルプレス -
Snow Man渡辺翔太「美的ベストビューティマン」3度目の受賞 初の殿堂入りモデルプレス -
がん闘病中の石橋貴明、岡村隆史との笑顔の最新ショットに反響「泣いちゃったよ」「ずっと元気でいてくださいね」ABEMA TIMES -
橋本環奈、コント初挑戦で“妻役”に FRUITS ZIPPER櫻井優衣&鎮西寿々歌ら人気芸能人が続々登場【ドリフに大挑戦】モデルプレス -
内村光良「ザ・イロモネア」チャレンジャーとして17年ぶり参戦「スリルを味わいました」モデルプレス -
INI、グループ2作目写真集決定 “11人のイタリア旅行”テーマに撮影【iva la vita】モデルプレス -
手描きネックレスで完全コピー!? キンタロー。渾身のヒコロヒーものまねに称賛殺到ENTAME next -
「こんなに不幸な役は初めて」のん、『MISS KING / ミス・キング』で女性棋士を演じて見つけた“復讐と才能”の面白さENTAME next -
コスプレイヤー・reoのものづくり哲学「こだわりたい部分は、自分の手で」ENTAME next