新たな恋の予感に心が弾む初夏 “大人になったからこそ踏み出せない一歩”を助けてくれる恋愛ドラマ5選

初夏の風が心地よく感じ始め、新しい日常が少しずつ生活に馴染み始めた季節。咲き誇る花や緑が深まった木々の自然の生命力にも勇気づけられ、新たな恋の予感に心が弾む時期だ。そんなときに背中を押してくれるのが、エネルギッシュな恋愛ドラマ。初夏に観たくなる大人の恋愛ドラマを、5つピックアップしていく。

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“恋なんて非効率”と考える大人たちに贈るラブストーリー「恋なんて、本気でやってどうするの？」

何においてもコスパ・タイパが叫ばれる昨今、なかには“恋なんて非効率”と考えて興味を持たない人も。本作のヒロインである桜沢純もそのような考えの持ち主であり、27年間の人生の中で誰かを好きになった経験はゼロ。恋愛とは無縁の人生と割り切って生きてきた。

ところが、ある日立ち寄ったフレンチのお店で働いていたギャルソン・長峰柊磨と出会うと事情が一変。効率度なんて考えていられない、本気の恋に落ちていく。本作はそんな純と柊磨を含む“恋に難あり”な男女6人が織りなす、大人のラブストーリーだ。

純を広瀬アリス、柊磨を松村北斗が演じ、さらに西野七瀬、飯豊まりえ、岡山天音、藤木直人といった豪華な面々が登場したことも話題になった同作。一歩線を引いていた“恋”という感情に本気で向き合うことになる6人が、それぞれ出す結論とは。

“干物女”というワードを世に広めた名作ドラマ「ホタルノヒカリ」

2007年代、「干物女」というワードが流行語大賞にノミネートされた。そのブームの発端は、華やかなオフィスで働き私生活も充実しているように見える雨宮蛍の実態…実は休日になると部屋着でダラダラ過ごし、恋愛とは程遠い生活を送る姿を表した言葉だ。

常にキラキラ、華やかでエネルギッシュな姿を幻想される20代女子。しかし自分磨きに必要なエネルギーは生半可なものではなく、日々の多忙さに押し流されて「デートよりも合コンよりも家でゴロゴロしていたい」という蛍に共感する人が続出した。原作はひうらさとるが手掛ける同名漫画で、蛍役には綾瀬はるか、ひょんなことから蛍と同居することになる高野誠一を藤木直人が演じている。

すっとぼけた調子の蛍役を演じる綾瀬のキュートな演技と、誠一役の藤木直人が軽快にツッコむという掛け合いも心地よい同ドラマ。コメディチックなゆるさと胸がキュンとなるシーンが絶妙に混ざった、平成ラブコメの名作だ。新生活のスタートに合わせ、”新しい自分に生まれ変わりたい”、”仕事も恋も頑張りたい”という方にぴったりな作品といえるだろ

う。

アラサー女子の恋愛を後押しし勇気を与えてくれる作品「東京タラレバ娘」

「東京タラレバ娘」は、吉高由里子と榮倉奈々、大島優子がそれぞれ高校時代からの親友役を演じ、不器用ながらも仕事と恋愛を必死に頑張る姿を描いたドラマだ。30歳、独身、彼氏なし…というなかで仕事に翻弄される毎日。つい「たられば」な愚痴が口に出てしまうリアルすぎる女子たちの奮闘が、多くの共感を呼んだ。原作は累計発行部数500万部超（電子含む）の東村アキコによる同名漫画。

3人は居酒屋に集まって女子会をするのが恒例だが、そこでは必ずといっていいほど「～してたら…」「～すれば…」という“タラレバ話”で盛り上がっていた。しかしある日、いつものように飲んでいるとたまたまその場に居合わせた金髪のイケメン男性・KEY(坂口健太郎)から「タラレバ女！」という切れ味抜群の言葉で切りつけられる。

吉高が演じる倫子はこれをきっかけにKEYを嫌悪するようになるが、実はその後にKEYの意外な正体が明らかに。倫子を中心に香(榮倉)、小雪(大島)のアラサー女子3人が経験するさまざまな恋愛模様が描かれていく。

ドラマの中ではリアルすぎるガールズトークが飛び交うのだが、同じ苦労を背負った女子たちが奮起する姿は見る者に大きな勇気を与えてくれる。特に同年代の女性にとって、新しい恋に踏み出す勇気や自分を肯定する力を与えてくれる作品だ。

過去と現在に向きあう大人のドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」

「大豆田とわ子と三人の元夫」は、離婚を3回経験した女性・大豆田とわ子とその元夫たちとの不思議な関係を描いた繊細な大人の群像劇。主演は松たか子、元夫役は岡田将生、角田晃広、松田龍平という異色のキャスティングが話題を集めた。

離婚は不幸な結末…だが当事者たちの人生は漫画や映画と違って、その後もずっと続く。そしてときには、思いもよらないさまざまなドラマが待っているものだ。同ドラマは恋愛をただのハッピーエンドで終わらせない脚本が魅力で、不和で終わったはずの人間関係がこんなに愛おしいものになるのかと気づかせてくれる。

新たな人生の一歩を踏み出すということは、期待だけでなく不安も感じられる。過去を振り返りながらも前を向く登場人物たちの姿は、今の自分を肯定しながら生きようとする多くの人の心に響くだろう。

大人だからこそ立ちはだかる恋のハードル「おとなになっても」

Huluがこの春の最新作として贈るのがドラマ「おとなになっても」。志村貴子による同名の原作コミックをもとに製作された本作品は、主演に山本美月を起用。さらに栗山千明や、麻生祐未、濱正悟、桐山漣、河北麻友子などの豪華キャストが脇を固める。

学校教員として勤務している綾乃(山本)はある日、偶然立ち寄ったダイニングバーで朱里(栗山)という女性に出会う。小学校の教員として真面目に過ごしてきた綾乃は既婚者だが、朱里とは出会った直後から惹かれ合うことに。

だが大人の恋愛は簡単ではない。既婚者が新しい恋に目覚めること、子供を導く教師という立場、孫を望む義両親との同居生活…。大人だからこそ立ちはだかる障害の数々は、どれか1つだけでも踏み出す足を止めるには十分な重さがある。

“恋愛＝幸せいっぱい”ではない大人世代に贈るビターな同作。ほろ苦い大人の葛藤をリアルに描いた物語は、 “すべてのままならない大人”に見てもらいたいタイトルだ。

なお今回紹介したタイトルはすべて、映像配信サイト「Hulu」にて配信中。 “大人だからこそ出ない一歩”を踏み出すためのエネルギーを、名作恋愛ドラマでチャージするのもいいだろう。