大悪党に憧れた少年の人間味溢れるヴィランズストーリーが「面白すぎてやばい」と話題【漫画】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、マンガUP！で連載中の作品『大悪党少年』をピックアップ。

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作者の藤近小梅さんが2月5日にXで同作を投稿。そのツイートには6700件以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、藤近小梅さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

なお、同作の単行本が6月に発売される予定なので、そちらもチェックしてみてほしい。

中二病少年、絶体絶命のピンチに超常能力(スーパーパワー)を手に入れる

巨大隕石墜落の影響で、スーパーパワーを持ったヒーローが活躍する世界で、中学2年生の世高エータはくすぶっていた。

綺麗事を振りかざして戦うヒーローにも、群れることしか能がないクラスメートにも嫌気がさしたエータは、彼自身が作り出した“イマジナリー下僕”、ゴートを唯一の話し相手として寂しさを紛らわしていた。

そしていつか自分もスーパーパワーを手に入れて、孤高で気高い最強の大悪党となることに憧れていた。

と言うのも、小学生の時に拾った緑色の石を“不思議な力が宿る隕石のカケラ”と信じていて、来たるべき時のために大事にとっていたのだった。そして、その時は突然やってきた。

授業で歴史博物館を訪れたエータは、ひょんなことからトラブルに巻き込まれてしまう。

溶解液を自在に操る輩と出会い、絶体絶命に追い込まれたエータは、例の隕石のカケラを体に取り込むことで、スーパーパワーを得ることに成功する。

ついにスーパーパワーを得たエータは、実体化したゴートとともに世界一の大悪党を目指し前進していくのだった。

作品を読んだ読者からは、「人間味があって主人公めっちゃ好き」「このオチがすっごくいい」「面白すぎてやばい」といった声が多数上がっていた。

「かっこいい画面になれ～と祈りながら描いています」作者が語る創作の背景

――『大悪党少年』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

「友達がいなくてちょっと捻くれた少年が主人公の、ヒーロー物もといヴィラン物の話を描きたいな」という思いがずっとありました。

マーベルなどのヒーローものが好きなので、そこからの発想かなと思います。

その思い自体は「好きな子がめがねを忘れた」の連載前からあって、連載中にじわじわとアイデアに肉付けをしていきました。

こんな漫画を描きたいと思ってると担当さんに話したところ、「藤近さんはキャラの掛け合いが得意だから、主人公に友達がいないとしても話し相手がいた方がいい」というアドバイスをいただいたことからゴートが産まれたり、昔「中二病の男の子が実際に中二病的な力を手に入れて調子に乗る」みたいな漫画を描こうとしてた事があったので、その要素も持ってきてみたり。そうやってじわじわ考えていたおかげで、全ての連載が終了した後あまり間を空けずに新しい漫画を発表することができたのかなと思うので、良かったです。

――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

こだわったというか、こだわりたいというか頑張りたいというか…この漫画はかっこよくしたいシーンが多いので、「かっこいい画面になれ～」と祈りながら描いています。

かっこいい画面作りにおいてまだまだ未熟なので…。

見てほしいポイントについては、こちらから提示したい部分は特にないのですが、シーンでもキャラでも画面でも、どこかが目についてもらえたら嬉しいなと思います。

――本作は主人公・エータと、彼が心の中に作り出したイマジナリー下僕「ゴート」とのやりとりも見どころのひとつです。作中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

エータとゴートのやり取りは大体どれも好きですが、ひとつ挙げるとすれば2話目で学校をサボろうとするエータに対して「明日の学校…きっとお前の話で持ち切りだぜ」と甘言を囁くゴートのシーンです。2話目早々にこのシーンがあることで、私自身「お、いいコンビだな」と安心することができたので。

――エータは孤独な生い立ちから周囲に心を許さず、ヒーローではなく大悪党としていつか世直しをしたいと目論んでいますが、こうしたキャラクター設定はどのようなところから着想を得ているのでしょうか。

エータの設定に関しては、長年蓄積された引き出しの中から産まれたものかも…と思います。

子供と大人の中間ならではの感性、衝動、無謀さを持った少年少女にずっと魅力を感じていて、エータもそういう有限の輝きを持った人間にしたいと思いながら形造っていきました。

――藤近小梅さんの今後の展望や目標をお教えください。

やっぱり、大悪党少年をたくさんの方に読んでいただくことが目標ですね。そしてアニメ化してほしいです。自分の漫画がアニメになるのはすごく嬉しいので…。他にも色々ありますが、強欲すぎて恥ずかしいので内緒にしておきます。

展望としては、やっぱりこれからもずっと漫画を描き続けて、長く読まれる作家でいられたら嬉しいです。

――最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

この先も頑張って面白くしていきますので、楽しみにしていてもらえると嬉しいです！どうぞよろしくお願いいたします。