卒業式で第2ボタンを渡す幼馴染…想いが伝わらずすれ違う2人に「好きが溢れてる」の声【漫画】

2025.07.02 08:30

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『せきららな恋のハジまり』(英和出版社刊)を紹介する。『初恋とは似て非なるもの』や『サディスティック・ボーダー』(共に一迅社刊)で知られる松田とらいちさんが、5月10日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、1万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、松田とらいちさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

変わらない優しさを持つ幼馴染が大好きな美月

幼馴染の星那が大好きな美月。幼稚園の時、美月が木登りをして降りられなくなって泣いていると、星那は近くまで登ってきてくれた。さらに小学生の時には、虫の本ばかり読んでいることでクラスメイトにからかわれるところを、ヒーローのように助けてくれた星那。

中学生になってからは、身長も伸び声も変わりあまり喋らなくなってしまった星那だが、優しいところは変わらずそのまま。そして迎えた卒業式、星那は美月に第2ボタンを渡す。しかし“ボタンがないままだと彼が困る”と思った美月は、代わりに自分のボタンを手渡すが…。

この話を読んだ人たちからは、「キュンとした」「好きが溢れてる」「一気に全部読んでた」「爽やかな2人」など、多くのコメントが寄せられている。

成長していく2人の姿を見守って

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか？。

私自身、幼少期からいろいろなジャンルの漫画を読んでいたのですが、特に少女漫画を好んで読んでいて、多分に影響を受けてきました。BL漫画家になってからも、少女漫画のような高校生の恋愛を描きたいなぁとはずっと思っていました。なので発想の源というと、今まで読んできた少女漫画たちかもしれません。

――本作では、星那が第二ボタンを渡して、美月から代わりのボタンを受け取ったときの優しい笑顔が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

第二ボタンの交換のように、幼馴染みの星那と美月は2人でいろいろな経験をしていきます。その度に少しずつ成長していく2人の姿を、ぜひ見守っていただけたら嬉しいです。十代の心の変化や揺れ動きも大切に描いているので、注目してもらえたらと思います。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

第2話で星那が友人の夏目に対して「違うよ、ああいうの　魅力的って言うんだ」というシーンです。この回では美月の飼っていたクツワムシが死んでしまいます。その事で美月は酷く落胆しますが、美月の周囲は「虫が一匹死んだくらいで落ち込むなんて、小学生のようだ」と美月の心情に理解を示してくれません。そんな中、星那だけは美月の悲しみを理解し、寄り添ってくれます。そして、美月の感受性豊かなところを「魅力的だ」と受け入れてくれます。前をまっすぐ見据えて自分の意思を表明できる星那は素敵だなと思います。

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。

「せきららな恋のハジまり」を連載させていただいているDAISY COMICSさんはポップでキュートなレーベルカラーなので、そこはあまり逸脱しすぎないように気をつけていました。あと、「どう描けば読者さんに伝わるのか」ということを念頭に置いてストーリーを考えています。一番難しいです笑

――松田とらいちさんの作品は、表情だけではなく髪の細部まで動きがあるように感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか？

ありがとうございます。個人的に、髪の毛や手足の指先など、身体の末端部分は色気を孕ませやすい箇所だと思っています。「どう描けば色気が出るのか」ということは、常に意識しながら作画しています。少しでもそれが読んでくださった方に伝わっていたら、とても嬉しいです。

――今後の展望や目標をお教えください。

漫画家としてはまだまだ縦方向へ成長中なので、これからも自己研鑽に励みたいです。そして、横方向への成長のためにも自分の感性を高く保つ努力は続けていきたいです。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

WEBザテレビジョンをご覧の皆さま、いつも応援してくださっている皆さま、改めまして、松田とらいちです。8月に自身4冊目のコミックス「せきららな恋のハジまり」が発売されます。幼馴染の高校生、星那(せな)と美月(みつき)のかわいくてキラキラした恋愛を描いています。高校生ならではのピュアさ、幼馴染ならではの柔らかさなど、読んでニコニコできるような作品になっていると思いますので、ぜひお手に取っていただけたら嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。