「波うららかに、めおと日和」第9話より

本田響矢、“うぶキュン”し過ぎてNGに…平野眞監督「せりふが出なかったじゃないですか」<めおと日和>

2025.06.25 12:00
「波うららかに、めおと日和」第9話より

芳根京子が主演を務めるドラマ「波うららかに、めおと日和」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系 /FOD・TVerにて配信)の演出を務める平野眞氏、宋ハナプロデューサー、原作担当編集・福島千尋氏が、6月21日に都内で開催された「最終話目前!ドラマ×原作スタッフトークイベント」に出席。ドラマ化の経緯についてや撮影秘話などを語った。イベント中、サプライズで江端瀧昌役の本田響矢も登壇し、会場を沸かせた。

交際ゼロ日婚からスタートするハートフル・昭和新婚ラブコメ

同ドラマは、西香はち氏による同名コミックを実写化した、昭和11(1936)年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を丁寧に描いたハートフル・昭和新婚ラブコメディー。ドラマオリジナルストーリーを交えつつも、原作の世界観を最大限に生かし、実写だからこそ表現できる、江端なつ美(芳根)と瀧昌の温かくも甘い空気を繊細に映し出していく――。

放送のたびに視聴者をときめかせ、ほっこりさせてきた本作も残すところ最終話のみ。あらためて、ドラマ化しようと思ったきっかけについて、宋Pは「なつ美と瀧昌が出会って、絆を深めて夫婦になっていく姿を季節の変化とともに丁寧に描かれている中で、所々いとおしい2人の様子がちりばめられていて、読んでいてキュンキュンする漫画だなと。昭和11年という時代背景も相まって、今を生きるわれわれが忘れかけている何かを感じさせるものを持っていたので、実写化をお願いしました」と打ち明けた。

また、平野監督も「昭和11年というのが僕の母が生まれた年で、一応母に聞いてみたんですけど、さすがに生まれたばかりで何も覚えてなかった」とおどけながら、「生活様式を表現できることにワクワクして。何よりスマホがないというのが一番いいなと。ドラマって今スマホがダメにしているじゃないですか(笑)。いつでも連絡が取れるし、ああいうのがないというのがすごくうれしくて、ワクワクしながら撮っていましたね」と、便利過ぎる今の世の中にはない“ドラマ性”を表現できるのも本作の魅力の一つであるとした。

“朝ドラ”と時代被り…小道具や衣装の取り合いに?

一方、原作の企画から携わっているという担当編集・福島氏は、ドラマ化のオファーを受けたときのことを「めちゃくちゃ光栄で、西香さんと『うれしいですね!夢みたいですね』ってお話していたんですけど、漫画のメディア化は主に実写化とアニメ化があって、(原作者サイドからすると)実写化はよりどんなものになるのか予想がつかないところが大きいので、喜びきれないところもあったんです」と素直な思いを吐露し、「でも、顔合わせのときに監督が『当時の生活をちゃんと描きたい』とおっしゃってくださって。原作でも(当時の生活など)調べるのが大変なところも頑張って入れていこうと作っていた作品なので、そういう部分もくんでくださっている監督のお言葉を聞けて、西香さんと『これは素晴らしいものになるのでは』と期待も膨らんで、めちゃめちゃうれしかったです」と、制作陣を信頼して共に歩むことになった経緯を紹介した。

昨今、昭和初期を描くドラマは決して多いわけではないものの、たまたま放送中の連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合ほか)が、ちょうどその頃を描いていたこともあり、偶然の被りが当時の日常生活を描く上で困ったこともあったとか。平野監督が「NHKと被っていたんですよね(笑)。美術さんが『今、NHKに取られていてどうしても(当時の家電や日用品など)手に入りません!』っていうのが、ありましたね」とこぼすと、宋Pも「(衣装の)着物もそうでしたね。同じ時代で、お互い着物の取り合いじゃないけど(笑)。そういうのもありました」という、今では貴重な品を扱う映像作品ならではの制作裏話も飛び出した。

サプライズで本田が登場!会場から悲鳴が

そんな中、サプライズで瀧昌役の本田が登場。これには会場のボルテージも一気に上がり、悲鳴にも似た大きな歓声とざわつきぶりに、本田は「ビックリしています(笑)。このようなトークイベントはなかなかないとお聞きしていますので、皆さまとすてきな楽しい時間を一緒に過ごせたらいいなと思っております」と驚きながらも、丁寧にあいさつした。

本田も来たところで、来場客から直接登壇者へ質問するティーチインのコーナーが。放送された第9話までの中でお気に入りのシーンについて聞かれ、スクリーンに映し出された場面写真を見ながら答えることに。

各話の写真を見ながら、本田は「どれもすごく印象深くて全部お気に入りではあるんですけど」とした上で、「月を背景にした、2話の旅館のシーンはすごく2人の距離もグッと近づきました」と大きな月をバックに旅館浴衣姿のなつ美と瀧昌が話すシーンを挙げると、平野監督から「うそみたいな月でしょ? 今だから言いますけど、これわざとやってますからね。こういうのは思いっきりやったほうがいいと思ったんで」という補足情報が。

宋Pも「月が大きくてすてきなシーンになりましたよね」と付け加えると、本田は「本当にそう思います。これが小さい月だったら寂しいですし、それも含めてこのシーンがお気に入りで、とても印象に残っています」と述懐し、平野監督は「あぁ…いいこと言った!」と目を細めていた。

また、福島氏は初回放送時を回想し「瀧昌って最初すごく無愛想で感じ悪いので、実写になったときに『すごく嫌な奴』って思われたら嫌だなと怖かったんですけど、本田さんの元々持ってらっしゃる柔らかさなのか、怖い演技をされていても感じ悪くなっていなくて。それがすごく印象的というか、すごいなと思って拝見していました」と、本田“瀧昌”を絶賛する。

その言葉に、本田は「本当にうれしいですし、ありがたいです。僕も芝居をするときに、(嫌な感じと)そう思われたくないなってすごく思っていたので。自分だとお芝居していて見ている方からどう思われるか分からなかったので、そういうふうに言っていただけて安心というか、本当に良かったなと思います」と安堵(あんど)。横で聞いていた平野監督は「(本田は)褒めると調子に乗っちゃうから、気を付けたほうがいいですよ」と福島氏に助言し、観客を笑わせていた。

宋P、なつ美役は「あざとく見えない人がいいなと」

そして、芳根と本田のキャスティングについて質問が寄せられると、宋Pは「原作のなつ美がすごく全力で明るくてけなげで、『こんなすてきな人いる?』ってくらいかわいらしい人なので、芝居でそれを表現したときにあざとく見えない人がいいなと。それに加えてけなげさを表現できる方にお願いしたかったので、芳根さんになつ美をお願いしました」と、どんな役にも真摯(しんし)に挑み、全力でキャラクターの魅力を体現することができる芳根を起用した意図を明かした。

一方で、本田については「隣で言うのは恥ずかしい(笑)」としながらも、「瀧昌は原作のほうが武骨な感じがあったと思うんですけど、なつ美と出会って変わっていく感じは、武骨というより不器用な人がいいなと。キャスティングする前に本田さんと平野監督を交えてお会いする機会があって。お会いしたときにすごく真面目で、答え一つ一つ考えてくださって、制服を着るので姿勢も気にしていたんですけど、背筋がピシッとした感じが印象に残っていて。監督とお会いした後に、『瀧昌役でいいですよね?』と。いろんなことを話し合わせていただいて、オファーさせていただきました」と説明し、本田は照れ笑いしていた。

本田、第8話のなつ美のせりふに「すごくキュンとしました」

そんな本田は、瀧昌を演じる上で意識したことについて「昭和11年に生きる男の人、というところを大切にしたいなというのと、海軍ということは自分の中にしっかり持っていることを大切に。生まれ育った環境もドラマの中で出てきましたけど、これまでの生き方、生きてきた環境も意識しました」としつつ、「ただ、“昭和の男の人”だから、“海軍だから”というところに縛られ過ぎず、あくまでイチ男の子というのも大切にしたいなと。そのバランス感は意識していましたし、なつ美さんのことを思う気持ちは常にずっと大切に思っていました」と、真っすぐな目で話した。

ほか、事前にSNS上で募集した質問に答える場面も。今作のキュンシーンは“うぶキュン”という言葉で表現されることも多いが、演じる上で特にキュンとしたシーンを聞かれると、本田は「(なつ美から)『その“うん”他の女性に言わないで』っていう8話のシーンはすごくキュンとしました。瀧昌としてもそうですし、本田響矢としてもあのせりふは『きっと見てくださる方にもキュンキュンしてもらえるぞ!』って思いましたし、瀧昌が瀬田くん(小宮璃央)に嫉妬したときにも、(瀧昌からも)『あんまり他の男と仲良くしないで』って言っていて。そういう嫉妬心が瀧昌からもあるし、なつ美さんからもある。(嫉妬して)怒るんじゃなくて、お願いする形で言い合っているこの夫婦はなんて愛くるしいんだろう、って気持ちになりました」と、しみじみと振り返った。

すると平野監督は「あれ、1回失敗してたよね。(なつ美から)言われた後にせりふが出なかったじゃないですか。だからキュンとしていたんだなってのは理解できました。(NGを出して)失敗してますから」と優しく指摘すると、本田は「そうでしたっけ?(笑) すみませんでした」と反省していた。

SNSでも話題沸騰!“ケーアイ”(接吻)シーン

一方、福島氏は「第9話の“ケーアイ”のシーンが、見ているこっちが耐えられないぐらいの…(笑)。間がすごくて、早くしてくれってくらい溜めるので、見ていてドキドキしちゃいました」とキスシーンの間にドキドキしたことを打ち明けると、平野監督は「いちいち溜めますよね。この人たち」とイジりつつ、「(なつ美の)酔っ払いもかわいかったしね」と言えば、宋Pも「なつ美さんが本当にかわいくて」と、芳根の酔っ払い演技を絶賛。

芳根と言えば宋Pがキャスティング理由に挙げていた通り、明るくけなげな女性の役や、“涙の魔術師”と称されるほど泣く演技に定評があるが、酔っ払い演技もお手の物。2020年に放送されたドラマ「大江戸グレートジャーニー~ザ・お伊勢参り~」(WOWOWプライム)では、主人公が旅の途中で出会う訳ありの女性という役どころで、普段はおとなしいのに酒が入ると気が強くなり、言葉遣いも強烈な酔っ払いに“豹変”する“酔っ払い演技”を披露した。“酔拳”ならぬ“酔演”とでも呼ぶべきか、そのギャップには驚かされた。

今回はあのときとはまるで違うかわいらしい“ほろ酔い”具合だったが、そんな芳根の芝居の説得力、本田自身が持つ柔らかな雰囲気と瀧昌のなかなか直接的な言葉は発しなくても問題なく伝わる、なつ美への敬愛に満ちた表情も相まってこのシーンを素晴らしいものにしたのだろう。

最後に、本田は「次回最終回ということなんですけど、本当になつ美さんと瀧昌、芙美子さん(山本舞香)と深見(小関裕太)、そして『めおと日和』を最後まで温かく見守っていただけたらうれしいなと。皆さまに見て、感じていただいて、どうだったかをSNSだったり、直接コメントだったりで教えてください。本日はどうもありがとうございました!」と最終話の視聴を呼び掛け、イベントを締めくくった。

◆取材・文=ブルータス・シーダ(STABLENT)

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