クールな少年が恋する相手は“ゆるふわ”ヤンキー…鈍感すぎて想いに気づかない話が「不器用さもまた良い」と話題に【BL漫画】

2025.05.24 08:40

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、レーベル「Blend」の漫画、『朴訥クールとゆるふわヤンキー』(ナンバーナイン刊)を紹介する。創作BL大豊作まつりの公式アカウントが、4月14日に「鈍感なゆるふわヤンキーくんに恋するクールな高校生の話」と添えてX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、6000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、作者の滝春さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

猫のようなヤンキーと猫が好きな寡黙な少年

寡黙でクールな少年・菅野正人に、放課後女子たちが遊びたがっているからと誘うヤンキー・外山千鶴。用事があるから無理だとキッパリ答える菅野に食い下がる外山だったが、彼は取りつく島もない様子で断るのだった。

菅野が遊びに付き合わない理由を察していた外山は、放課後に猫の世話をする彼を見つける。“自分が猫の面倒を見ておくから、彼女たちと遊んであげたらどうか”という外山の提案を、「別に興味ない」と一蹴する菅野。彼の様子を見て「そんな調子じゃ一生彼女できないよ～？」と返すと、突然菅野の手が外山の頬に。驚いていると、菅野は外山の頬にできた傷を気にして手当てを始める。

礼を告げると、外山の頭を撫でる菅野。すると外山は、“自分のことを猫かなにかだと思っていないか”と尋ね、そういったことは彼女にするものではないかと茶化す。さらに、彼女を作ろうとしない彼に「俺も協力するし」と告げる外山。一方、菅野はそんな鈍感な彼に何か伝えようとして…。

この淡い距離感を描いた漫画を読んだ人たちからは、「展開良過ぎて歯茎止まらん」「どっちもかわいくて悶える」「不器用さもまた良い」「ずっと見ていたいコンビ」など、多くのコメントが寄せられている。

優しい世界で語られる“ゆるふわ”物語

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか？

私の作品には共通して「この世界のどこかにこんな2人がいてくれたら」という、ちょっとした祈りのような気持ちから生まれることが多いです。この作品も例外ではなく、菅野と外山というキャラクターと、なんとなくの設定は数年前から心の中にあり、日々の生活の中で率直に「この2人のお話が読みたいな〜」という思いが少しずつ強くなり、気がつけば妄想を始めていたのが漫画制作のきっかけです。

――本作では、距離感を探り合う2人が見せるもどかしくも微笑ましいようす非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

こだわりとしては、タイトルにもあるように「ゆるふわ」な空気感を大切にしています。彼らの雰囲気や日常的なやり取り、それを取り巻く環境がゆるく優しくあるように描いています。また、私も菅野も猫が大好きなので、外山の猫っぽさをさりげなく表現したりしています。その辺りにも注目して見てもらえると嬉しいです(笑)。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

菅野がつい手癖のように外山を撫でてしまい、外山が困ったように「俺のこと猫かなんかだと思ってない？」と笑顔を返すところの一連のシーンがお気に入りです。菅野と外山のもどかしいけど、どこかあたたかい関係性が出せているんじゃないかなあと、我ながら思っています。作中でも似たようなシーンをたびたび描いてしまっていて…やはり癖なんでしょうね(笑)。

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。

この作品は2人の関係性にフォーカスしたお話なので、些細なやり取りの中で揺れ動く気持ちや、2人の関係性をできるだけ繊細に描くよう心がけています。台詞回しについても、彼ららしさもありつつ、等身大の男の子っぽさが感じられるように言葉を選んでいます。漫画として表現するにあたっては、読み手になるべく負担をかけさせないように、読みやすさとテンポ感を特に大切にしています。

――滝春さんの作品は、表情が多彩に描かれているように感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか？

表情や顔まわりを描くのは、制作の中で1番楽しい部分なので特に気合を入れて描いています。キャラクターのその時の心情に合った表情になるよう、できるだけキャラクターの心情に寄り添って描くように心がけています。作画や構図はまだまだ未熟だと感じる部分も多いので、日々学びながら少しずつ成長していけるよう精進していきたいです。

――今後の展望や目標をお教えください。

この2人について、今後も末永く描いていけたらなと思っています。また、別の作品にはなりますが、まだまだ描きたい物語がたくさんあるので、今後もいろんなお話を形にしていけたらいいなと思っています！

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

当作品を読んでくださって本当にありがとうございます！コメントや反応もいつも励みになっています。少しでもいいなと思っていただけたり、楽しんでいただけていればとても嬉しいです。これからも活動を続けていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします！