涙腺崩壊必至の癒し系SFコメディ…“戦えない兵器”ロボと悪の幹部のハートフル同居譚に「尊い」「号泣」と大反響

涙腺崩壊必至…“戦えない兵器”ロボと悪の幹部のハートフル同居譚に「尊い」「号泣」と大反響【漫画】

2025.05.21 18:40

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、人類を殲滅し地球を乗っ取ろうとする「わるものさん」と、一緒に暮らしているネコ型ロボットC018とのやりとりが面白いと話題の「C018とオカエリの合図」をピックアップ。なお、本作はガンガンpixivで連載中の「休日のわるものさん」第7巻(スクウェア・エニックス)からの抜粋である。

作者である森川侑さんが2025年3月13日にX(旧Twitter)に投稿したところ、多数の「いいね」が寄せられて「やだもう、泣いちゃうよぅ。わるものさん、よき」「尊い」「おかえりっていい言葉だねぇ」「ずっと幸せに暮らしてくれ」「いつも本当に優しい、どちらの気持ちもわかる、そして愛しいです」「C018が可愛い」「最推しC018ちゃん…本当に本当に愛おしい…存在してくれてるだけで充分役に立ってるんだよ」「号泣だよ」という反響が寄せられた。本記事では、森川侑さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

中華まんをわるものさんの近くに持っていくことを思いつくC018

主人公の「わるものさん」は、悪の組織に所属する幹部で、仲間たちからは、”ショーグン”と呼ばれ恐れられている存在。彼は平日はきっちり仕事をこなし、定時には退勤、休日はしっかり休むというON／OFFの切り替えが徹底された人物。動物園でパンダに癒されたり、季節限定のコンビニスイーツを楽しんだりするなど、意外と“ゆるめ”な一面も持っている。

そんな彼が、ある雨の日の公園で猫に似た鳴き声を耳にする。凍えているのではと心配し、声の方へ向かうと、そこにはネコ型のロボットが。雨に濡れる姿を見て、わるものさんはそっと傘をかけ、翌日も様子を見に行った。実はそのロボットは、異星から地球に送り込まれた兵器「C018」。しかし「使い物にならない」として廃棄された。任務として人間を一人倒そうとわるものさんの腕に噛みつくが、何も起こらず落胆する。わるものさんは、傘と充電の恩返しにC018の背中をなでさせてもらった。

仲間の幹部ルーニーにC018を引き渡すが、「検査」と称した解体作業が始まり、再組み立てをされるC018。その後わるものさんが保護するという名目で連れ帰ることに。「猫　飼い方」などと調べながら、寝床の用意にワクワクするわるものさん。他方のC018は、「役に立たなければ意味がない」と焦り、わるものさんの休日にも「何か手伝いたい」と動き回る。ある日、温めた中華まんを放って、飲み物を用意し始めたわるものさんを見て、中華まんを忘れてしまったのだと勘違いしたC018は、中華まんを運ぼうとするが手を滑らせ皿ごと落としてしまう。わるものさんの大切な“休日のご褒美”を台無しにしてしまったC018は大きく落ち込む。だが、わるものさんは注意をしたあと、わるものさんが帰ってくるのかわからなかったと言うC018に”いってきます”や”ただいま”という言葉を教えた。C018は少しずつ”役に立つため”以外の日常を学んでいくのだが…。

“悪の組織の幹部”と“使い物にならないと言われた猫型兵器”の、なんとも優しくて不器用な同居生活を描いた本作には、「C018〜よかったね」「異星の兵器と幹部が家族みたいに暮らしてて泣けた」「不良品のロボが愛されてるの尊い」など、X（旧Twitter）でも大きな共感や反響の声が寄せられている。

「エピソードごとにテンポや雰囲気ががらりと違うことがあるので、それぞれのエピソードに合う空気感を出せるように気をつけています」作者・森川侑さんが語る創作の裏側とこだわり

――わるものさんのゆるい休日の過ごし方のモチーフはどのようにして生まれたのでしょうか。

私自身が休日をつくるのが下手なので、私のイメージする「理想の休日」のひとつがモチーフになっています。

――C018は、どのような目的をもって「休日のわるものさん」世界に登場したのでしょうか、

C018は、実は1番最初に「休日のわるものさん」のストーリーを考えた時から存在していました。C018は地球ともわるものさん達の母星とも違う星から来たので、わるものさん達にはない知識や技術を持っていて、C018の力を借りることでわるものさん達が再び母星で暮らせるようになる…ということを最初期には考えていました。ただこれは担当さんに見ていただく前に考えていたことだったので、実際はこの形では登場しないことになりました。

でも何らかの形でC018は出したいと思っていたので、担当さんと相談して、今のC018が誕生しました。

――本作において、シーン全体を描く上で森川さんがこだわった点がございましたら、教えてください。

「休日のわるものさん」は、エピソードごとにテンポや雰囲気ががらりと違うことがあるので、それぞれのエピソードに合う空気感を出せるように気をつけています。

また、単行本1冊の中で、わるものさん以外のメインキャラクター達がそれぞれ1・2回は登場するようにしています。偏りは出てしまうのですが、なるべく満遍なく出番を作りたいと思っています。

――本エピソードで、森川さんお気に入りのセリフやシーンなどがございましたら教えてください。

「C018とオカエリの合図」で気に入っているシーンは、特製あんまんについて語るわるものさんの向こうで、C018が静かにその様子を見ているところです。

C018は食品を食べられないので、あんまんの味も良さも分からないのですが、でも「コイツはあんまんとやらが好きらしい」ということは理解していて、自分にはよく分からないけどただ見ている…そのC018の姿とわるものさんとの温度差が個人的に気に入っています。

この空気感があるから、1人と一匹の同居が上手くいっているのかなと思っています。

――本作で読者に注目してほしい点などがありましたら、お聞かせください。

注目してほしい点とは少し違うのですが、「休日のわるものさん」ではパンダを特に気をつけて描いています。パンダが可愛く見えないと、パンダに夢中になっているわるものさんの感情も読者さんに伝わらないだろうなと思うので、リアルなパンダもデフォルメのパンダも可愛く描けるように、できるだけふわふわを感じていただけるように…と意識しながら描いています。

わるものさんの気持ちが少しでも伝わりやすくなっていたらうれしいです。

また、注目するエピソードやキャラクターは読者さんそれぞれで違うと思うので、機会があったらぜひ伺いたいなと思います。

――森川さんの今後の抱負や希望をお聞かせください。

作品の更新が不定期になりがちなので、健康に気をつけながら、コンスタントにたくさん描き続けていきたいです。

――最後に、本作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。

いつも「休日のわるものさん」を読んでくださりありがとうございます。

ドラマCDやTVアニメ、そして単行本を7巻まで出すことができたのは、作品を読んでくださり、応援してくださる方々の存在あってこそです。いつも本当にありがとうございます。

引き続きお楽しみいただけるよう、癒しやほっと一息つけるお話をお届けできるよう頑張ります。これからも、みなさまの日々に「休日のわるものさん」がそっと寄り添えたら幸いです。