＜PJ ～航空救難団～＞PJ候補生たちの“地獄の訓練”が話題訓練生それぞれへのフォーカスにも期待が高まる

2025.04.28 17:37

航空自衛隊全面協力のドラマ「PJ ～航空救難団～」(毎週木曜夜9:00-9:54 ※初回は夜9:00-10:00、テレビ朝日系/TELASA、Tverにて配信)の第1話が4月24日に放送され、過酷な訓練シーンをスタントを使わずに俳優自身がやっていることが話題に。演技を超えたリアルさが、ドラマへの没入感を高めている。SNSには、ドラマを通して実際のPJの方の過酷さを痛感したり、訓練を実際に行っている俳優陣をねぎらうコメントが数多くポストされた。(以下、ネタバレ含みます)

「人命救助最後の砦」のPJを目指す学生たちと教官の群像劇

「PJ」とは、“パラレスキュージャンパー”の略。海上保安庁や山岳救助隊など他のどの組織でも救助不可能と判断された場合に出動する究極の救難部隊のことで、「人命救助最後の砦」とも言われる航空自衛隊の航空救難団だ。

本作は、航空自衛隊小牧基地を舞台に、救難教育隊の主任教官・宇佐美誠司(内野聖陽)と7名の学生たちが織りなす群像劇、そしてPJの過酷な任務の様子を、リアル且つ壮大なスケールで描いていく。

“地獄の訓練”に耐え抜く7人のPJ候補生

2025年4月、救難教育隊にPJを目指し超難関の選抜試験を突破した7名の学生――沢井仁(神尾楓珠)、白河智樹(前田拳太郎)、長谷部達也(渡辺碧斗)、西谷ランディー(草間リチャード敬太)、東海林勇気(犬飼貴丈)、近藤守(前田旺志郎)、そして、女性初のPJ候補生となる藤木さやか(石井杏奈)が「65期生」としてやって来た。彼らはここから1年間、合格できるのは6割、良くても8割、半分以上が脱落することもある“地獄の訓練”に立ち向かっていく。

どんな事態にも対応できる能力が求められるPJになる為の訓練は、過酷を極める。腕立てや懸垂などは当たり前。起床時間前にも訓練がある。またある日は、両腕を斜め後ろに上げて腰を落としたポーズを5分以上キープして腿も腕も限界のところに、消防ホースでものすごい勢いの水を浴びせかけられた。これは「宇佐美スペシャル」と言われていて、彼は「明日のことなんか考えるなよ！今日の体力は今日で使い切れーっ！」と言いながら、容赦なく1人1人に放水。学生たちは水圧に体勢を崩しフラつくが力を振り絞って耐えるしかない…。

放水が終わった後もポーズをキープしたままの沢井が宇佐美に、放水にはどんな意味があるのか尋ねた。すると、宇佐美は「気分だな。ノリだ」と答え、沢井は思わず「そんな理不尽な…」とつぶやいてしまった。それに対して「自然はもっと理不尽だ」と宇佐美は言った。

他にも、11mの高さからロープを使って後ろ向きで降りる「ラペリング降下」や縄ばしごを横から登る「ラダー登坂」など、厳しい訓練ばかりだ。

スタントほぼ無し！苦しい表情はリアル

この訓練シーンのほとんどは、俳優たちが実際に行っている。苦しい表情は演技ではないのだ。一歩間違えば大ケガや事故につながるため、緊張感もハンパないはずだ。そんな演技を超えたリアルさが視聴者のドラマに対する没入感を高めているようで、SNSには「過酷すぎて、見てて泣けてきた」「命を守るって、壮絶なことなんだな」「命がけの仕事だからこそ、生半可な気持ちでは耐えられない過酷な訓練が必要」など、実際のPJへの想いを綴ったポストが散見された。また、厳しい訓練シーンに挑戦している俳優陣にもねぎらいや称賛の声が多数見られた。

「日本の真裏は、ブラジルではなくウルグアイです！」

本作は、もちろん過酷なシーンばかりではない。主任教官・宇佐美のウザさと背中合わせのアツさとヘンテコなキャラもあり、思わず笑ってしまうやりとりもある。例えば、食堂のシーンでは、「いただきます」の声が小さかった、と訓練生たちのテーブルにやって来た宇佐美が「そんな小さい声で感謝が届くのか？」と、突然、訓練生に誰に感謝してるのかを問い始めた。

近藤は「食堂の方々です！」と大声で、いたってノーマルな答えを。次に聞かれた長谷部は「農家の方でしょうか!?」と若干戸惑い気味に答えた。宇佐美は「それもある！」と認めた後、ランディーにも振った。答えに困った彼は、皿に目をやった後「食器を作ってる方にもです！」。宇佐美的にも想定外の答えだったようで、一瞬ヘンな間が空いた後、「まぁ…そうだな…そういう考え方もいいぞ！」と苦しまぎれにホメた。三段オチのようなやり取りがクスッとさせる。訓練生たちは常に大マジメに答えているのがさらに笑いを誘う。

そして、極めつけに沢井が「1つよろしいでしょうか」と宇佐美を呼び止め、宇佐美が何度か「日本の真裏のブラジルにも声を届かせろ」と言っていたことに対し、「日本の真裏は、ウルグアイです！」と正して、宇佐美が動揺しまくるというシーンも。

緊張と緩和のバランスが良く、息抜きポイントもあって、楽しんで見られるのもこのドラマの良いところだ。SNSにも「もっとシリアスなのかと思ったら、笑えるところもあって良かった」「笑えるシーンもあって見やすかった」「泣けて笑えて最高」との書きこみが多く見られた。

様々な事情を抱える「65期生」たち

また、訓練生1人1人にフォーカスを当てていくような流れにも期待が高まる。初回となる今回は、沢井が過去に父親と雪山で遭難してPJ(実は宇佐美なのだが、沢井はまだ気付いていない)に助けられた過去があること、だが父は亡くなってしまい、父の死は自分が滑落したせいだと苦しんでいることが描かれた。結果、沢井の闇に気付いた宇佐美が本気で彼と向き合い、沢井は自分を許せるようになった。

次回は、女性初のPJ候補生・さやかが直面する「壁」について描かれる模様。他にも、“三度目の正直”で選抜試験に受かり、赤ちゃんを抱える妻を置いてやって来た東海林や養護施設育ちの白河、高所恐怖症の長谷部など様々な事情を抱えている候補生ばかりだ。

彼らも沢井のように人生の次のステップに進めるのか、そして1年後、全員揃って卒業できるのか注目していきたい。

◆文=ザテレビジョンドラマ部