【漫画】「見てる人は見てくれてる」──SNS投稿にリアクションを続けた未経験者が、採用担当の心を動かすまで「すごく励みになりました」の声

2025.05.20 18:30

コミックの映像化やドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、SNSでの想いが届き、未経験から採用へとつながる感動の実話を描いた漫画『#ドラマな採用』をピックアップ。

作者のうえはらけいたさんが12月7日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、4,800以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、うえはらけいたさんにインタビューを行い、『#ドラマな採用』の創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

未経験でも“想い”が届いた

会社で採用を担当する筒見は、日々求人を出しながらも理想の応募者に出会えず、まるで闇に向かって呼びかけているような虚無感を抱いていた。そんな中、彼の投稿に何度も反応してくれるSNSアカウントが目に留まる。

投稿主の若者は、企業イベントに参加し、会社の過去記事まで読み込むほど会社に強い関心を寄せていた。

面接の場で、その若者は的確な視点と熱意をもって会社の現状を指摘。UI/UX未経験ながらも、営業職を通じて得た現場感覚を武器にUXデザイナーへの転身を志していた。筒見は「見ている人は見てくれている」と実感し、彼の熱意に心を打たれる。やがて最終面接に進んだ若者に対し、採用チームは「正直、めちゃくちゃ採りたい」と評価を語る――。

「不覚にもカフェで泣いてしまいました」「すごく励みになりました」「人と人なんだSNSだって」「泣いた」「めちゃくちゃ熱い思いが双方籠ってて泣ける」「めっちゃいい話…！」「現実にあった話だというのが胸熱」など、反響の声が寄せられている。

“見てくれている人は、きっといる”——信じ続けた先にある出会い

――本作を創作したきっかけや理由があれば教えてください。

本作はFUZEというWantedlyが毎年行っている人事イベントの一環として描かせて頂きました。人事にまつわる様々な実話エピソードを募集し、選ばれた企業のエピソードを漫画化する、という企画です。

僕はセブンデックスさんという企業のエピソードを担当したので、彼らに1時間ほどのインタビューを実施した上で16ページの読み切り漫画として制作させて頂きました。

――登場するキャラクターはどのように生み出された教えたのか教えてください。

そういった背景から制作した漫画ですので、キャラクターの見た目は結構実在の方々に寄せて描いた節があります。

ただ漫画らしいコミカルさや、人間臭さのようなものは実在の方よりも1.5倍増しくらいで描かせて頂いたように思います。

――作画の際にこだわっている点や「ここを見てほしい」というポイントがあれば教えてください。

この漫画に関しては、2色の配色(黄色と青)で書いたのですが、黄色は採用する人事の方、青は応募するデザイナーの方のイメージカラーとして使っており、最終的に採用が決まる場面ではその二色が混じり合って鮮やかなカラーリングになる、という表現にしました。そこに注目しながら読んでもらえたら嬉しいです！

――本作の中で特に思い入れのある(気に入っている)シーンやセリフがあれば教えてください。

やはり、クライマックスの暗闇が晴れて、採用担当者と応募者の世界がひとつに繋がる場面かな、と思います。採用が暗闇に向かって呼びかけるようなものだ、というのはインタビューから実感値として感じましたし、応募する側も同じような感覚を持っている、ということは僕自身の転職活動や就職活動をした経験から描きました。

そう考えると、採用というのはその2つの暗闇がつながって闇が晴れる、という素敵な営みなのかもしれないなぁ、と考えた結果このシーンが生まれました。

――物語を展開していくうえでこだわっている点や特に意識している点がありましたら教えてください。

努力している人や創作している人が救われるような内容の漫画を描きたいな、とは常に心がけています。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。

これからも様々な働く人、つくる人を描きたいと思っています。「ゾワワの神様」という漫画もよろしくお願いします！