意知(宮沢氷魚)を膝枕する誰袖(福原遥)

福原遥“誰袖”と宮沢氷魚“意知”、西行法師の和歌になぞらえたロマンチックな愛のささやきにキュン<べらぼう>

2025.07.01 18:40
意知(宮沢氷魚)を膝枕する誰袖(福原遥)

横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第25回「灰の雨降る日本橋」が6月29日に放送された。蔦重(横浜)が結婚した一方で、花魁・誰袖(福原遥)のロマンスにも視聴者が注目した。(以下、ネタバレを含みます)

数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く

森下佳子が脚本を務める本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く痛快エンターテイメントドラマ。

蔦重はその人生の中で喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見い出し、また日本史上最大の謎の一つといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。

幕府“新時代”を目指す権力者・田沼意次役で渡辺謙、美人画が大評判となる喜多川歌麿役で染谷将太らが出演。語りを綾瀬はるかが務める。

意知に色仕掛けした女郎とけんかになる誰袖

田沼意知(宮沢氷魚)の協力で、日本橋の本屋・丸屋を手に入れることができた蔦重。丸屋の女将だったてい(橋本愛)と結婚するという急展開が描かれた一方、意知と花魁・誰袖にも“変化”があった。

松前藩が治める蝦夷地を幕府のものにするため、意次の嫡男・意知は松前家の抜け荷(※密貿易)を探ろうと密かに動いていた。その手伝いをしているのが意知にひと目惚れした誰袖で、成功したら身請けしてもらう約束を取り付けていた。

そんな中の第25回。浅間山の大噴火で江戸にも灰が降り、吉原にいた意知が自ら作業の指揮をとっていた。それを誰袖が女郎屋の2階から眺めていると、1人の女郎が意知に近づき、声をかけた。

「なれなれしく口をきかずにおくれなんし!その方は、わっちの色(いろ※客の中でも特別な人の意味合い)でありんす」と叫ぶ誰袖。誰袖の必死さに、その女郎が「もしや色と思っているのは、花魁だけでは」と皮肉を言う。すると誰袖は2階から屋根を駆け下り、女郎とつかみ合いのけんかを始めた。

誰袖にとって、女郎の指摘は、痛いところをつかれたものでもあった。出会いから、間者(※スパイ)のように協力して約1年半。意知への思いは募るばかり。でも意知の自分への真意は分からず、この先、単に間者の働きによる“責”だけで身請けされるのか。心の中では、不安が渦巻いていたのだ。

誰袖と意知の文学的な愛のシーンにときめく

日を改めて、誰袖の元へとやって来た意知は、1本の扇を渡した。誰袖が扇を開くと、「袖に寄する恋」と書かれていた。2人が初めて会った日、意知は変装して「花雲助(はなのくもすけ)」という“狂名”で狂歌師たちといたのだが、「あのとき、雲助は何も詠まなかったのを思い出してな」と意知。

「西行は花の下(もと)にて死なんとか 雲助袖の下(もと)にて死にたし」。

西行法師の和歌にちなんで詠んだ狂歌で伝えた恋心。意知が長く誰袖のところに通っていても、男女の関係はなかった。意知は、その理由を「間者働きをさせることが、よりつらくなるからだ」と明かした。そして「好いた女に何をさせておるのだと、私は己を責めるよりほかなくなる。いっそ蝦夷などやめればと思うようになるかもしれぬ。しかし、蝦夷は蝦夷で、やり遂げねばならぬ私なりの思いがある。私の弱さを許してくれるとありがたい」と続けた。

初めて意知の本音を聞いた誰袖は「お許ししんすゆえ、ちょいとわっちの袖の下で死んでみなせんか」と、意知の詠んだ歌になぞらえて誘った。

戸惑いながら誰袖の膝に頭を乗せた意知。誰袖の顔を見上げて「花魁が…”望月”のようだ」とつぶやく。

すると誰袖は「願わくば 花の下にて 春死なん その如月の 望月の頃」と、意知の狂歌の元となった西行法師の和歌をそらんじ、優しくほほ笑む。意知は「まずい…。ひどく、まずい」とつぶやき、その手を誰袖の頬に伸ばした。

“望月”とは満月のことを意味する。西行法師は、釈迦が入滅したとされる如月(※2月)の満月のころに、好きだった桜の下で生涯を終えたいと願って、この歌を詠んだといわれる。そこから、誰袖という名前、そして誰袖を演じる福原遥の美しい丸顔が映える展開へ。

「ロマンチックな膝枕」「キュンとしちゃった」など視聴者の胸もときめかせるシーンとなったが、その一方で、不穏だと読み取る声もあった。

実は、史実に沿えば、意知の死期が近い。それゆえ、西行法師の晩年の歌、それも「死」という言葉が入っているものが登場したため、「フラグ」ではないかとなってしまったのだ。

両思いが分かったロマンチックなシーンだが、切なさが増したともいえる。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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