中井貴一“和平”の「エロ本号泣事件」に思いがけず感動も、やっぱり笑いの展開へ＜続・続・最後から二番目の恋＞

2025.04.29 17:39

小泉今日子と中井貴一がW主演を務める月9ドラマ「続・続・最後から二番目の恋」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系／FOD・TVerにて配信)の第3話が4月28日に放送された。前回ラストで各自のことを報告し合った千明(小泉)と和平(中井)。第3話の始まりはその続きで、「和平エロ本号泣事件」の真相が明かされた。(以下、ネタバレを含みます)

11年ぶりに復活「最後から二番目の恋」の第3期

本作は、古都・鎌倉を舞台に、テレビ局のドラマ制作部に所属する吉野千明(小泉)と、市役所の観光課で“指導監”として働く公務員・長倉和平(中井)の恋を描いたロマンチック＆ホームコメディー。

2012年1月期の連続ドラマ「最後から二番目の恋」、同年11月のスペシャルドラマ「最後から二番目の恋2012秋」、2014年4月期の連続ドラマ「続・最後から二番目の恋」に続く第3期目で、第2期から11年後を描く。

キャスト陣は、長倉家の次男・真平役の坂口憲二、次女・万理子役の内田有紀、長女・水谷典子役の飯島直子も続投。脚本も、第1期、第2期と同じく、岡田惠和による完全オリジナルとなる。

「和平エロ本号泣事件」の真相は家族の愛に満ちていた

第1話の長倉家でのおなじみの朝食シーンで話題にのぼった「和平エロ本号泣事件」。会話の1トピックかと思いきや、第3話でしっかりと回収された。

千明と和平は、居酒屋で最近のそれぞれの抱えている思いや出来事を報告し合っていた。そこで千明が興味津々だった「和平エロ本号泣事件」の顛末を和平が話し出す。

中学生のときに同級生から唐突に渡されたエロ本を戸惑いながらも家に持ち帰った和平。翌日、学校から帰ると、ものすごい数の折り紙が挟み込まれたエロ本がテーブルに置かれていた。

折り紙を挟んだのは和平の母。「あなたくらいの年頃になればこういうことに興味を持つのは当たり前のことだし、悪いことじゃない、普通だよ」と言いつつも、「ここに書いてある女性像っていうのは、違うんだ、うそだということはちゃんと分かってもらいたい」と、女性から見てあり得ないなどと思う部分に折り紙でしるしをつけていたのだ。

千明は「思春期の息子とそんなふうに向き合えるんだ」と感心するが、和平は「やさしい母親に、こんな話をさせてしまった自分が嫌で、涙が出てきた」と振り返った。

そのうち母親も泣き始め、そこにやって来た典子らも驚いたのか、全員で輪になって泣き出してしまったという。

“エロ本”がつなぐドラマに笑い

その“エロ本号泣事件”は、和平の女性に対する倫理観を作った。男友達と猥談するのも苦手になり、「女性が悲しい目に遭ったり、つらい目に遭ったりしているのを見るのがとても嫌なんですよ。だから恋愛も、絶対に振り向いてくれないだろうという人に諦めずにアタックする、ああいうのが無理なんですよ。自分の気持ちをねじ込んでいくみたいなのが」と語る和平。

それに対して千明は「逆に女性の方からアタックされちゃうと、断ったら傷つけちゃうんじゃないかって、受け入れてきてしまったんじゃないですか？」と、和平の受け身な姿勢を指摘した。そして、恋愛においても「キャッチボール」が大事なのだと言うのだった。

エロ本号泣事件は単なる思春期の母と息子の騒動ではなく、そこに愛があり、女性をないがしろにしない和平の生真面目だけど優しい性格を浮き彫りにした。視聴者からは「長倉家の愛の深さで号泣」「和平さんみたいな考えだったら、傷つく女性も減るのでは」「和平エロ本号泣事件がいい話だった」といった声が上がった。

ただ、その後、“オチ”が明かされる。捨てたはずのエロ本が、ずいぶんだってから、当時小学生だった典子の部屋から出てきたという。そのエロ本の表紙には「団地妻典子の場合」と大きく書いてあり、気になったようだ。これにはエロ本号泣事件に感動していた視聴者も笑いに包まれた。

そして“エロ本”は、和平にとって思いがけない方向につながった。観光協会の通訳のバイトをしている律子(石田ひかり)は、鎌倉の名物おじいちゃんだった亡き一条の一人娘であることを明かし、一条が形見として和平に残していた秘蔵の“未亡人”に特化したエロ本があることを教えたのだ。

視聴者にとって“形見”は第1話で分かっていたことだが、あらためて和平の反応を見ると笑えると同時に、本シリーズで一条がたびたび和平にエロ本を渡していたシーンを思い出すと感慨深い。一条を演じた織本順吉さんは2019年に亡くなっているが、第3期の世界でも引き続き存在感を放っているのもいい。

そんな和平は、現在“未亡人”である律子との関係がどうなるのかに加え、ラストでは鎌倉市長に打診される展開に。和平のセカンドライフが新たな方向に動き始めた。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部