『ドラクエ7』リメイクで削除されたサブタイトルが話題 堀井雄二氏は「宗教的配慮」と説明

2025.09.16 16:00
提供:Sirabee

リメイク版『ドラクエ7』からサブタイトルが無くなった理由を、堀井雄二氏が説明して話題に。宗教的な配慮に「知らなかった…」と、驚きの声が上がっている。

9月12日に配信された「Nintendo Direct 2025.9.12」にて、『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』(以下、ドラクエ7)の完全リメイク作『ドラゴンクエストVII Reimagined(リイマジンド)』が突如発表された。


オリジナル作品からの変更点に対し、驚きの声が上がっている。



あのサブタイトルを変更


今回注目したいのは、15日にYouTubeチャンネル「ゆう坊とマシリトのKosoKoso放送局」より生配信された動画の内容である。


当該の配信では『ドラクエ』シリーズのゲームデザイナー・堀井雄二氏、漫画編集者・鳥嶋和彦氏、漫画家・稲田浩司氏といった錚々たるメンバーが出演。発表されたばかりの『ドラクエ7』リメイク作品に関する談義が行なわれた。


中でも注目が集まっているのが、『ドラクエ7』リメイク作品におけるサブタイトルの変更である。



「宗教的な問題は洒落にならない」


『ドラゴンクエストVII
(※画像は「ドラゴンクエストVII Reimagined | SQUARE ENIX」公式ページのスクリーンショット)

配信中、『ドラクエ7』リメイク作品のサブタイトルが「エデンの戦士たち」から「Reimagined」に変更となった件について、堀井氏は宗教的な配慮が理由であると告白。


また、今後も過去の作品がリメイクされる際、そうした理由からサブタイトルが変更となる可能性についても「そうですかね。なるべく生かしたいと思うんですけど」と、コメントしていた。


こちらの内容を受け、日本のリスナーからは「そんな理由があったのか」といった驚きの声が上がった一方、「宗教的な問題は洒落にならない」「今のご時世、宗教的な問題はタブーだから...」など、比較的好意的な声が寄せられている。


『エデン』は旧約聖書の創世記に記される、神が人類の始祖・アダムとイブのために設けた楽園の名称であり、確かに宗教的な意味合いが含まれているのは事実。


日本人からするとあまりピンと来ない「宗教的配慮」だが、じつは『ドラクエ』シリーズがリメイク・新作発表に当たり、こうした対応を見せたのはこれが初めてではない。


その例を、いくつか見ていこう。



リメイク作品の「改変」はなぜ起こる?


通常、ゲーム作品がリメイクされる際にシステムの「改変」が行われる理由は大きく分けて3種類。


ゲームバランスの改善、コンプライアンス等への配慮、その他の理由である。


最も多いのはやはりゲームバランスの改善で、『ドラクエ』シリーズ最大の鬼畜ゲーと名高い『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』に多数施された調整が、その筆頭だろう。


敵モンスターの強さや呪文の効果、難しすぎるダンジョンや入手困難なアイテムなど、極端だったり、理不尽な要素を排除するために行なわれる調整だ。


また、ゲームのリメイク作品は通常、オリジナル作品の発表から数年、場合によっては10年以上経過してから製作される。そのため、オリジナル作品の中には「当時は問題なかったけれど、現代の倫理観からするとアウト」という表現や描写が決して少なくない。


そうした「時代のズレ」を無くすために行なわれる調整で、今回の「宗教的配慮」も、こちらの調整の一環と言えるだろう。


なお、その他の理由については「新要素の追加」などが挙げられる。これは、リメイクによって新たに追加された要素を鑑み、全体に施される調整である。



ドラクエから消えたマーク


『ドラクエ』シリーズの宗教的配慮の代表例と言えば、やはり「十字架」のマークだろう。


『ドラクエ』には「教会」や「ほこら」といった施設が存在し、これらの建物には十字架のマークが使用されていた。


また、職業「僧侶」に就いた場合や、「神官」という肩書きを持つキャラクターの衣服には十字架のマークが見られた。


さらに、死亡したキャラクターのステータスや、棺桶にも十字架のマークが使用されるなど、『ドラクエ』と十字架は切っても切り離せない関係だったのだ。


しかし十字架はキリスト教の宗教シンボルであり、海外版ではデザインが差し替えられることに。国内で新たにリリース・リメイクされる際も、2004年の『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』からは、デザインを十字架から微修正されている。



存在が削除・修正されたモンスターたち


『ドラクエ』の魅力の一つに、仲間キャラクターに負けず劣らず、強烈な個性を持った敵モンスターの存在が挙げられる。自分の「推し」モンスターが最新作で再登場するか、毎回楽しみにしているユーザーも多いだろう。


しかし、一部モンスターは「大人の事情」により、再登場が絶望的、または「ほぼ不可能」というケースも。


たとえば『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に登場したブラックマージは、その筆頭である。


浅黒い肌をした魔法使いタイプのモンスターで、ステレオタイプな「アフリカの呪術師」を連想させるデザインをしており、同モンスターは以降の『ドラクエ』シリーズには一度も登場していない(『ドラクエ4』のリメイクを除く)。これは、人種差別的なイメージを助長することへの配慮だろう。


また、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ...』初登場となるモンスター・さつじんきは、以降のナンバリング作品では「ごろつき」と名前を変更されている。これは「殺人鬼」という単語に、何らかの規制がかかったものと思われる。


...のだが、『ドラクエ2』より初登場したモンスター・くびかりぞくは、近年の作品にも普通に登場しているなど、記者個人としては線引きがイマイチ分からない。


名前の変更と言えば、『ドラクエ3』初登場となるモンスターのホロゴーストも、第二次大戦中のナチスによるユダヤ人大量虐殺を想起させるためか、現在では「シルエト」に名前が変更されている。


リメイク作品で「改変」が行なわれた箇所とその理由を考えてみると、新たな発見があるかもしれない。





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執筆者プロフィール


秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。


新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。


X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。生まれて初めてプレイしたドラクエは『5』で、生まれてから一度もビアンカ以外と結婚したことがない。


(文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)

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