柳楽優弥と笠松将にインタビューを行った

柳楽優弥&笠松将、“世界”を見据えたドラマへの思い「日本のドラマってめちゃくちゃ面白い」「評価のされ方も変わってくる」<ガンニバル>

2025.04.09 08:00
柳楽優弥と笠松将にインタビューを行った

柳楽優弥主演のヴィレッジ・サイコスリラー「ガンニバル」のシーズン2が、ディズニープラス スターで毎週水曜に配信中。初週に配信された第1、2話からいきなり、主人公の警察官・阿川大悟(柳楽)と“あの人”と呼ばれている謎の大男による直接対決、後藤家と警察の銃撃戦、生贄の子どもたちを救おうとする大悟と後藤家の激しい対立…とクライマックスかというくらいの熱い展開でSNSでも大反響を呼んでいる。

このほど大悟を演じる柳楽と、供花村(くげむら)を支配する“後藤家”の当主となった後藤恵介役の笠松将にインタビューを行い、シーズン1を振り返ってもらいながら、シーズン2の見どころも語ってもらった。

柳楽「いい意味でパワーを増して参加できました」

――シーズン2が配信されました。シーズン1のときもかなり大きな反響がありましたが、今振り返ってどうでしたか?

柳楽:こういう作品はインディペンデント(自主制作)では作られていたんですけど、しっかりと予算が加わった時に、作品愛の強いスタッフとキャストが集まって、こんなにいい融合が生まれるんだなって、すごく夢があるなと。しかも、国内だけじゃなくて世界に向けて見せていきたいというスタンスがすごく好きで、ありがたいことにシーズン1がとても好評だったんです。そういう後押しもあって、シーズン2も、いい意味でパワーを増して参加できました。

――シーズン2は、シーズン1を超えるスケールと迫力で序盤から大変なことになっていますが、笠松さんはどう感じていますか?

笠松:配信に先駆けて見せてもらったんですけど、「めちゃくちゃ面白いな」っていうのが素直な感想です。本当、これ以上の感想はない感じなんですけど、撮影前とか撮影中とても難しいなと思いながら撮影していました。登場する人物一人一人を丁寧に描いてくれているからこそ、ちゃんとやらないとボロが出るなと。

みんなで意識を共有しながら、背負いながらやれたことが楽しかったですし、チャレンジングな現場でした。

――シーズン1は反響も大きかったのでは?

笠松:かなり大きかったですね。日本で僕のことを知ってくれる方がすごく増えたし、反響の大きさを身をもって感じたところがありました。だからこそ、シーズン2をさらにいいものにしたいという気持ちがありましたから、いい意味で緊張感もありました。

――柳楽さんも大悟役が強烈なインパクトを視聴者に与えました。これまで演じられてきたキャラクターともまたタイプが違っていましたね。

柳楽:大悟を気に入ってくださる方が多くてうれしかったです。SNSでツッコまれる方が多かったのも面白かったですね。ツッコミどころが多いですし、「そういう見方もあるんだな」っていうふうに反響や感想を楽しんでいました(笑)。

笠松「アクションシーンは本当に見応えがあります」

――アクションシーンがシーズン1よりもさらに激しくなっているような気がしました。

柳楽:完成したのを見ても痛快というか、楽しかったですね。第2話の後藤家でのアクションシーンがロケットスタートで見応えあるなと感じましたし、フィジカル的な対立だけじゃなく、その後に出てくる人間描写というか、メンタルな部分もしっかり描かれているから全話通して芯の通った作品なんだなと感じられて、改めて好きになりました。

笠松:アクションシーンは本当に見応えがあります。演じたときはただただ大変だったんですけど、出来上がった作品を見てみると、撮っている画の素材の多さとつなぎの細かさ、なめらかさ、ちょっとしたところの火花が散っているとか、血が吹き出しているとか、CGの細かさとか、じっくり見れば見るほどすごさが分かるんです。

第2話の後半から3話にかけて、さぶ(中村梅雀)さんたちのところで“大悟対後藤家大勢”みたいなガンアクションが待ってるわけですよ。あのシーンが僕はめちゃくちゃ好きで、細かい工夫みたいなものもあるんですよね。セリフが遅れるとか、照明の感じとか、時間が止まる感じとか、あのシーンは柳楽さんのすごさに全員がグッと引き込まれるんですよ。

柳楽:いやいや(笑)。

笠松:あれがとても好きです!

柳楽:それを言うなら、笠松くんのオーラがすごくあるんですよ。僕ね、“存在感”ってあまり意味が分からなかったんです。でも今回、「“存在感”ってこういうことなんだな」って感じた。それを見て、「負けないようにしなきゃ」って思いましたから。

笠松:ありがとうございます!

柳楽「全話がクライマックスみたいな感じ」

――後藤家と警察が衝突して、大悟は生贄の子どもを救いに行って、それが同時進行で行われていて、第2話にしてクライマックスかという展開に。

柳楽:シーズン2は全話がクライマックスみたいな感じです(笑)。こういう感じに出来たのは、監督のおかげ。メインは片山(慎三)監督なんですけど、ドラマって複数の監督さんが撮ることが多くて、「ガンニバル」シーズン2もそうなんです。

例えば、佐野(隆英)監督とか、シーズン2からご一緒したのですが、これだけ高揚感のある現場にいきなり身を投じて、気合を入れていかなければいけないという状況で「片山組よりも面白いものを撮るぞ」という雰囲気がみなぎっていたのも、僕自身、俳優として気合が入りました。

――役に関してはシーズン1からの続投ではありますが、役へのアプローチで変化を感じる部分は?

笠松:全然違ったかもしれないです。普段、僕は自分のために仕事をするというか、演技するタイプなんです。でも、シーズン1のときに、スタッフの方やキャストの方を含め、いろんな人に助けてもらって、それがあったから恵介を演じることができた。

シーズン2は僕が助けられることがあれば助けたいし、引っ張らなければいけないところは引っ張っていきたいという感じで臨みました。そんな気持ちで撮影に入ったのも初めての感覚でしたし、そんな僕を先輩方がさらに支えてくれたんですけど、シーズン1とは全然違う心持ちでした。

――大悟はシーズン1で供花村に赴任し、村や後藤家の闇の部分を手探り状態で探していくという感じでしたが、シーズン2ではいきなり核心に迫るところから始まりますね。

柳楽:キャラクターとしては、“家族を守る”“悪い人を捕まえる”というベースは変わらずにありますけど、心持ちは違いますよね。撮影はトータルで1年くらいになると思うんですけど、シーズン1の最初に監督と「エンターテインメントとしてしっかり上質なものにしたい」と話したのを覚えていて、そういうところにフォーカスしていたし、エンターテインメントに行き切れるのかな?みたいなドキドキがありました、自分の役柄を含めて。

でも、シーズン2はもうちょっと達観しながら現場に入れたかなと。それはたぶん笠松くんと重なっている部分なのかなって思うんです。俳優として、人として、前回よりも少しだけキャパシティが大きくなれたっていうのは貴重なことだし、ラッキーなことだなって思います。

――昨今ハリウッドが本気で日本の戦国時代を描いたドラマ「SHOGUN 将軍」も世界的に話題になりました。世界配信ということで、この「ガンニバル」でも日本のドラマの良さを世界にアピールできるんじゃないかと思いますが、対世界の点は意識されますか?

柳楽:僕は意識しています。日本の映画は文化がすごくあるし、ドラマでもそのハートがあるクリエイターが多いけど、どうやったらそれを発揮できる環境になるんだろうと探っている人が多い気がするんです。そういうところで、ディズニープラスの配信作品「SHOGUN 将軍」でエミー賞などを受賞して突破口を開いて、そこに続いていくことが正しい道だと思っています。その波に僕たちは乗れているので、どういう結果になるのか楽しみですし、ちゃんといい環境が作れたらいいなとも思っています。

笠松:海外でも配信されることによって、日本のドラマの良さを知ってもらうというか、評価のされ方も変わってくるんじゃないかなって思いますね。

柳楽:日本のドラマってめちゃくちゃ面白いのが多いので、やり方次第だと思うんですよ。例えば2000年代前半くらいのドラマを今のフォーマットで作り直してみたら、グローバルになっていくものも多いと思うので今後いろんな可能性があると思っています。

笠松「やっぱり大悟をやってみたいです」

――ちなみに「ガンニバル」で別の役がやれるとしたらどの役をやってみたいですか?

柳楽:恵介とか面白そう。後藤家のあの濃いメンバーの中でリーダーになるっていう。あれを束ねるっていうのは魅力的ですよ。特にシーズン2の恵介はめちゃめちゃ格好いいから、そういうところも見てもらいたいですね。

笠松:僕はやっぱり大悟をやってみたいです。でも、僕を含めて、ほとんどの俳優がやると多分めっちゃ暗いキャラになってしまうと思うんですよ。お通夜みたいな空気感になって見ていられないんじゃないかなって。柳楽さんの大悟は「ボケカスが!」とか言っちゃって、クスッと笑えて、「あ、やっていいんだ。行け行け!」ってスイッチが入るんです。

柳楽:「ボケカスが!」は、アドリブなんです(笑)。

笠松:えぇ!? あれ、アドリブなんですか?

柳楽:そうそう(笑)。シーズン2の予告にも使われていたから片山さんも気に入ってくれたんだと思います。

笠松:結構インパクトのあるセリフですし、まさかアドリブとは…。

――「ボケカスが!」にも注目しつつ、続きを楽しみにしています。

柳楽:はい、ぜひたくさんの方に見てもらいたいです。

笠松:シーズン2もよろしくお願いします!

◆文=田中隆信

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