中村静香、映画『じっちゃ!』で感じた青森の温かさ「食も人も、つがる全体が包み込んでくれた」
ドラマ、映画を中心に俳優としてのキャリアを重ねる⼀⽅で、情報・バラエティ番組でも活躍している中村静香。⼩野武彦と共にW主演を務める映画『じっちゃ!』では、四季折々の⻘森・つがる市を舞台に、メロン農家を営む祖⽗との絆を深める東京からIターン移住した孫娘を瑞々しく演じている。役と共感する部分が多かったという本作の撮影を振り返ってもらった。(前後編の前編)
――映画『じっちゃ!』のオファーを受けた時のお気持ちからお聞かせください。
中村 素直にうれしかったですね。つがる市という土地に滞在しながらの撮影ということで、方言など緊張する部分もありましたが、いろいろな方の力を借りながら楽しく撮影できました。
――撮影期間はどのくらいだったんですか。
中村 去年の夏から始まって、夏パートと冬パートがあるので、トータルで10ヶ月間くらい。季節をまたいでの撮影でした。
――青森に行かれたことはありましたか。
中村 お仕事で青森ねぶた祭りに行ったことはあるんですけど、長期間滞在したのは初めてでした。
――中村さんが演じるのは、メロン農家を営むじっちゃ(祖父)が住む街という理由で、地域おこし協⼒隊制度を利⽤して、東京からつがる市にIターン移住した三上ゆきです。
中村 畑のシーンは、大自然の広がる実際のメロン畑で撮影しました。畑の横に大きなハチの巣があったんですが、おそらくそれはメロンの自然受粉のためにミツバチを使っていたみたいなんです。じっちゃを演じた小野武彦さんと2人で、ミツバチに攻撃されるんじゃないかと怯えながら撮影していました(笑)。
――方言はどのように練習したのでしょうか。
中村 頭に刷り込むようにお手本の音源を聞き込んで、ひたすら回数を重ねて練習しました。私は関西人なので、そもそも東北の訛りに馴染みがなくて……。関西とはイントネーションの上げ下げが全然違うんですよね。苦戦しましたけど、いろいろな方言を覚えられて楽しかったです。ただ地元の方の方言は本当に濃くて、早口で話される方だと、フランス語に聞こえました(笑)。
――初めて脚本を読んだ時の印象を教えてください。
中村 大自然や風景、食、人の温かさなど、つがるの良さが詰まっているのはもちろんですが、じっちゃと孫の関係性がかわいらしくて、全体を通して、温かい気持ちになる映画になりそうだなと思いました。完成した映画を観た印象も同じで、脚本も書かれた千村利光監督ご自身の心が透き通っていて、ご本人にもかわいらしい部分があるから、こういった作品になるんだろうなと思いました。千村監督ご自身も身近な方を亡くして、突然のことで気持ちの整理ができなかったという経験をもとに脚本を書いたそうなので、その思いも伝わってきました。
――ゆきというキャラクターをどのように捉えましたか。
中村 等身大で共感できる女性だなと。東京で生活していたゆきが、じっちゃがいるという単純な理由でつがるを選びますが、誰でも新しいことを始める時は少し臆病になりますよね。1年かけて、徐々にその土地に馴染んで、心が溶けていく感じが、誰にとっても共感できるキャラクターだなと思います。
――性格的にご自身と近い部分はありましたか。
中村 私も、その場所に知り合いがいるから海外旅行に行くって決めたりするタイプなので共感しやすかったです。ゆきが一歩踏み込めずにいるところも分かるなと思いながら演じました。
――ゆきは新天地で観光・ブランド戦略課の仕事に邁進しますが、本物の市役所で撮影したそうですね。
中村 市役所の方もそうですが、地元の方々も協力的で温かかったです。お祭りのシーンでは、エキストラの方がたくさん集まって、お祭りを再現してくださいました。
――地元の方と触れ合う時間もあったんですか。
中村 ありました。印象的だったのは、じっちゃが同窓会にゆきを呼ぶシーンで、そこでも地元の方々に集まっていただきました。当初5人くらいの予定だったのがなんと30人くらい集まってくださったんです。撮影が始まる前から、みんな盛り上がって、あまりにも賑やかで千村監督の声が届かないくらいでした。まとめるのは大変そうでしたね(笑)。
――雪景色でのシーンは幻想的でした。
中村 真冬に行った甲斐があって、綺麗な銀世界が撮れました。私たちが行く1週間前までは全く雪が積もっていなかったらしいんですけど、ちょうど良いタイミングで降り積もって。「ここは吹雪いてほしいな」というシーンは良い吹雪加減でしたし、「ここは雪がやんでほしい」というシーンは、良きタイミングで雪がやんで、天気が味方してくれていました。防寒設備も整っていたので、寒さもそれほどではなかったです。
――夏の撮影はいかがでしたか。
中村 7月だったので東北でも普通に暑くて、扇風機片手に撮影していました。映画にも出てくる「農家の刺客」というジェラート屋さんが現場にアイスを差し入れしてくださって、みんなで飛びつきました。撮影でお借りしていた、じっちゃの一軒家の畳の上で、みんなであぐらをかきながらお昼時間にアイスを食べて、まるで夏休みみたいな時間でした。
――あの一軒家は普段、誰かが住まれているんですか。
中村 撮影用にお借りしたもので、今は取り壊されてしまったみたいです。そういう意味でも貴重ですね。
――泊まり込みでの撮影は役作りにも活きたのではないでしょうか。
中村 ゆきと同じように、その土地の人に触れて、食にも癒されて。つがる全体が包み込んでくれたような感覚でした。
――小野さんとは初共演と思えないほど素晴らしいコンビネーションでした。
中村 ありがとうございます! 小野さん自身が柔らかい雰囲気の方で、とてもチャーミングなので、無理せず自然に接することができました。じっちゃの入れ歯が取れるシーンは、小野さんのアドリブだったんですが、本当に取れたかと思ってびっくりしました。どうやら裏で千村監督と作戦会議をしていたみたいで。撮影序盤でのシーンで緊張していたんですけど、小野さんのおかげで緊張がほぐれました。
――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。
中村 本当に穏やかな方々が集まっていて、皆さんと自然体で接することができました。千村監督のもとには、自然とそういう柔らかい人たちが集まるんでしょうね。
――『じっちゃ!』を観ると、離れている家族に連絡を取りたくなりますよね。
中村 そうですね。人は突然いなくなるので、感謝の気持ちは伝えられるうちに伝えたいなと。もともと私はこまめに、家族に電話するようにしているんですが、『じっちゃ!』に出演してからは、より意識して連絡するようになりました。
『じっちゃ!』絶賛公開中
中村静⾹ ⼩野武彦⼩笠原海(超特急) なだぎ武 しゅはまはるみ 篠⽥諒 ⽊﨑ゆりあ 望⽉雅友北野瑠華 鈴原ゆりあ 内山千早 ピンクレディ(りんご娘) 張間陽⼦ 津⽥寛治脚本・監督:千村利光主題歌: Hammer Head Shark「春末」
公式ホームページ:https://jiccha-movie.com/https://jiccha-movie.com/X:https://x.com/jiccha2025
撮影/西邑泰和 ヘアメイク/近藤由菜 スタイリスト/竹上奈実AUTHOR 猪口貴裕
衣装クレジット<アイテム> <金額> <ブランド名>・ブラウス ¥52,800-(税込み) MASTER gUi (マスターギー)・パンツ ¥46,200-(税込み) 上と同じ
問い合わせ先会社名:株式会社KSD連絡先:https://mastergui.jp/
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