『あんぱん』乾パン作りの“ある光景”に… 「泣ける」「つらいよね」心情を察する声

2025.06.02 15:00

提供：Sirabee

NHK朝ドラ『あんぱん』で、家族と一緒に乾パン作りをする蘭子（河合優実）の変化に視聴者は涙。「協力する気になったのは、家族が生きるためというより…」と考察する人も。

2日放送のNHK連続テレビ小説『あんぱん』で、蘭子（河合優実）が加わった乾パン作りに視聴者は涙。その心情の変化にネット上では、さまざまな考察が広がっている。

草吉の過去が判明

軍に納める乾パンを焼いた後、朝田家を去っていってしまったヤムさんこと屋村草吉（阿部サダヲ）。釜次（吉田鋼太郎）はのぶ（今田美桜）と羽多子（江口のりこ）に乾パンを焼くことを拒んでいた草吉の過去を話す。

かつて銀座のパン屋で修業していた草吉だが、さらなる修業のためカナダに密航。しかし修業どころかイギリス軍の日本人義勇兵として欧州大戦で戦うことになり、激戦のなか動かなくなった仲間の身体を漁って乾パンを貪り食うという地獄の体験をしたのだという。

そんな壮絶な話を聞いたのぶは言葉を失い学校でもぼんやりするが、帰宅すると朝田家ではパン作りの真っ最中だった。

乾パン作りをする蘭子

草吉は石窯の中に“乾パンの作り方”のメモを残しており、草吉の思いを推し量った羽多子は草吉がいない中でパン作りをすることを決意。

そこには蘭子とメイコ（原菜乃華）の姿もあり、乾パン生地をこねる蘭子を見たのぶは「あんなに反対しよったのに」と驚く。

これに蘭子は「反対ちや。うちは殺し合いの応援らあ、しとうない」と言いつつ、「けんどそんなこと言いよれんやろう。うちの家族生きていかないかんがやき」と生地をこね続けた。

「泣ける」「つらいよね」

釜次の弟子・豪（細田佳央太）と出征前に結婚の約束をするも、戦死により叶わなかった蘭子は戦争に強い憎しみを抱いており、軍からの依頼である乾パン作りも拒んできた。

そのため「蘭子が！　蘭子が！　乾パン作りのお手伝いしてる！！！！」「戦争の加担はしたくない蘭子まで」と視聴者も驚き。

「『家族が生きるため』と蘭子も加わったのが何だか胸アツだった」「蘭子ちゃんも乾パン作ってるのも泣ける」「裏では大きな葛藤があったのだろうな」「蘭子ちゃん、ずっとくすぶった状態のまま...つらいよね......見てるこっちもつらい」と涙する人やいたたまれない気持ちになる人も。

蘭子の心の機微

また、「朝田家では一番反戦の姿勢を示していた彼女も容赦なく戦争に動員されるのがあまりにもやるせなくてゾッとしたな...」「戦争を嫌い戦争に協力しないでいるのは、蘭子にもヤムにも大変なハードル。生活から追い込まれる怖さ」と戦争＜生活と選択肢がないことに胸を痛める人がいる一方で、「蘭子ちゃんはヤムさんの思いを無駄にしないために参加したのかもしれない。もう戦争に関わりたくない者同士の小さな心の繋がりというか」などと、蘭子の心の機微を感じとる人も。

中には「蘭子が乾パン作りに協力する気になったのは、家族が生きるためというより『兵隊さんの命をつなぐもの』と思えたからじゃないかな。惨状の中、乾パンで命をつないだヤムおんちゃんの話を聞いて、同じように生きて帰れる兵隊さんがいるかもしれない、と思ったんじゃないだろうか」と前向きな考察をする視聴者もいた。

（文／Sirabee 編集部・今井のか）