トンツカタン森本(@oishiikabegami)/ 撮影:松山勇樹

「ツッコミは懐にしまえるナイフ」トンツカタン森本が語る、“無理しないツッコミ”のススメ

2025.05.27 06:03
提供:ENTAME next

5月28日にトンツカタン森本の書籍「ツッコミのお作法 ちょっとだけ話しやすくなる50のやり方」(KADOKAWA)が刊行される。書籍には、“ツッコミガチ勢”を自認する森本のツッコミ哲学から、ツッコミから見るコミュニケーションの方法なども記されている。今回は書籍の上梓に先立ち、森本にインタビューを実施。ツッコミはコミュニケーションにおいてどのように役立つのか、お笑い芸人以外にとってもためになる情報を教えてもらった。(前後編の後編)

――書籍では「ちょっとだけ話しやすくなる50のやり方」としてツッコミを紹介しています。コミュニケーションにおけるツッコミの役割とはどのようなものでしょうか?

元も子もないですけど、日常生活では無理してツッコまないのが大事だと思います。お笑い芸人と比べて、普通の人はあんまりボケたりしないじゃないですか。そんなつもりじゃないのに、自分の価値観で「嘘つけ」とかツッコんじゃうのは失礼ですよね。僕にとってツッコミは武器になりますけど、場合によっては凶器にもなる。無理してツッコまないのがコミュニケーションのコツかなと思います。

――森本さんの場合、普段から周囲の人にボケられてツッコミを待たれることも多そうですよね。

舞台上や収録ではツッコミのスイッチをオンにして、向こうもボケのスイッチをオンにしているはずだから、ツッコミますけど、その後ご飯行こうとなったら僕はあんまりツッコまないかもしれない。僕も普段からやたらめったらツッコんでいるわけではないということは太文字で書いといてください(笑)。

――たしかに普段からツッコんでばかりいたら、コミュニケーションが成り立たないですよね。

先輩とご飯へ行くとなったら失礼なことはしたくない。まずは丁寧に信頼関係を築いてからこそ、本番で「お前うるせえよ」と言っても、お笑いでやっているんだなとわかってもらえますよね。そういう失礼してもいいポイントは稼いでおいたほうがいいです。

――逆に日常のどんな場面でツッコミは活きるのでしょうか?

面白いボケは日常ではなかなかないですよね。だから、いじりとか失礼ボケのときに無視するのもいいですけど、ちょっとツッコミで返しつつ、相手にもちょっと嫌な思いさせるというか(笑)。性格悪くなっちゃいますけど、そういうお守り的な感じでツッコミを持っておくのはありかなと思います。基本的には和気あいあいとコミュニケーションを取りたいですけど、泣き寝入りしたくないなというときの懐刀としてツッコミがあってもいいかもしれない。こちらが気持ちをためこまないように、それでいて喧嘩にならないような返しとしてツッコミは使えるかなと思います。

――お守りいいですね。実際に使う際の注意点などはあるのでしょうか?

ツッコミがうまくない人の特徴として、あらゆる人に対して同じワードを使ってしまっているというのがあると思います。例えば、初対面の人と旧知の仲の人だとワードの選択肢って違うはず。旧知の仲だから「うるせえよ」と言えるけど、初対面の人には言わないほうがいいですよね。人となりを知らないからこそ、こういうことは言わないだろと、自分の価値観で決めつけないようにしています。

――なるほど。想像力ですね。

ちょうどこの前も「佐久間宣行のNOBROCK TV」(YouTubeチャンネル)でドッキリをかけられたんです。加護亜依さんがインパルスの板倉俊之さんに操られていて、「タバコ吸いたいですね」と言ったときに、まだどっちかわかんないじゃないですか。関係性によってはボケとして「まだタバコ吸ってるんかい」とか「気遣うわ」とか言えるけど、もしかしたら本当にタバコ吸いたいと思っているかもしれない。だから、「喫煙所どこですかね」みたいな感じで抑えとく。そういうのって大事で、人によってオーダーメイドであるべきかなと思います。

――ツッコミしろを逃したとはならないわけですね。

昔は全部ツッコんでやると思っていました。でも、もし僕が加護さんに「まだタバコ吸ってんのかい」と言って向こうが嫌な気持ちになったら、そこから喋ってくれなくなっちゃう可能性もあるわけじゃないですか。そうしたら、そこから全部のツッコミしろを逃すことになるので、まずは打ち解けてなるべく信頼してもらえるような人間であろうとしています。――改めて書籍についても伺います。まずオファーされたときの率直なお気持ちはいかがでしたか?

僕には荷が重いなと。 ただ、めちゃくちゃ売れているツッコミの人が書く本とは絶対内容が変わってくる。絶妙に売れているのか売れてないのかわかんない、芸人が書くツッコミ本のほうが生々しくて、この状態の僕でないと書けない文章があるのかなと思って、受けさせていただきました。

――たしかに生々しいというか、ツッコミについて事細かに書かれていることに驚きました。

初めての書籍で出し惜しみなくと思ったんですけど、帯も書いてくれた佐久間さんに会ったときに「えっ引退するの?」と言われました(笑)。こんなに書かなくてよかったのかと思いました。

――執筆していく中で注意していたことはありますか?

まずは偉そうにならないこと。あとは細かいですけど、ツッコミの言葉が改行でキレが悪くならないようにしました。ちゃんと「なんてキュートな人なんだ」みたいなツッコミワードを一気に読めるように。僕はあんまり本を読まないんですけど、そんな僕でも読みやすいようにすれば、みんなそうだと思うので、そのあたりは気をつけました。

――最後にどういうふうにこの書籍が届けばうれしいでしょうか?

「ツッコミの作法」と銘打っているのでツッコミ論なんですけど、読み物として面白くできたつもりです。これを読んでバンバンツッコむのではなく、50種類のツッコミの中から一個でも「今後こうできるな」と思ってくれたら万々歳です。ツッコミによって、その人の人生がわずかでも好転してくれたら最高ですね。

▽森本晋太郎(もりもと・しんたろう)1990年、東京都出身。お笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオで活躍中。

関連リンク

関連記事

  1. SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業
    SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業
    ENTAME next
  2. 美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】
    美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】
    ENTAME next
  3. 10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」
    10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」
    ENTAME next
  4. 中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」
    中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」
    ENTAME next
  5. 桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開
    桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開
    ENTAME next
  6. 似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」
    似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」
    ENTAME next

「ニュース」カテゴリーの最新記事

  1. 「パンどろぼう」5周年フェスティバルの全容が公開 かわいいグッズ一覧も
    「パンどろぼう」5周年フェスティバルの全容が公開 かわいいグッズ一覧も
    WEBザテレビジョン
  2. 芳根京子主演「波うららかに、めおと日和」最終回目前、3組の恋愛模様に注目 昭和10年代の“愛の形”
    芳根京子主演「波うららかに、めおと日和」最終回目前、3組の恋愛模様に注目 昭和10年代の“愛の形”
    WEBザテレビジョン
  3. 芹澤優の守護霊は “屈強な軍人”、長縄まりあは“お姫様” 数々の診断で2人の最強バディ説が浮上<声優と夜あそび>
    芹澤優の守護霊は “屈強な軍人”、長縄まりあは“お姫様” 数々の診断で2人の最強バディ説が浮上<声優と夜あそび>
    WEBザテレビジョン
  4. 「放っておいて」…お互いを思いやりながらもすれ違う母と娘の感動エピソード<コーヒーを飲みましょうか?>
    「放っておいて」…お互いを思いやりながらもすれ違う母と娘の感動エピソード<コーヒーを飲みましょうか?>
    WEBザテレビジョン
  5. 本田響矢、“うぶキュン”し過ぎてNGに…平野眞監督「せりふが出なかったじゃないですか」<めおと日和>
    本田響矢、“うぶキュン”し過ぎてNGに…平野眞監督「せりふが出なかったじゃないですか」<めおと日和>
    WEBザテレビジョン
  6. 少女時代ユリ“ジオ”、“1泊800万ウォン”スイートルーム住まいのミステリアスなセレブキャラで視線集中「ジオさん何者?」<交渉の技術>
    少女時代ユリ“ジオ”、“1泊800万ウォン”スイートルーム住まいのミステリアスなセレブキャラで視線集中「ジオさん何者?」<交渉の技術>
    WEBザテレビジョン
  7. えなこ、ビタミンカラーのビキニスタイルでファン圧倒
    えなこ、ビタミンカラーのビキニスタイルでファン圧倒
    WWS channel
  8. Snow Man目黒蓮、称賛浴びても初心忘れず「人としては絶対変わりたくない」
    Snow Man目黒蓮、称賛浴びても初心忘れず「人としては絶対変わりたくない」
    モデルプレス
  9. Snow Man目黒蓮「Zoff」グローバルブランドアンバサダー就任 未来のために準備していることは「秘密です」
    Snow Man目黒蓮「Zoff」グローバルブランドアンバサダー就任 未来のために準備していることは「秘密です」
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事