SNSフォロワー数2200万人 “女神”の美貌を持つ女優グーリー・ナーザーが主演、日本でも愛される中国史劇「風起花抄」の魅力

2025.06.12 18:30

“女神”と呼ばれる美貌を持つ中国のトップ女優グーリー・ナーザーと、BLドラマでブレイクを果たした異色の経歴を持つ人気俳優ティミー・シューが共演する宮廷ラブロマンス「風起花抄～宮廷に咲く瑠璃色の恋～」(毎週月～金曜朝7:00-7:57、BS12 トゥエルビ[BS222ch]※全国無料放送)。唐代の建造物や衣装の美しさも大きな話題となった本作が6月2日より放送を開始した。亡き母から衣装作りの才を受け継いだ琉璃(るり／グーリー・ナーザー)が、その才ゆえに様々な困難に見舞われ、流転の人生を歩む姿を描く史劇。日本の中国ドラマファンからも愛される本作の魅力を物語と共に伝えていく。

瑠璃を演じるのはSNSフォロワー数2200万人超のトップ女優グーリー・ナーザー

本作で登場する尚服局は、後宮の女性たちの服飾を作る部署だ。唐の第2代皇帝の時代、後の武則天の時代につながる中国王朝きっての煌びやかな後宮が舞台とあって、本作の主人公・琉璃は、母親譲りの天賦の才を持つ衣装作りの名人。そんな琉璃が後宮を追われ、流転の末に後宮に戻り、母の仇討ちを秘めながら、偶然から出会った青年と恋に落ちていく。

流転の運命を生きるヒロイン琉璃を演じるのは“中国の女神”グーリー・ナーザー。172センチの長身とはっきりとした顔立ちに、華やかなオーラをまとったモデル経歴もあるトップ女優だ。中国のSNS微傳(ウェイボー)のフォロワー数は2200万人超を誇り、インフルエンサーとしても確固たる地位を築いている。

グーリー・ナーザーは、K-POPボーイズグループ・EXOの元メンバー・ルハンの主演時代劇「擇天記～宿命の美少年～」(2017)でヒロインを演じて注目を浴び、「雪華の炎～揺るぎない誓い～」(2023)では“国宝級イケメン”シュー・カイとの美男美女カップルが話題に。それまで美貌ばかりが取り沙汰されがちだったナーザーだが、「風起花抄」では感情豊かな演技や麗しい男装を見せ、本作を大ヒットへと導いた。

一方、琉璃と恋仲になる青年、裴行倹(はいこうけん)を演じるティミー・シューは、伝説的BLドラマ「ハイロイン～上瘾～」(2016)で主演し、体当たりの演技で鮮烈な印象を残し大ブレイク。「恋愛できない僕のカノジョ」(2018)では俺様気質のテレビマン役で主演し、コミカルな演技で新たな魅力を開花させた。「流光城市～ある一族の秘密」(2022)では家庭教師と禁断の恋に落ちる名家の御曹司を演じ、気品に満ちたスーツ姿で女性ファンを虜に。俳優業のほか、作詞や作曲、歌、ラテンダンスもこなすマルチな才能の持ち主だ。

本作では、幼い瑠璃を連れて役人たちとカーチェイスさながらの逃走劇を繰り広げたり、瀕死となった瑠璃を人工呼吸で助けたりと、体を張って瑠璃を守る頼もしさとイケメンぶりで魅了してくれる。すれ違いや誤解を重ねた末に、瑠璃が昔助けた少女だと知り、想いが加速していく姿に誰もがときめくことだろう。

狡猾で執念深い悪役がドキドキ感を加速

そんな主役カップルに負けず劣らず、本作で強烈なインパクトを放っているのが、瑠璃を苦しめる悪役たちだ。とりわけ憎らしいのがかつて、瑠璃の母・安四娘の弟子であった女性、卓錦娘(たくきんじょう／リー・シンイー)だ。師匠の安四娘に秘伝の技を教えるよう迫り、安四娘の死後は瑠璃の才能に目をつけて技を盗もうとする。保身と出世のためなら平気で嘘をつき、命を奪うこともいとわない。清々しいほどの悪役ぶりから、むしろファンが生まれるほどの人気キャラクターにもなっている。

皇帝の寵妃とその息子もかなりの曲者で、ライバル寵妃を蹴落とそうと策略を巡らせ、罠にはめようと暗躍する。彼らが織り成す権力争いに、瑠璃と裴行倹も否応なく巻き込まれ、時には命の危機にさらされることもある。

素性を隠して必死に生きる瑠璃と、隙あらば陥れようとする悪役たちの攻防戦は、感情移入が高まるほどイライラとヒヤヒヤの連続。裏を返せば、卓錦娘ら悪役の活躍があってこそ、瑠璃の激動の人生と裴行倹とのロマンスもいっそう輝いて見えるのだ。

のちに武則天となる皇后がキーパーソンとして登場

日本でも大人気のラブロマンス時代劇「陳情令」を手掛けたチャン・カーラム監督がメガホンを取った本作は、中国の名だたるドラマランキングサイトで1位を総なめにし、2022年の中国ドラマ界を席巻。のちに中国唯一の女帝・武則天となる武媚娘(ぶびじょう)を、瑠璃を幼い頃から知る聡明な妃として登場させ、物語のキーパーソンの1人として描いている点も面白い。武媚娘をはじめとする貴人や女官たちがまとう、唐代の宮廷ならではの豪奢な衣装も見どころだ。

2023年には、その後の瑠璃と裴行倹を描いた完結編「風起西州～烈風に舞う花衣～」が制作され、こちらも大きな話題を呼んだ。こちらはBS12 トゥエルビにて、7月28日(月)から放送がスタートする。宮廷を舞台にした「風起花抄～宮廷に咲く瑠璃色の恋～」から一転、瑠璃の故郷である辺境の地・西州が舞台となっており、これまで以上の試練が瑠璃たちを襲う。この機に2作合わせて楽しむのもいいだろう。

◆文＝帆刈理恵(スタジオエクレア)