「VIVANT」の制作発表会見に登壇した堺雅人

「VIVANT」続編がついに始動 堺雅人「僕はもう『VIVANT』の世界に取り込まれてます」

2025.06.11 13:17
「VIVANT」の制作発表会見に登壇した堺雅人

堺雅人主演の大ヒットドラマ「VIVANT」(TBS系)の続編が、2026年に日曜劇場にて放送されることが決定。6月11日放送の「THE TIME,」にて堺本人の口から発表されると、続編を待ち望んでいた多くのファンから驚きや歓喜の声が相次いだ。このほど、本作の主演を務める堺と、原作・演出・プロデュースを手掛ける福澤克雄氏が会見に登壇。撮影への意気込みなどについて語った。

世界を股にかけた壮大な物語が国内外で高く評価された「VIVANT」

2023年夏に放送された日曜劇場「VIVANT」は、謎が謎を呼ぶ展開と壮大なスケールで放送中は社会現象を巻き起こすほどの盛り上がりに。予測不能なストーリーだけでなく、他の作品では見られない豪華キャストの競演、そして圧倒的な映像美とスケールで多くの視聴者を魅了した。

最終回の世帯平均視聴率は、当時の世帯視聴率で19.6%を記録(※ビデオリサーチ調べ、関東地区)。また、タイムシフトを含む1話~10話のテレビ放送の総視聴人数は6000万人超えという驚異的な数字をたたき出し、圧倒的な存在感とテレビドラマの復権を印象付ける作品となった。

さらに、「第117回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」では最優秀作品賞をはじめ6部門を受賞。国内でさまざまな賞を受賞した他、海外に売りたい日本のコンテンツに与えられる「MIPCOM BUYERS' AWARD for Japanese Drama 2023」でグランプリに選出されるなど、国外にもその評価を轟かせることとなった。

そんな本作の続編が、2026年に放送されることが明らかに。前作のラストシーンからダイレクトに繋がった新たな物語が描かれていく。

「シーズン1は“序章”です。本当の話はここからです」(福澤)

――「VIVANT」続編が決まった現在の心境をお聞かせください。

堺雅人:ようやく始まったというか。前回の終わりから、自分の中では「次がきっとあるだろうな」と思っていたので、「やるなら早くやってほしいな」という思いがありました。一日でも一年でも早くやりたいなと思っていたので、こういうお話をいただけてうれしいです。

今は無事にみんなで走り抜けることだけを考えているので、ゲームのホイッスル(が鳴るのが)待ち遠しいですね。

――本作は、前作のラストとなった別班招集を示す赤い饅頭が置かれているシーンと直結する形で物語が動き出すとのことですが、お答えできる範囲で見どころを教えてください。

堺:(今回の)台本はほとんど頂いているんですけど、前回伏線として気になっていたところが「あ、こういうことだったのか」と。前回解き明かされなかった謎や、謎だとも思っていなかったことが、「言われてみればそこはちょっと気になってたな」と気付かされる内容でした。

「あの時にあの人たちがあんなことしてたんだ!」っていうようなことを遡りながら楽しめる台本になっているので、もう一回前作を見ていただくと、とても楽しいんじゃないかなと思います。短い時間にいろんなことが繰り広げられていたんだなっていう。僕自身もう一回気持ちを2023年5月に戻して、物語を生きたいなと思っています。

福澤克雄:見どころはもう、見どころばっかりですよ。でも続編ができて本当によかったです。(「VIVANT」は)「テレビドラマはしょぼい」って言われている中で、「もうやるしかないな」って気持ちで考えて作っていった作品で。

堺さんでいうと「半沢直樹」のときもそうだったんですけど、成功例を元に作るのは絶対ダメなんです。視聴者の皆さんは遥か上を行っているので、常に新しいものを出さなきゃいけない。こっち側も「作っていいんだろうか?」とビビりながら作らなきゃいけないというのはあったので思い切ってやりました。

ただ、話が壮大なので、いろいろ(先々のストーリーなどを)考えてはいたんですが、10話までしか作れなくて。これで外したら次はなかったんで勝負だったんですけど、やっと次が作れることになりました。

「よく使う手だな」と仰るかもしれませんが、シーズン1は“序章”です。本当の話はここからです。繋がっている部分は思いきり繋がりますが、(シーズン1とは)まったく違う展開になります。ぜひとも見ていただきたいなと思います。結構頑張りましたよ僕も(笑)。

福澤作品における脚本は「僕の中では神話レベル」(堺)

――「VIVANT」という作品は、堺さんにとってどういった位置づけなのでしょうか。

堺:自分の全部をすべて賭ける価値のある濃密な作品です。台本を読ませていただきながらも、福澤監督が頭絞って魂絞って書いた一文字一文字(が刻まれている)っていう感じがすごくするんですよね。頭だけでなく、心の深層心理まで全部入れて、その後の展開をいろいろ考えた中で「これしかない! でもこれでいいのか?」というのが読んでいて(伝わってくる)。

何というか、エネルギーの陰みたいなものがすごく濃密に焼き付いている台本で。そんな台本を頂くことはそうそうないので、人ひとりが魂を込めて書いた物語を全身全霊で演じるだけです。でもそれはお芝居の基本のような気もしているので、やりたいなと思うことはいっぱいあるんですけど、精一杯「そこにいる」というのが一番だと思って、今できるすべてをぶつけたいなと思っています。

――堺さんから見た福澤監督の作品や演出の魅力を教えてください。

堺:魅力は、全力でぶつからないとこちらが粉々になってしまうような迫力ですね。「そんなことできるのかな」って思うようなことが台本に書かれているんですが、やってみたらできちゃう不思議さもあって。小手先や頭でこねくり回さず、ぶつかっていくだけだなと。ごまかしが効かないところが福澤作品の魅力だと思います。

ものすごく緻密に作られている部分もあるんですけど、同じくらい言葉になっていない熱量がすごく多くて。僕の中では神話レベルです。神話って結構荒唐無稽だし筋が通っていなかったりするじゃないですか。でもやっぱり、何かあるんですよね。それくらいの圧倒的な信頼度というか、神話の登場人物を生きているような感じの、聖書を読むような気持ちで台本と向き合っています。

――逆に福澤監督から見た堺さんの魅力はどんなところでしょうか。

福澤:乃木という役は、堺さんじゃなかったらF(乃木のもう一つの人格)とか出さないです。両方やるのは大変ですよ。それを前回のシーズンでやって、「これをできるこの人はすごいな」と思いつつ、「今度はFのシーンをもうちょい増やしてみようかな」とか。見ればわかるんですけど、もうちょっと大変なことをやるんですよ。

「半沢直樹」の最後、大和田常務(香川照之)に土下座させるシーンは台本が30ページくらいあって。それをほとんど一人で喋ってたんですけど、堺さんは一回も間違えなかったんです。いろいろあって10テイクくらい頭から最後までやったんですけど、それを一回も間違えずやったのを見て「この人おかしい」って思いました(笑)。

堺さんは特別で、役者になるために産まれてきた人なんだなと思って。なので「VIVANT」では、そのレベルに合った役を作ったという感じなんです。

新たなロケ地、ヒントは「超親日国」で「神話がある国」

――今回のシリーズはどんな場所で撮影されるのか、ヒントをいただけないでしょうか。

福澤:すぐバレるからな~(笑)。超親日国だけど日本人はあまり知らない、面白い神話がある国に行きます。撮影をする上では最大の協力体制がないとできないんですけど、そういう話からその国に行ってぐるぐる回ったら「すごいいい国だな」と思って。そこからいろんなことを思いついて決めました。

飯田和孝プロデューサー:街、海、緑、砂漠、古い都市など、いろんな景色が撮れるところというのは言えると思います。

――堺さんは前作で砂漠でのロケなど大変なこともおありだったと思いますが、ロケに向けてどのような心境でしょうか。

堺:僕は大阪・関西万博で、そこの国のパビリオンに行きました。僕は基本ロケは楽しみしかないです。福澤作品は名古屋行って緑山行ってモンゴルみたいなスケジュールが平気であるので(笑)、僕の中では「ロケバスではなく飛行機で移動する」くらいの、ちょっと移動時間が長くなったなという気持ちです。

新たなシリーズは前作のチェックが不可避?

――堺さんはすでに本作の台本をお読みになられたとのことですが、読んだときの“驚き度”はいかがでしたか。

堺:「こんなにしゃべるのか~」っていうのと、話が複雑に入り組んでいるので「意味がわからない!」っていうがありました(笑)。まずサラッと「面白かった~」って読めるんだけど、「待てよ、何月何日何時の話だ? あの人はどこにいるんだ? だとしたら俺は知ってるのか? 知ってるならこんな顔してるのか?」とか。もう暇つぶしに持って来いですね(笑)。ず~っと読んでいられます。

「この人たちは僕がこの職業に就いているのってどの段階で知っていたんだろう?」って前のシーズンの台本を読み返してみたり、「だからこの時僕がいることに気づいていたのか」と気づいたり。コアなファンの方がDVDを片っ端から見まくってるような感じに近いですね。それが楽しくて、でも辛くて。解剖しても解剖しても生きた神経がまだそこにあるみたいな。

普通の作品だったら起承転結があって終わりなんですけど、裏にもう一つあって、さらにその先にもう一つありそうな感じが…あるんだかないんだか(笑)。複雑でそれぞれに神経が行き届いていて、もう(台本そのものが)生き物なので。一大サーガですね。なので、頭だけでわかった気にならない、喋っただけで喋った気にならないと、常に自分を戒めながら撮影をやるんじゃないかと思っています。

僕はもう「VIVANT」の世界に取り込まれてます。どっぷり浸かっている感じがして。今日「THE TIME,」でドラマのテーマ曲が流れただけで、天にいざなうような旋律がグッと来て。本当にすごいメンバーとすごい作品を作ったんだなと改めて思いましたし、またその世界に引き戻されるような作品なので、「喜んで!」という思いで飛び込みたいです。

――福澤さんは「前作ではもともと考えていた物語の3分の1しか描けなかった」と仰られていましたが、本作では「書ききった」という感じなのでしょうか?

福澤:まだまだ続くところもあるんですが、複雑怪奇っていうと何ですけど、もし相関図で物語を考えてたら頭がぐるぐるしちゃうと思います。

先ほど堺さんが「サラッと読めた」と仰ってましたが、僕は漫画みたいにバーッと読める台本が一番いいと思っていて。テレビはお金をかけて作る以上面白くなきゃだめなんです。「良いものを伝えたい」っていうよりまず面白いということが大前提で。

そのためにどうするかと言うと、大冒険。乃木憂助を中心に謎がどんどん深まっていくようなシステムを作りまして、頭の中にはまだまだ残ってるんですけど、このシリーズの大体の部分は描ききれるかなと思います。

今回のシリーズでは、途中で消えちゃったような人も含めて第1シリーズに出てきた人たちが、みんな重要人物だとわかるような台本になってると思います。視聴者の皆さんは、第1シリーズをもう一回見てもらったほうがいいと思います。途中で突然その人の話になったりするので。

堺:僕は第2シリーズの(台本を読んでいて)最後で声が出ました。「え~! どうすんのこの後!」って思いました。楽しみにしてください。

前作の人気キャラの“去就”も

――海外ロケの期間はどのくらい行う予定ですか。

福澤:全部合わせて3ヶ月以上あると思います。日本のシーンもありますけど、基本的に舞台は海外になります。日本でドンパチはなかなかできないですし、日本で銃を出してバンバンやるとうそっぽくなっちゃうし。実はアクションシーンはそんなに好きじゃないんですけど、長くはないけど当然あります。

――続編のキャストについても気になるところですが、どなたかヒントを頂けますか。

福澤:(富栄ドラム演じる)ドラムは当然出るでしょう(笑)。

――最後に、続編を待っていてくれた視聴者やファンの皆さんにメッセージをお願いします。

堺:まだやると決まっただけで、スタッフ、キャスト、撮影もまだなので「本当にやるのかな」って思っている人もいるんじゃないかと思うくらい、すごい台本です。「これが形になったらどうなるんだろう?」と、一読者としてもワクワクしていますが、一演者としてはいろんな思いがそこにあります。

前作を愛してくださった皆さんには、ご期待を上回るような、それくらいのエネルギーを持った作品を作っていけたらと思っています。まだまだ先、来年の話になりますが、それまでぜひ楽しみに待っていてください。

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