＜ダメマネ！＞ドラマPが明かす、川栄李奈、安田顕、山田涼介らキャストの強みを生かしたオリジナルならではのキャラづくり

2025.06.01 12:00

川栄李奈主演の「ダメマネ！－ダメなタレント、マネジメントします－」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系／Hulu・TVerにて配信)が放送中。本作は、ワケアリ＆クセツヨ芸能人たちの巣窟、TOYOプロダクション芸能4部の新人マネジャー・神田川美和(川栄)が、部長・犀川(安田顕)のむちゃ振りに翻弄(ほんろう)されながら、崖っぷちタレントたちのために芸能界を駆け回る人生リベンジコメディー。この度、ザテレビジョンではプロデューサーの藤澤季世子氏にインタビューを実施し、放送後の反響や主人公たちのキャラクター設定、今後の見どころについて話を聞いた。

実際のマネジャーからの反響が続々

――4月20日に放送がスタートし、5月25日には第6話が放送されました。放送後の反響はどのように感じていますか。

実際にマネジャーの仕事をしている方々からの反響が非常に大きく、業界視聴率がすごく高いと聞きます。マネジャーさんは現場での貢献度が大きいにもかかわらずエンドロールにも名前が出ない裏方で、完全に陰の存在になってしまっています。そんな自分たちが注目されることをマネジャーの皆さんは喜んでくださっているようで、制作としてもうれしいです。美和がタレントを説得して変わっていくところは、「特にグッとくる」という声をいただいております。

――美和の言葉によってタレントの人生が変化する様子が毎話描かれていますが、本作を通して視聴者の方々に伝えたいメッセージはどんなことでしょうか。

ダメな自分も愛して、失敗したり遠回りしてもいいから頑張っていこうということを伝えられたらと思っています。一つの失敗で全てを失うのではなく、そこからいくらでも再生できる。出演者の安田顕さんが「人生日々大変なことがあるけれど、その悲劇を喜劇に変えるドラマだ」とおっしゃっているように、日曜夜に笑って楽しめるそんなドラマをお届けできたらと考え制作しています。

川栄李奈の強みを生かすキャラクターづくり

――美和がタレントを説得するために伝える言葉は強い言葉も多いですが、美和のせりふはどのように考えていきましたか。

子供の頃から自分の意見を直球で言ってしまうような美和だからこそ強い言葉がハマると思い、タレントに投げ掛ける言葉には強いものもあります。関係者に取材を重ねることで“響く言葉”を探して、傷つけずに鼓舞する言葉のギリギリを攻めています。第1話で美和が大御所俳優の五味(竹中直人)に向かって強くバシッと思いを伝えたシーンがとても良かったので、そこで美和のキャラクターの方向性が固まったところもあります。

――美和を演じる川栄さんに期待していることや、美和のキャラクター設定について教えてください。

川栄さんが美和を演じてくださると決まったときは、本当にうれしかったです。美和は、元天才子役・神田川美和であることを隠しながら「隅田川道子」の名でマネジャーの仕事をしている主人公ですが、元天才子役というヒロイン像も、川栄さんの演技力があれば説得力が増すと思いました。業界では川栄さんの圧倒的な演技力は高く評価されているのですが、世間にはまだそこまで浸透していないような印象がありました。川栄さんのお芝居の上手さや、幅の広さ、才能を余すところなく皆さんにも見てもらいたいという思いがあり、美和のキャラクターもいろんな側面が出るように、振り幅がある設定にしています。

本作はオリジナルなので、美和以外もキャストの強みを生かしたキャラクター設定にしていて、犀川もその一人です。安田さん演じる犀川は、美和の子役時代のマネジャーで、現在は美和の上司。美和に次々とミッションを投げかける一方で、実は全て犀川の手のひらの上だったのでは…と思わせるようなキャラクターです。シニカルな部分もあり、安田さんのお芝居の魅力が生かせるキャラクターに仕上がっているのではないかと思います。

スーパースター・山田涼介の思いも役に反映

――Hey! Say! JUMP・山田涼介さん演じるTOYOプロ芸能1部のスーパースター・真田祐士のキャラクターについても教えてください。

ドラマ「ビリオン×スクール」(2024年、フジテレビ系)で山田さんと一緒にお仕事をしていた瑠東東一郎監督を中心に、「イケメンなのに痛いキャラ」という山田さんにしかできない真田を作っていきました。「俺のこの顔面を見て心が動かなかった女性は初めてだ」など、山田さんが演じる真田にしか言えないようなせりふが多く台本に入っているかと思います。

「ダメマネ！」の制作にあたり、マネジャーさんにはたくさん取材してきたので、真田のようなトップスターの方にも取材が出来たらと思っていたところ、山田さんご自身からいろいろお話を聞くことができました。仕事に対しての思いなど…お話しいただいた部分を台本に取り入れていることもあります。

――美和と真田の掛け合いは、クスっと笑えたりキュンとしたりと視聴者の注目も集まっていますが、川栄さんと山田さんは撮影現場ではどのような雰囲気でしょうか。

川栄さんと山田さんはドラマ「親愛なる僕へ殺意をこめて」(2022年、フジテレビ系)で初共演で、そのときはお互い目も合わせられないくらい人見知りだったそうですが、本作では既に仲良くなっていて「山田」「川栄」と呼び合う仲です。第2話で真田が「隙あり！頭ポンポン！」と美和の頭をなでるところは山田さんのアドリブだったりと、アドリブも多く飛び出しています。芸能4部のメンバーも含め、キャストの皆さんは自身が演じる役のことを考えた上で、アドリブを入れて笑いを作ろうとしてくれています。

美和と真田の恋模様に注目

――これまでに放送された中で、藤澤プロデューサーが特にお気に入りの話を教えてください。

もちろん全話オススメではありますが、特に泣けるという意味では5月18日に放送された第5話が自信作です。かもめんたる・岩崎う大さんに脚本をお願いし、芸人さんのリアルな思いをふんだんに詰め込んでもらいました。第5話後半でお笑いコンビ「ビレッジマウス」が解散という選択をするところは、見ていて号泣してしまうくらい千葉雄大さんと大東駿介さんの演技が最高でした。

――6月1日(日)には第7話が放送されます。第7話の見どころを教えてください。

第5話で真田が美和に告白をしました。美和が子役だったことを知っているそぶりの真田ですが、2人の過去にどういう繋がりがあったのかというところも第7話では描かれます。また、トップ俳優とマネジャーの恋愛はご法度ですが、美和が真田の思いをどう受け止めるのか、どんな結論を出すのか楽しみにしていただけたらと思います。また、美和も真田も子役から芸能界にいるので、恋愛には慣れていません。その初々しさも見どころです。

◆取材・文＝水沢あすみ