

<Dr.アシュラ>「“感情が出てしまう瞬間”が決め手。松本若菜の演技に救われた」ドラマP、監督が明かす撮影秘話

松本若菜が主演を務めるドラマ「Dr.アシュラ」(毎週水曜夜10:00-10:54、フジテレビ系 /FOD・TVerにて配信)が現在放送中。本ドラマはこしのりょうによる同名コミック(日本文芸社/全3巻)を原作に、どんな急患も絶対に断らない、そしてどんな手を使ってでも絶対に助けるスゴ腕のスーパー救命医・杏野朱羅(松本)の活躍をノンストップで描く救命医療ドラマ。このたびWEBザテレビジョンでは本ドラマのプロデューサーである狩野雄太氏と監督を務める松山博昭氏にインタビューを実施し、作品への思いや制作秘話、またキャストについて語ってもらった。
松山「朱羅というキャラをどう魅力的に描くかが大切」
――医療ドラマはヒット作も多いですが、制作において意識されたポイントはありますか?
狩野:他局さんも含めて医療系ドラマが多い中で、初心に返って「大変な思いをしてまでも命を救いたい気持ちってなんだろう」と思い、それをこのドラマを通して見つけていきたい、探していきたいと考えました。また「医療従事者に捧げる」という思いは持っていますが、このドラマでは宣伝として言いたくはないなと思いました。
松山:僕は本ドラマでは朱羅というキャラをどう魅力的に描くかが大切だと思っていて、人物の心情的なことと併せて、ビジュアル的に若菜さんが演じる朱羅をどうかっこよくきれいに見せるかということにこだわりました。リアリティを追求するよりも、光が差し込む中でオペをすると神聖なイメージになるのじゃないかと思い、デフォルメして窓を大きくし、光とのコントラストが際立つように医療ドラマとしてはあまりないですが、壁をレンガ調のダークトーンにしました。意識的に今まであった医療ドラマとテイストが変わるような作りにしています。
狩野「救命をはじめ専門の先生に何回も何時間も説明していただきました」
――日進月歩の医療業界が舞台ですが、原作は約10年前に描かれているため変更した点などもあるんじゃないでしょうか?
狩野:大きいところでは、コロナ禍以降のマスクですね。最初は役者さんの顔が隠れてしまうので悩んだところではありました。今実際の病院では絶対着用ではなくあくまで推奨されているというレベルなのですが、マスクを着用している病院が多いのでそのほうが違和感は少ないと思い、つけることにしました。
松山:やはりマスクがあると顔の隠れる部分が大きいので、リアリティとの許される境界を探って、シーンによってマスクの有無を意識して撮っていたんですけれど、やってみると若菜さんの目が浮き立つ強さという効果が予想外にあったんです。マスクによって伝わりにくくなるかなと思ったんですけど、逆に目力の強さが際立って良かったなと思うシーンがあって、いい意味での計算外でした。
――医療においてのリサーチに関しても教えてください。
狩野:たくさん取材したので何から話せばいいかわからないほどですが、例えばカテーテルは筑波大学の先生に協力していただくなど、各専門科の先生方に見てもらっています。心臓に関しても心臓外科の先生に入っていただいて、第3話の梵天先生の回などは心臓の話を何回も何時間も説明していただき撮影に臨みました。ドラマ後半のオリジナルエピソードでは、産科の先生や助産師の先生に1から10まで徹底的にお聞きして台本に落とし込んで、台本も読んでもらって確認して、編集の段階でもまた確認してもらって、と何度もチェックしていただいて細かいところにも間違いがないように気を配っています。
松山:取材して台本にして、問題がある場合はストーリーから直していってまた確認してもらって、という作業を何度も繰り返して徐々にイメージに近づけていくという感じです。広いところから本当に細かい所までずっと確認のやり取りを続けて、撮影当日も細部に至るまでチェックしてもらっています。編集が終わってからも最終的に、心拍計モニターに出てくる数値が合っているか、メスの持ち方は合っているかというところまですべてチェックいただいて、医療指導の先生には相当なお力添えをいただいています。
松山「僕の演出プランにはなく、若菜さんの演技に救われた」
――キャストの演技についてはいかがでしょうか? 注目して欲しいシーンなどあれば教えてください。
狩野:松本さんは朱羅の感情を表現するために、非常に細かいお芝居をされています。先ほども話題に出ましたが、マスクの上から覗く目の芝居は圧倒されます。感情をどのように伝えるかということに丁寧にこだわってお芝居してくださっているので、ぜひ注目していただければ嬉しいです。
松山:個人的に一番印象的で、朱羅を描いていくうえでの決め手になったのは、1話のトンネルのシーンです。撮影スケジュール上はクランクイン3日目でかなり早めにクライマックスシーンを撮ることになってしまい、医療シーンとしても初めての撮影でした。心臓マッサージの場面で心拍が戻ってきた瞬間、朱羅がほっとして泣きそうな表情をしたんです。当初、朱羅は感情を出さずにクールに仕事をするキャラだと思っていたんですが、“感情が出てしまう瞬間”があるのだと現場で気づきました。人としての感情が出ているその表情がとてもよく、想定していたキャラクターとは違ったんですが、朱羅というキャラの魅力になる説得力のあるお芝居でした。僕の演出プランにはなく、若菜さんの演技に救われた、朱羅というキャラを決定づけた瞬間だと思います。
――では、最後にこのドラマを通じて伝えたい思いを教えてください。
狩野:視聴してくださる方の自由でいいと思ってるで、あまり強くこういう思いを受け取って欲しいとかはありません。ただ、「命とは?」「救うとは?」ということを中心に考えて作っているので、現実でも救命救急に携わる方たちが頑張ってくれているおかげで生きながらえることができるんだと伝わればいいなと思います。
松山:僕も作り手があまりテーマそのものを口にするのは良くないかなと思いますが、医療ドラマであるからには命を救うこと、人命の尊さということは意識しています。そのなかで、プロフェッショナルとして、ある思いを持って主人公が自分の人生をかけて挑んでいるということに注目していただきたいです。今回は医療従事者という職種の中でそれを表現していますけれども、挑んでいる主人公たちの生き様だとか、人生をかけている思いがあって人は生きているんだというようなことを感じてもらえると嬉しいです。
◆取材・文=入江奈々
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