山本美月&栗山千明、初共演のドラマは「原作愛を持って皆で作り上げた作品」＜おとなになっても＞

2025.05.22 08:30

山本美月と栗山千明が出演する、志村貴子による漫画『おとなになっても』の実写ドラマが4月26日(土)より、動画配信サービス「Hulu」にて独占配信中(※毎週土曜最新話公開)。本原作の大ファンだという山本美月（大久保綾乃役）と、栗山千明(平山朱里役)に作品への想いを聞いた。

女性同士の恋愛を描いた本作は「前向きな気持ちになれる作品」

ーーお二人は本作のどんなところが好きですか?

山本美月：『おとなになっても』もそうなんですけど、志村先生の作品全部に共通する空気感が好きなんですよね。読んだ時に時間がゆっくり流れる感じで、登場人物一人ひとりが魅力的で個性があるんです。リアルじゃないけどリアルなのが良いですね。あともちろんストーリーも好きですけど、すっきりとした線で描かれた洗練された志村先生の絵も好きです。

栗山千明：全体的に優しい作品で、個々のキャラクターが皆愛おしくて好きです。人間味がある可愛らしい子たちで、頑張れって背中を押したくなるんですけど、自分も勇気を貰えるんですよ。ストーリーの中で成長していったり、自分と向き合ったり、それぞれが素敵な時間を過ごしたことが分かるので、読み終わった後に前向きな気持ちになりますね。心を動かされることが面倒くさいと思いがちなんですけど、素敵だなと思える作品です。

ーーリアルじゃないけどリアルっていうのは、具体的にどういったことなのでしょうか?

山本美月：こういう人って現実の世界にもいるだろうなというリアルさはあるんですけど、生々しくないんですよね。誰が見てもスッと受け入れられるし、自分ごととして考えられると思います。

憧れの栗山千明と初共演が決まった時の心境は「こんな贅沢いいんですか?」

ーーお二人は今回が初共演とのことですが、撮影が始まる前と今の印象は変わりましたか?

山本美月：ずっと好きだったんですよ。昔はアニメばかり観てて「人」が出る作品をあまり観てこなかったんです。そんな中でテレビの画面越しに拝見して、引き付けられたのが栗山さんでした。当時は芸能人と言えば栗山さんしか分からないってくらいだったんです。なので今回朱里役が栗山さんって聞いて「えっ、いいの？」って思いました。(笑)こんな贅沢いいんですか?って感じでしたね。最初はクールな印象を抱いていたんですが、実際にお会いしたらとても気さくに話し掛けてくださったんです。すごくラフな方で、お会いする前との印象の違いにびっくりしました。

栗山千明：元々「なんて美人な人がいるんだ」って思っていて、欠点がなさそうな人だなって印象でした。それと同時にオタクっていうのも知っていたので、どういう感じなのか分からなかったです(笑)。明るいのか殻にこもった感じなのか、どうなんだろうって。それで共演したら、オタク気質はありながらもコミュニケーション能力が高い方だなと思いましたね。積極的に会話を広げてくれるし、年齢は下ですけどすごく頼れます。

ーーお二人は原作を大切にするために工夫されたことはありますか?

山本美月：現場でも漫画を見ながら撮影していました。こんなに原作に忠実にやったことがないくらい、みんなで話し合いながら撮影していきました。実写は実写、原作は原作と割り切りって、実写ならではの良さを作り上げていく作品もある中で、ここまでチーム全体で原作を意識しながら取り組んでいくことって珍しいのかなと思いました。

栗山千明：スタッフさんもタブレットを持っている方が多かったので、例えばこのシーンはどうだっけ?ってなった時にすぐ漫画を見ていましたね。表情とか手の位置とかも確認しながら進めていきました。

ーー本作は女性同士の恋愛模様を描いた作品ですが、男性との恋愛を描いた作品との違いは感じましたか?

栗山千明：特に感じなかったですね。でも男性が相手の方が遠慮するというか、気を遣われているんじゃないかなって思うことはあります。

山本美月：違う性別ってことで分からない部分があるので、確かに私もそういった意味では男性の方が気を遣うかもしれないです。

登場人物全員が愛おしい「原作愛を持って皆で作り上げた作品」

ーーインティマシーコーディネーターの方がいらっしゃったとのことですが、いかがでしたか?

山本美月：該当するシーンだけ現場にいらっしゃったんですけど、いてくださることで安心感がありました。何かが起きる前に未然に防いでくれるというか。実際に何かが起こったわけではないんですけど、インティマシーコーディネーターの方がいるというだけで自分も含めて気を引き締めるようになっていた気がします。例えば何度も同じキスシーンを撮影するということもなく、必要最低限な中で良いものを撮るという感じでした。

栗山千明：私もインティマシーコーディネーターさんがいてくれることで安心感があり、それと同時に「今ってこうだよね」って思いました。

ーー山本さん、栗山さんは本作を通じてどういったものを受け取りましたか?

山本美月：大人になると色々なことを背負って生きていく分、気持ちに正直に生きていくってなかなか難しいと思うんです。そんな中でも自分自身と向き合って、本当の気持ちは無視せずに受け止めたいなと思いました。綾乃は、周りが期待する自分にならなきゃいけないと思ってずっと自分の気持ちに蓋をしてきました。だからこそ、気持ちに対して正直に生きることへの葛藤もあったり、周りの人を傷つけてしまうことへの苦しみもあったと思います。不倫を肯定することはできないけど、自分の気持ちと向き合えたことで、彼女自身の成長を感じることができました。

栗山千明：人間関係というか、人と深く付き合うことが面倒くさくなりがちなんです。でも嫌なことばかりではなくて、面倒くささを乗り越えた先に幸せが待っているのかなと思うことができました。良い変化をもたらしてくれるからこそ、人と前向きに向き合おうという気持ちになりましたね。

ーー最後に「おとなになっても」をご覧になる皆さんに一言お願いします。

山本美月：原作への愛を持って皆で作り上げた作品なので、私のような原作ファンの方にもきっと納得していただける作品になっていると思います。原作同様に皆さんに愛してもらえたら嬉しいです。

栗山千明：登場人物全員が愛おしくて、自分と重なる部分を見つけられる方も多いと思います。多くの方がこの作品にハマってほしいです。ぜひご覧ください。