「ガンニバル」シーズン2

<ガンニバル>原作者・二宮正明氏、実写版の魅力を語る「むしろ原作からどんどん変えて欲しい」

2025.05.02 17:30
「ガンニバル」シーズン2

3月19日よりディズニープラス スターでシーズン2の独占配信が開始された「ガンニバル」の原作者・二宮正明氏にインタビューを実施。原作者ならではの視点で、実写版の魅力や「ガンニバル」の原点を語った。

サスペンスコミック「ガンニバル」実写化、戦慄のヴィレッジ・サイコスリラー

同作は累計発行部数400万部を超える二宮正明氏が放つ衝撃のサスペンスコミック「ガンニバル」の実写化ドラマ。2022年12月末にディズニープラス スター日本発オリジナルシリーズして実写ドラマ化されたヴィレッジ・サイコスリラー。

衝撃的なストーリー展開と強烈な没入感は、SNS上でも大きな盛り上がりを見せ、多くの熱狂的なファンを生み出し、本作の完結編シーズン2が3月19日から配信開始された。

シーズン2では村に隠されたすべての真実が明らかになっていく

村の真相に迫るため、狂気と暴力の渦に自らを投じる主人公の警察官・阿川大悟役の柳楽優弥をはじめ、供花村を支配する後藤家の当主となった後藤恵介役の笠松将、大悟の妻・阿川有希(ゆうき)役の吉岡里帆らキャスト陣が続投。

さらに今回新キャストとして、妖艶と狂気を孕み、供花村に狂気のはじまりをもたらす女・若き頃の後藤銀役に恒松祐里、銀に見初められ、惑わされ、やがて渦巻く供花村の呪いに取り込まれていく神山正宗役を倉悠貴が務める。

シーズン1は大悟(柳楽)が真実にたどり着く寸前のところで幕を閉じたが、シーズン2では村に隠されたすべての真実が明らかになっていくというストーリーが展開される。

原作者・二宮正明氏「総合的には『ありがたい』の一言に尽きます」

2018年から2021年まで連載された「ガンニバル」が改めて実写化されたことについて問われると、「総合的には『ありがたい』の一言に尽きます。原作が完結してからも話題が続いているし、ディズニープラスでの世界配信ということで、映像化により作品の認知度も圧倒的に上がりましたので」と喜びの胸の内をコメント。

作品クオリティについては、「最初にドラマシリーズを観たのは映画祭(2022年の第35回東京国際映画祭)だったんですよ。シーズン1の1話と2話が一挙に上映されたんですが、自分が望んでいた実写化のレベルがクリアされていました。スクリーン鑑賞に耐えられる画というか、嘘臭くも安っぽくもない重厚感のある映像が展開していたので、ちゃんとリアリティにこだわって映像化していただいたんだなと」と語った。

ストーリーの鍵を握る“あの人”を演じた澤井とハイクオリティな映像を絶賛

さらに、「3話からはドラマシリーズ独自の構成の工夫も始まって、さらに面白くなりましたね。原作者としてドラマ化の感慨はもちろんありますが、マンガと映像ドラマは全然別の表現なので、むしろ原作からどんどん変えて欲しい。自分の手を離れていく方がひとりの観客として素直に楽しめるな、とも思いました」と、実写版ならではの魅力に触れ、“いち観客者”として作品をファンと一緒に楽しんでいることを告白。

そして、「ガンニバル」シリーズにおいては不可避な存在“あの人”(=劇中で"あの人"と呼ばれている大男)については、「“あの人”の映像化が一番難しかったんじゃないかと思います。自分も周囲には『CGでやるんじゃないの?』って言ってたくらいですから(笑)。シーズン1の撮影現場にお邪魔したことがあったんですが、生身の役者さん(澤井一希)が特殊メイクをして演じてくれているのを見学できまして。完成した映像はちゃんと実在感も迫力もありました。あそこが良くないと一気に安っぽくなっちゃうと思うので」と、“あの人”を演じた澤井とハイクオリティな映像に仕上げたスタッフ陣を称賛した。

自身の実体験も反映されていることを明かす

原作の着想について問われると、「最初のスタート地点は“村の居心地の悪さ”じゃないですか。僕自身、子供の頃から転校も多かったから、外からよそ者としてコミュニティに入ると、そのたびに疎外感やストレスを感じていましたし。『ガンニバル』の原作やドラマシリーズが海外でもウケたというのは、どこか僕個人の実体験が大元にあって、それが世界のどこでも変わらない事象として広く共有できたという点があるのかもしれません」と、自身の実体験も反映されていることを告白。

また、「あと具体的な着想のひとつにあるのは映画ですね。大悟たち阿川一家が閉鎖的な環境に引っ越して、暴力的に覚醒していく展開はスタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』(1980)やサム・ペキンパー監督の『わらの犬』(1971)を意識しながら描いていました。供花村の描写とか雰囲気は『犬神家の一族』(1976)とか『悪魔の手毬唄』(1977)など横溝正史ものの映画がイメージにありましたね。そこに世界で実際にあった食人・食葬文化について調べたものを絡ませたりしました」と明かした。

完結への名残りを惜しみながらも、ファン待望の次回作へ意欲

そして、シーズン2の5話・6話に跨って描かれる過去編(コミック10~11巻)は、若き日の銀と正宗を中心に後藤家の呪いと供花村の闇について触れられる重要なストーリー展開についてもコメント。

この展開については、「いざ過去編を描こうとなった段階でも『やべえ、なんも決めてねえ』って状態だったんですよ(笑)。ただ描いている間は自分の熱量も高かった気がしますし、連載が終わってからも過去編を褒めてくれる人はたくさんいらっしゃいますね」と振り返った。

「僕自身が『ガンニバル』のキャラクターの中で特に思い入れのある人物は、銀と金次なんです。ドラマシリーズではシーズン2でいよいよ金次が登場するので嬉しいですね。あれはポール・トーマス・アンダーソン監督の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)でダニエル=デイ・ルイスが演じた強欲な石油王のダニエル・プレインヴューのイメージが入っています。ああいう人間を書くのが好きなんですよね」と告白。

「欲望につられて怪物化していく…そこに理由がないというか“人間の業”のかたまりのような男。金次はマンガの中でも、もうちょっと暴れさせてあげたかったと思っているくらい気に入っているキャラクターなんです」と、かつての後藤家の当主として金と暴力で供花村を牛耳り、傲慢かつ横暴な性格の後藤金次(豊原功補)への思い入れの強さを明かした。

最後に、シーズン2で物語が完結することについての心境について触れると、「やっと終わったな、って感じです。まだ新作も描いておらず、しばらくは「ガンニバル」の惰性で生きているような感じでしたから(笑)。ようやく、これで次に行けるなと」と、完結への名残りを惜しみながらも、ファン待望の次回作へ意欲を示した。

関連リンク

関連記事

  1. 新垣結衣が語りに!“伝説の家政婦”タサン志麻さん夫婦に密着「たくさんの人の心にスッとしみこむはず…」<ふたりのディスタンス>
    新垣結衣が語りに!“伝説の家政婦”タサン志麻さん夫婦に密着「たくさんの人の心にスッとしみこむはず…」<ふたりのディスタンス>
    WEBザテレビジョン
  2. 東京03の超絶サクセスストーリー 全国ツアーだけで「1年食えるくらいはもらえる」
    東京03の超絶サクセスストーリー 全国ツアーだけで「1年食えるくらいはもらえる」
    WEBザテレビジョン
  3. <BLACKPINK>「あつまれ どうぶつの森」内に“BLACKPINK島”がオープン!MVのセットやステージを再現
    <BLACKPINK>「あつまれ どうぶつの森」内に“BLACKPINK島”がオープン!MVのセットやステージを再現
    WEBザテレビジョン
  4. 松井玲奈、大粒の涙…新型コロナ感染中の思い吐露「人生の中では一番苦しいぐらいの数日間」
    松井玲奈、大粒の涙…新型コロナ感染中の思い吐露「人生の中では一番苦しいぐらいの数日間」
    WEBザテレビジョン
  5. ジャニーズWEST中間淳太 “探偵”イメージの細身スーツで「小説現代」表紙に!推しミステリから自身の創作活動まで明かす
    ジャニーズWEST中間淳太 “探偵”イメージの細身スーツで「小説現代」表紙に!推しミステリから自身の創作活動まで明かす
    WEBザテレビジョン
  6. 瀬戸朝香、“なかなか良い感じ”7歳長女によるメイクSHOTに反響「優しくて自然な感じすごくいい」「娘さんお上手!」
    瀬戸朝香、“なかなか良い感じ”7歳長女によるメイクSHOTに反響「優しくて自然な感じすごくいい」「娘さんお上手!」
    WEBザテレビジョン

「ニュース」カテゴリーの最新記事

  1. 乃木坂46遠藤さくら、大きめ襟がキュート ブルー×レースの上品コーデ【GirlsAward 2025SS】
    乃木坂46遠藤さくら、大きめ襟がキュート ブルー×レースの上品コーデ【GirlsAward 2025SS】
    モデルプレス
  2. 乃木坂46井上和、二の腕透ける夏ワンピ姿 可憐オーラ放つ【GirlsAward 2025SS】
    乃木坂46井上和、二の腕透ける夏ワンピ姿 可憐オーラ放つ【GirlsAward 2025SS】
    モデルプレス
  3. 日向坂46小坂菜緒「non-no」専属モデルとして初ランウェイ 花柄ワンピで華やかに登場【GirlsAward 2025SS】
    日向坂46小坂菜緒「non-no」専属モデルとして初ランウェイ 花柄ワンピで華やかに登場【GirlsAward 2025SS】
    モデルプレス
  4. 出口夏希、純白ワンピ&大ぶりアクセで存在感「non-no」モデルとして初ランウェイ【GirlsAward 2025SS】
    出口夏希、純白ワンピ&大ぶりアクセで存在感「non-no」モデルとして初ランウェイ【GirlsAward 2025SS】
    モデルプレス
  5. 少年忍者ヴァサイェガ渉、22歳誕生日当日にシークレットでランウェイ登場【GirlsAward 2025SS】
    少年忍者ヴァサイェガ渉、22歳誕生日当日にシークレットでランウェイ登場【GirlsAward 2025SS】
    モデルプレス
  6. ガンバレルーヤ「ガルアワ」サプライズ登場 ランウェイトップで大技決める【GirlsAward 2025SS】
    ガンバレルーヤ「ガルアワ」サプライズ登場 ランウェイトップで大技決める【GirlsAward 2025SS】
    モデルプレス
  7. B&ZAI川崎星輝、ランウェイにシークレット登場 1年ぶり「ガルアワ」出演でウィンク【GirlsAward 2025SS】
    B&ZAI川崎星輝、ランウェイにシークレット登場 1年ぶり「ガルアワ」出演でウィンク【GirlsAward 2025SS】
    モデルプレス
  8. カジサック長女・梶原叶渚、跳ね上げライン×ストーンメイクが大人っぽい【GirlsAward 2025SS】
    カジサック長女・梶原叶渚、跳ね上げライン×ストーンメイクが大人っぽい【GirlsAward 2025SS】
    モデルプレス
  9. 河合郁人、サプライズで「ガルアワ」初登場 個性派ルック着こなしウィンク披露 【GirlsAward 2025SS】
    河合郁人、サプライズで「ガルアワ」初登場 個性派ルック着こなしウィンク披露 【GirlsAward 2025SS】
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事