二階堂ふみ“結実”、高畑充希“藍里”、松岡茉優“千佳”がシューベルトで意気投合＜問題のあるレストラン＞

2025.06.24 16:30

ドラマの放送を見ていて、自分の心に残る場面というのが人それぞれあるだろう。主人公の名ゼリフがさく裂する大勢の人々が忘れない場面というよりは、自分の中でそのセリフを聞いたとき、見たときの気持ちを大事にしまっておきたくなるような名シーン。今から10年前に放送された「問題のあるレストラン」(2015年、フジテレビ系)第6話にも、傷ついた末に出会った女性3人をつないだ瞬間としてドラマ通をうならせたシーンがある。FOD・TVerで現在配信中なので紹介しよう。(以下、ネタバレが含まれます)

藍里がストーカーにひょう変した同僚から殴られる

FOD・TVerでは「#ドラ活浸れ、超自分的ドラマ生活。」キャンペーンを開催中で、「問題のあるレストラン」は第1〜3話が無料公開されているほか、全話を順次無料配信している。今作は、職場で理不尽な目に遭った主人公の田中たま子(真木よう子)が、友人や元同僚とビストロレストランを開店させるドラマ。社会や家庭で我慢をし続けてきた女性たちの戦いを描く。第5話では、同僚の池辺(川口覚)につきまとわれて悩む藍里(高畑充希)。池辺の行動はどんどんエスカレートし、ストーカーのようになった末、藍里の顔を殴るのだった。

第6話。たま子に会うために“ビストロフー”にやってきた門司(東出昌大)は、持参したポトフを差し出し、「店を辞めて俺の嫁になれ」と告げる。門司は、料理に心がこもっていない、とたま子に言われたことをずっと気にしていたらしい。

同じころ、結実(二階堂ふみ)は、星野(菅田将暉)とともに、とあるタワーマンションを訪れていた。ベンチャー企業の融資の相談に乗ってもらえると、星野から紹介されたのだが、そこで結実が目にしたのは、水着姿やバニーガール姿で待機している女性たちだった。しかも星野は、部屋にいた米田(加藤慶祐)という男から10万円ほど受け取ると、結実を残して帰ってしまう。

一方、千佳(松岡茉優)や鏡子(臼田あさ美)は、ハイジ(安田顕)が外国人客・ロビンに恋をしてしいることに気づく。ハイジは注文も受けていないのに愛情たっぷりのかわいいデザートをロビンのために作っていた。ある日、開店準備をしていたたま子は、近くの道で結実の姿を見つけ、強引に店まで引っ張っていく。そんな結実を温かく迎え入れるハイジたち。するとそこへ、結実がタワーマンションで出会った米田たちが客として現れる。

東大プライドの結実、女を“武器”にする藍里、孤独な千佳が「生きような」

“ビストロフー”には、それぞれ事情を抱えて傷ついた女性と、ゲイのハイジが集まっている。東大出身の結実は、初めて恋をした星野に金づるにされていると気付きながらもプライドが高く一人では泣けずにいた。女であることを“武器”にして生きてきた藍里は、逆に女ゆえにひどい扱いを受けたり同性の敵を作ったりしてばかりいた。大企業の社長を父に持つ千佳は、幼い頃から精神を病んだ母を支え、料理の腕を磨いてきた孤独な女性。この三者三様の結実、藍里、千佳という女性が、“ビストロフー”で出会う。

3人は一緒に買い出しに出かけ、公園でひと休み。ベンチに腰かけ温かい飲み物を飲みながら、藍里の聴いていた音楽をイヤホンのシェアをして聴くことに。まるで似ていない性格で、歩んできた道も異なる3人だったが、偶然、全員が幼い頃聴いていたというシューベルトのクラシック音楽はそれぞれの心を癒やす。

イヤホンをしていて聴こえない2人に向かって千佳が「生きてて良かったな…生きような」とつぶやくシーンは、今後の希望を感じさせる今作の名シーンとなった。SNSでもドラマのファンから「やっと本当の仲間に出会ったんだね」「毎回シューベルトが流れると泣いてしまう」「3人娘のシーン美しかったよなー」など感動の声が寄せられている。