中沢元紀

中沢元紀、『あんぱん』で演じる千尋は「アンパンマンみたいな男の子」 出演作『下剋上球児』が朝ドラのオーディションを受けるきっかけに

2025.05.22 12:00
中沢元紀

ファンの方から取り上げて欲しいタレントを募集してインタビューを慣行する「フレッシュFACE」。今回は現在、連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)に出演中の若手俳優・中沢元紀にインタビュー。「あんぱん」は“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦が荒波を乗り越え、夢を追う姿を描く愛と勇気の物語。今作で柳井嵩を演じる北村匠海の弟・千尋を演じているのが中沢。朝ドラに挑む心境や役者を志したきっかけや最近のリフレッシュ方法までパーソナルに迫った。

幼少期は「ロールパンナちゃんが好きで真似をしていた」

――まずは夢だった朝ドラへの出演が決まった時の心境からお伺いしたいです。

もうめちゃくちゃうれしかったです。マネージャーさんから電話が来た時は、駅のホームにいたのですが、信じられなくて、興奮のあまり15分ぐらいウロチョロしました(笑)。アンパンマン誕生の物語に携われるということで、僕はアンパンマンと共に育ってきたので、アンパンマンと縁があるなと思いましたね。

小さい頃は、ロールパンナちゃんが好きで、よく真似をしていたんです。母親が掃除機をかけている時に、母を敵に見立てて、アンパンマンごっこをよくしていたので、母親はもちろん家族一同、みんな喜んでくれました。

――台本を読んで、どんなところが面白い作品だと思いましたか。

すごく胸に刺さるセリフが多い、すてきな作品だと思いました。何のために生まれて、何をして生きるのか。夢を追うことの大切さを感じられるストーリーです。家族愛もそうですけど、兄弟愛や、友情も描かれていて、人を思いやる気持ちにたくさん触れられるお話になっています。何より魅力的なキャラクターがたくさん出てきて、温かい気持ちになれるところが魅力だと思います。

――中沢さんが演じる柳井千尋は、どんな役どころと捉えましたか。

一言で表現するとアンパンマンみたいな男の子ですかね(笑)。正義感が強くて、文武両道で、家族思いで優しいキャラクターです。

兄役の北村匠海とは“本当の兄弟”みたい

――ご自身との共通項はありますか。

千尋は、勉強もできるし、柔道をやっていてスポーツもできるし。文武両道で非の打ち所がない人間なんです。もう完璧すぎるんですよね。そんな千尋との共通項は、やりたいことに対して一生懸命に頑張るところ。僕もお芝居という正解がない世界で、上を目指して頑張っています。

――千尋は幼い頃は、体が弱かったけど、どんどんたくましく成長していく姿も描かれますよね。

そうなんです。子供の頃は兄貴の方が身体が丈夫で、千尋の方が病弱。兄の陰に隠れるような子だったのが、兄からの愛情をたくさん受けて、どんどんたくましくなっていきます。男同士ということで、憧れの気持ちもあれば、嫉妬心も芽生えたり、関係性にもいろいろと変化があるので、面白いです。演じるうちに嵩役の北村匠海さんとは本当の兄弟みたいな感じになれました。

――北村さんはどんな方ですか?

匠海さんは本当に兄貴という感じです。カメラが回っていないところでもいろいろお話をさせてもらったり、みんなでご飯に行ったり。アクションの話とか、いろんな作品の話も聞きました。DISH//のライブにも遊びに行かせてもらい、また役者モードの匠海さんとは違うかっこ良さがあってキラキラされていました。嵩とはまた違う一面を見ることができましたね。

俳優・小栗旬に憧れて自ら履歴書を送り、芸能活動をスタート

――改めて俳優を志したきっかけを教えてください。

高校生の時、事務所の大先輩、小栗旬さんに憧れたことがきっかけで俳優というお仕事に興味を持ちました。役を通していろんな職業に就けるのは、面白いです。「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(2017年、フジテレビ系)というドラマでハードなアクションに挑まれている姿を見て、カッコいいなと思って、今の事務所に自分から履歴書を送りました。

――事務所の後輩として小栗さんの背中を見て、どんな方だと思いましたか。

事務所に入ってからお話させていただく機会もあって、とても器の大きい方だと思いました。自然と小栗さんの周りに人が集まる、本当にすてきな方です。そういう方がトップに立って事務所を引っ張ってくれる姿を目の当たりにして、カッコいいなと思います。

――お芝居のアドバイスをもらうことはありますか?

僕は自分で考えたいタイプなので、お芝居のことをあまり相談はしないです。でも、朝ドラの現場に入るとお伝えした時、「頑張って」という応援のことばをくださいました。千尋は柔道をやっている役なので、身体を大きくしたいと言ったら、ジムに通わせてくださり、本当にたくさんお世話になっています。

転機になった作品は「下剋上球児」

――改めて、俳優としてやっていこうとスイッチが入った作品を教えてください。

やっぱり「下剋上球児」(2023年、TBS系)です。朝ドラのオーディションに呼んでいただいたきっかけとなったのもこの作品なんです。「下剋上球児」は、オーディション期間も含めてかなり長期間挑んだ作品で。共演者は同世代ばかりだったので、他の作品にはない一体感があって、深く強い絆を築くことができたと思います。

いろいろなことを教わった塚原あゆ子監督との出会いも自分にとって大きなもので、あの作品に出会えたことは、本当に幸運なこと。塚原監督には最終話10話の完パケと一緒にお手紙をいただいたんです。そこには「犬塚翔があなたで良かったです」と一言書かれていて、本当にうれしかった。その手紙は僕の宝物です。

――俳優になって約3年の月日が経って、最初と変わった部分はありますか。

常に変わり続けていると思います。作品と向き合う姿勢も、最初の頃とは全然意識が違うと思います。この3年を振り返ってみると僕は現場にすごく恵まれているなって思うんです。どの現場でも「この人すごいな」と思う役者さんと出会えて、本当に学びが多い。皆さんからいい刺激をいただいて、器の大きい役者を目指したいと思っています。

――ご自身の中で大切にしたいことは?

お芝居だけやっていればいいというわけではなく、一緒にお仕事したいと思っていただけるような役者になること。周りとしっかりコミュニケーションを取って、「この人ともう1回やりたい」って思っていただけるような、人間的にも魅力のある俳優になりたいです。

役を通して自分の技術がどんどん上がっていくのが理想

――いろいろな役を演じていると役が抜けないという俳優さんもいますが、役のオンオフのスイッチがあるとか、ご自身はどういうタイプですか。

役がなかなか抜けないタイプです。アップした作品の役が抜けてなくて、周りのスタッフさんたちから指摘されることもあります (笑)。すぐには切り替わらないですけど、多分、次の作品の台本を読めば大丈夫だと思います。

――自己分析するとどんな性格ですか?

人見知りなので、学生時代から「おとなしいね」とか「落ち着いているね」ってよく言われてきました。緊張するとあまり喋れないんですよ。現場では顔合わせから共演者の方にガツガツいけないタイプですが、あまり身構えていても良くないじゃないですか。

クランクインしてからは、とくに監督とは作品についてたくさん話さないといけないと思うので、人見知りを発揮している場合ではないですし、そこは直していきたいです。「自分から話しかけよう」と意識していることもあって、この3年間で改善されたと思います。

――学生時代からおとなしいタイプだったんですね。

学生時代は特にそうですね。野球部だったのですが、あまりしゃべらないでみんなを見ているみたいな感じでした。みんなの中心になって盛り上げるような、クラスのムードメーカータイプとは程遠かったです。

――まだファンの人に知られてない意外な一面があれば教えてください。

僕、料理が好きなんです。料理を作るだけでなく、最近は料理を盛り付けるお皿にも興味がでてきて。器の見た目でも美味しさが増すじゃないですか。料理に合う食器にこだわりだしたら、相当沼だろうなって(笑)。

でも、まだ一歩踏み出してなくて、買ってはいないですよ。お店でおしゃれな器とか眺めているのが楽しくて。きっと1個買ったら、歯止めが利かなくなりそうだな~。

――どんな器が好みですか。

最近は和食が好きでよく作るので、和食に合う、和のお皿に興味あります。素焼きとかもいいですね。魚が好きなので、魚のお皿も欲しいです。あ、今思いついたのですが、器だけでなく、魚をさばけるようになりたい。3枚におろしたり、自分でパッとできたらかっこいいですもん。いつか挑戦してみたいですね。ちなみにこれ、初出しエピソードです!(笑)。

――寡黙な料理人役が似合いそうですね。

料理人役、やってみたいです。その時、最初から魚をさばけたら、カッコいいですよね。包丁さばきも役作りで追求するのは面白そうです。役を通して自分の技術がどんどん上がっていくのが理想。それって俳優の仕事の面白さだなと思います。

体育会系の“なにくそ精神”で、踏ん張って上を目指していきたい

――多忙な毎日だと思いますが、最近のリフレッシュ方法を教えて下さい。

料理をすることでもリフレッシュできますけど、今の季節は、ちょうどいい気候なので、散歩をするのが好きです。サウナに行って汗をスッキリ流して整いに行くこともあります。あと、実家で猫を飼っているので、猫と触れ合うのも癒されますけど、実家まで行くとリフレッシュを通り越して、完全にスイッチがオフになっちゃいます(笑)。

――お休みの日は人と会うより、1人で過ごしたいですか?

いや、サウナは友達と行きます。「最近、こんなことがあった」って近況を報告しながら、サウナに入る時間は好きです。役者仲間と一緒の時は、次にどんな作品をやるのか、報告しあっています。

――今回の企画はファンの声から実現したインタビューになります。中沢さんにとって、ファンの方はどのような存在ですか。

自分の作品を観て応援して下さるファンの皆さまは、本当にありがたい存在です。僕なんかを応援して下さって…って思っちゃうんですけど(笑)。出演作を楽しみにして下さる方がいてくれているからこそ、輝けていると思います。

「こんな役もできるの?」「全然、前回と印象が違う」みたいな感じで、いろんな役を演じることで、いい意味で見て下さる方たちを裏切って、驚かせていきたいなという気持ちです。

――いただいたファンレターには目を通されていますか。

もちろんです。本当にありがたいことに、応援して下さる方からたくさんお手紙をいただきます。「下剋上球児」はもちろん、僕の出演作一作一作について、反響をいただいてますね。「ひだまりが聴こえる」(2024年、テレ東系)というドラマをやっていた時は、海外の方からもお手紙いただいて、いろんな方が観て下さっているんだなとうれしかったです。手紙を読むと、僕の俳優としての活躍を楽しみにして下さる方たちの期待を超えていきたいなと思います。

――SNSで出演作品についての視聴者の感想をチェックされることはありますか?

コメント欄はたまに見ます。やっぱりどんな感想があるのか気になるので。でも、自分の名前ではエゴサーチまではしないです。たまに作品名で検索して、作品について語ってくれているコメントを見たりします。

いろんな視点の意見があったり、作り手側が意図してない視点の意見もあって、「確かにな」とか「そういう意見もあるな」って思うことも多々ありますし、そういうことを知ることができるのはSNSのいい点だなと思います。

――ちなみに褒められて伸びるタイプか、ダメ出しされてちょっと負けず嫌いのスイッチが入るタイプか、どっちですか。

ダメ出しされたら、くやしいけど、スイッチが入ると思います。結構、負けず嫌いな性格だと思いますね。やっぱりスポーツが好きで、“なにくそ精神”で今までずっとやってきました。

うちは家族がみんな、体育会系なんです。お父さんもお母さんもスポーツが好きなスポーツ一家。小さい頃は、休みの日に家族でバレーボールをして遊んだり、身体を動かして過ごしたりすることは多かったです。しみついた体育会系の精神で、これからも俳優として踏ん張って、上を目指していきます!

◆取材・文/福田恵子

撮影/梁瀬玉実

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