「続・続・最後から二番目の恋」で注目の西垣匠が26歳に “マーベル作品”出演の夢に向かって邁進中

2025.05.26 06:10

俳優の西垣匠が5月26日に26歳の誕生日を迎えた。2021年の俳優デビューから、放送中の月9ドラマ「続・続・最後から二番目の恋」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)まで、ドラマ、映画、舞台、CMと途切れることなく活躍が続く西垣のこれまでを振り返る。(以下、出演作のネタバレを含みます)

大学時代は“ミスター慶應”「ドラゴン桜」の愛されヤンキーで注目

慶應義塾大学在学中の2019年に“ミスター慶應”に選出された西垣。プロフィールに特技と記しているフェンシングは日本代表(ユース枠)にも選ばれた腕前で、まさに文武両道だ。大学生のときのスカウトがきっかけで2020年末に芸能界入り。

俳優デビューは、2021年1～2月に放送された大西流星(なにわ男子)主演ドラマ「夢中さ、きみに。」(MBSほか)。高橋文哉、河合優実、坂東龍汰、望月歩、前田旺志郎ら注目の若手俳優たちが顔をそろえる中、望月演じる山田をパシリにする先輩・マサヒロ役でのゲスト出演だった。

同じ年の4月期、大作への出演をつかんだ。阿部寛主演の日曜劇場「ドラゴン桜」(TBS系)だ。人気漫画が原作で、2005年に続くドラマ版第2弾。阿部演じる弁護士・桜木が東大を目指す“東大専科”の生徒たちを指導していく物語だが、西垣は東大を目指す生徒ではなく、丸刈り頭で眉毛をそり、ピアスをつけたヤンキー生徒・岩井という役。一緒につるんでいる小橋(西山潤)と共に桜木の子分的存在となって、東大専科を何かとサポートしていく姿が愛らしく、登場を待ちわびるファンも増えた。

当メディアで連載している特集企画「推したい！フレッシュFACE」のインタビューに登場した際、芸能界入りは「単純に(芸能の仕事って)格好いいなという思いがどこかにあった」というものだったが、「ドラゴン桜」への出演で「お芝居をもっとやりたいと思いました」と語っている。

視聴者をキュンとさせたBLドラマがターニングポイント

そのインタビューでターニングポイントになったと明かしているのが、2022年7月期のドラマ「みなと商事コインランドリー」(テレビ東京系)だ。

同作は2023年に続編も制作される人気となり、さらに認知度が高まったといえるだろう。だが、「ドラゴン桜」と同じ高校生役なのにまったく異なるキャラクターで、名前を聞かなければ同一人物だとすぐに分かった人は少ないかもしれない。

西垣は草川拓弥(超特急)が扮(ふん)するアラサー主人公・湊に恋する、サラサラヘアーに眉毛ありのイケメン高校生・シン役。純真で、真っすぐな愛を向けるシンのかわいさは、湊だけでなく、視聴者も大いにキュンキュンさせた。

デビューから数作で、キャラクターにすんなりとなじみ、作品世界を作り上げる演技力を披露。どんな色にも染まれる実力は、その後もいかんなく発揮していく。

デビュー5年で約30本のドラマに出演

電車がワープしてしまうサバイバルストーリー「ペンディングトレイン-8時23分、明日君と」(2023年、TBS系)では殺傷事件の犯人かもしれない考察欲をかき立てる役、ハートフルホームドラマ「春になったら」(2024年、フジテレビ系)でのフレッシュなウエディングプランナー役、「顔に泥を塗る」(2024年、テレビ朝日系)でのモラハラ彼氏にひょう変するエリート弁護士役、「海に眠るダイヤモンド」(2024年、TBS系)でのホスト、「わたしの宝物」(2024年、フジテレビ系)での兄が海外でテロの犠牲になり悲しみに揺れる青年役。

2025年は、「財閥復讐～兄嫁になった元嫁へ～」(テレビ東京系)で企業家を目指す青年役、「正直不動産ミネルヴァSpecial」(NHK BS)でZ世代の新入社員役、パラレルラブストーリー「アポロの歌」(TBS系)では主人公に寄り添う友人役で3つの世界の人物を演じ分けた。そして、放送中の「続・続・最後から二番目の恋」(フジテレビ系)では中井貴一演じる主人公の娘・えりな(白本彩奈)と出会う優斗を好演。まだ人物像が明らかになっていないものの、ふとしたところで陰があるような謎めいた青年に扮し、視聴者を引き付けている。

これらを含め、デビュー5年目ながら既に30本近くの作品に出演していることにも驚きであるし、実に多彩なキャラクターを演じてきていることをあらためて実感する。髪形などの見た目が違うだけではなく、声の使い方や、優し気なものから悲しみ、狂気を秘めたものまで表情をさまざまに操って、いい意味で「これ、西垣くんだったか」と思わせる。

2022年には大人気の劇団☆新感線の作品「薔薇とサムライ2－海賊女王の帰還－」で初めて舞台にも立っている。劇団☆新感線の看板俳優・古田新太と、日本を代表する女優の天海祐希が率いる物語。役どころは頼りないところがある騎士だが、フェンシングの経験が生きた殺陣を華麗にこなしていたのが印象的で、身長178cmというスタイルの良さも舞台映えしていた。映像で培った演技力を、観客にダイレクトに伝わる舞台でまた披露してほしい。

「映画で活躍したい」という夢

そんな西垣は、デビュー間もない頃の当メディアのインタビューでも、サム・ライミ監督の「スパイダーマン」(2002年)がきっかけで映画好きになり、映画監督を目指すようになったとのエピソードを明かしている。「推したい！フレッシュFACE」のインタビューでは、就職活動で映画会社の東宝株式会社にエントリーシートを送ろうとしていたとも。不思議な縁がつながって、現在所属するのは東宝グループの芸能プロダクション・東宝芸能。

ただ、俳優の仕事をするようになって、ゼロから生み出す側ではなく、「元からあるものにプラスアルファで色をつけたり、形にしていく俳優業の方が向いているのかなとは思っています」との言葉が、これまでの演技からすると納得できる。

東宝系列の事務所所属ということで、「映画でしっかりと活躍したい」との思いも強い西垣。2024年11月公開の「六人の嘘つきな大学生」では浜辺美波、赤楚衛二、佐野勇斗、山下美月、倉悠貴という、これからの日本映画界をリードするであろう同世代俳優陣と並ぶ主要キャストで、存在感を放った。2025年8月には福本莉子と八木勇征の映画「隣のステラ」が公開予定で、子役出身の実力派若手俳優を演じるというから楽しみだ。

そして映画に関する大きな夢の一つが「いつかヒーロー役でマーベル作品に出ること」だとも語っており、2025年2月に行われたマーベル作品「キャプテン・アメリカ：ブレイブ・ニュー・ワールド」(5月28日[水]よりディズニープラスで配信)のジャパンプレミアにはゲストとして招かれていた。

同作について、西垣は「スティーブ・ロジャースからサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)に代わるということで、どういうふうな作品になるんだろうというのと、『(アベンジャーズ：)ドゥームズデイ(原題)』も情報解禁されているので、次のアベンジャーズに向かってどういうふうに膨らんでいくのかなというのがすごく楽しみです」とファンらしい熱量で語っている。

マーベルファンなら誰もが憧れる“キャプテン・アメリカの盾”を持ってフォトコールに応じていたが、いつか本当にマーベルヒーローとしてフォトコールされるのを期待したい。

◆文=ザテレビジョンドラマ部